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2010/05/05

イメージフォーラムフェスティバル2010年Eプログラム

5月3日はイメージフォーラムフェスティバルEプログラム、かわなかのぶひろ先生の新作、『映像書簡11 反対に足の生えた人々』を見てきました。

おととしくらいまでは毎年ゴールデンウィークシーズンはイメージフォーラム主催の実験映画の祭典、イメージフォーラムフェスティバルに行っていたのだけど。4年前まで住んでいた場所が会場から歩いて20分ぐらいの場所でに住んでいて。散歩がてらに向かえたのと、GWってどこ行っても混んでるものでそういうところには行きたくないし、近場で楽しめる場所ってことで。

フリーパス券買って全プログラム制覇!ってのも何度かやりました。
1日4プログラム、お昼あたりから夜まで実験映画漬けになってるとさすがにへろへろになりましたが。

ま、今はちょっと離れたところに引っ越してしまったので、足が遠のいてしまって。去年は結局見に行かずしまいになってしまったのだけど。今年もこのEプログラムだけになってしまったのだけど。でもまた全プログラム制覇やってみたいなと思っていますが。

Eプログラムは「旅のインスピレーション」として6作品の上映がありました。

『シノノメ オモゴ イシヅチ へ』(狩野志歩/ビデオ/15分/2008)
愛媛の久万美術館の「万作と草田男展」用に作られたイメージ映像のようです。万作は映画監督の伊丹万作のこと。伊丹十三の父親。
伊丹万作の映画の風景シーンを挿入しつつ、伊丹万作の見た風景として緑の山中のイメージ映像。
ぼやかしつつ奥行きを感じさせる緑したたる鮮やかな風景がよかったです。

『PEZOSIREN DAUGHTER』(松尾奈帆子/ビデオ/15分/2009)
昔話を?モチーフにした作品。人とも魚ともつかない姿をして生まれてきた女の子が人に捨てられ、魚の世界、鳥の世界、虫の世界なんかを巡るお話。
実写の女性の姿とイラストレーションの組み合わせ。

『当映画館にて上映されます』(伊藤隆介/16ミリ/5分/2010)
伊藤隆介さんの作品はフェスティバルでよく拝見していると記憶しています。ファウンド・フッテージ、つまり既存のフイルムをモチーフにして製作していらっしゃる方と記憶しているのですが。
本作も昔の映画フィルムらしいものをモチーフに、フィルムをメタに遊んでいらっしゃいます。左右つぎはぎしたり、わざとコマの間を見せるようにしたり。

『YOKO』(金東薫/ビデオ/7分/2010)
風景や女性の姿をモチーフに、モノローグの繰り返しの語りとか。
映像のスピードをリアルタイムじゃなく、早送りにしたり、逆にスローモーションにしたり。
あの、机ひとつひとつがブースに仕切られてるオフィスってどこなのかしら。
スタイリッシュな作品でした。

マナ・ジュンガ・カイマン(伏木庸平/ビデオ/21分/2010)
なにかガチャガチャやってるような音をバックに、公園でカラフルな紐をすそ広がりにたらしている黒子の映像とか、雪山(の写真?)に雪が舞うようなエフェクトをかけて撮影した映像とか。
なんかとても冗漫な作品でした。で、見てる間、醒めました。なんていえばいいのかな、映画を見てるときはそのスクリーンに集中する、「観客モード」に入っていると思います。たとえ映画が退屈で居眠りしているときもその「観客モード」であるのではと。ただ、そのレベルの高い低いがあるだけで。本作の冗漫さはその「観客モード」すら解いてしまうくらいのものでした。なんかふと我に帰って周りを見回してみたり。その体験が新鮮でした。

作者さんもその冗漫っぽさを意識して作っているようでした。BGMのガチャガチャやってる単調な音に時々銃声のようなものを混ぜたりして。ハイドンの「驚愕」ですか、眠気を誘うような旋律に突然それを覚ますがつんとした音を入れるような趣向。
しかし本作はさらにそれを超えて「観客モード」さえ解かしてしまうぐらいでしたが。

『映像書簡11 反対に足が生えた人々』(かわなかのぶひろ+ 萩原朔美/ビデオ/25分(+10分?)/2010)
今回の映像書簡はオーストラリアで研修中の萩原朔美さんに誘われ、かわなか先生がシドニーに向かうというお話でした。地球の反対側、反対に足が生えた人々。12月後半、真冬の日本、シドニーは真夏。
25年前、オーストラリアで映像書簡2を上映したときの映像。たまたま日本で手に入れた、そのとき見かけた記憶のある、ヴィクトリア朝時代の陶器の人形。オーストラリアの風景。

今回、萩原朔美さんのパートはちょっとで、大体がかわなかのぶひろ先生のパートでした。
12月の夏のオーストラリアの風景。原住民のアボリジニの遺跡。そして、ヴィクトリア朝時代の文物。その陶器の人形と同じものたち。(ヴィクトリア朝といえばあたしはまずメイドさん!でありますが)

上映のあと、ビックリハウスアゲインの皆さんとお酒を呑んだりして。

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コメント

小岩での上映会を抜け出してお邪魔しました。BUFFさんの顔とお名前が一致せず、ご挨拶できず失礼しました。各作品の解説とても興味深く拝見しました。

投稿: 林憲志 | 2010/05/05 11:43

◎林憲志様
『記憶と記録の間で』の方ですね。お久しぶりであります。
自分が実験映画、いや、映画そのものについてなんか書くのはちょっとおこがましいような気がしつつ書いてみています。
本職の方に読んで頂き、汗顔の至りであります。
御作を拝見して以来、「記憶」と「記録」についていろいろ考えたりすることがあります。
またいつかお会いできれば光栄であります。

投稿: BUFF | 2010/05/05 21:56

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