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2010/04/14

新アニメ『荒川アンダー ザ ブリッジ』

今期始まった新アニメ、『荒川アンダー ザ ブリッジ』を見てみました。
2話まで放送されていて、2話まで。
私的にファンな新房シャフト作品なんですが。

新房シャフトを意識しだしたのは『ぱにぽにだっしゅ』あたりからかしら。『月詠』もちょっと見たけど、『月詠』のころはまだまだテレビがうまく見られないころだったし。あのころ住んでいたアパートの大家さんからやっとアンテナ工事をしてもらってまともにテレビが映るようになって。それからPCでの録画をまだまだ試行錯誤していたころ。
そして『さよなら絶望先生』あたりで本格的にファンになって、新房シャフト作品となると最優先で視聴していました。
あの、めちゃくちゃ遊びまくった、シュールというか、アヴァンギャルドな演出、好きです。

ただ、前々期あたりからちょっとと思うようになって。
私の嗜好のほうが変わったのか、飽きたのかもしれないけど。

去年の夏アニメ、『化物語』はスケジュール的に息切れが感じられた部分があるけど、大傑作と思ってますが。『【懺・】さよなら絶望先生』はシリーズ物として手堅くまとめてきて面白かったと思ってます。
ただ、前々期の秋アニメ、『夏のあらし!春夏冬中』は第1期『夏のあらし!』からの続きじゃなきゃ見なかったと思います。そして前期の『ひだまりスケッチ×☆☆☆』と『ダンス イン ザ ヴァンパイアバンド』はそれぞれ1話だけ見て、けっきょく継続視聴しませんでした。
「ひだまりスケッチ」シリーズは前期・2期にあたる『ひだまりスケッチ×365』も1話だけ見て見なかったから、私の嗜好とは外れている作品だとは思うんですが。

いや、どこがどう「面白くない」と感じたかはあまりうまく説明できないのだけど。
う~ん、どうなのかなぁ。新房シャフト的に1期2作品というのはきついのかもい知れない。だから息切れしてしまったのかも。そういう無理って作品の“息遣い”にまず影響が出るものだと思うし。そして、だから、「はっきりとは言えないけど、何となく面白くない」作品に仕上がってしまうのかもしれない。
あるいはそのアヴァンギャルドな演出ってのはネタ切れするとキツいものがあるから、そろそろネタ切れしつつあるのかもしれない。

うん、だから、今期の新房シャフト作品である本作も、見るのがちょっとおっかなびっくりでした。

(以下ストーリーに触れつつ書いていきますので)

市ノ宮 行、大学生。市ノ宮グループの御曹司。「人に借りを作るべからず」の厳しい市ノ宮家の家訓のもと、大学生ながら自らビジネスを運営し、大金を稼ぎ、自活している。

しかし、なぜか、彼は橋の柱に履いていたズボンが引っかかるという目に遭ってしまい。それを取ろうとした彼は、橋から川に落ちてしまいます。

彼を助けたのが「ニノ」と名乗る少女。金星人だと自己紹介する彼女は橋の下に暮らしています。
「命の恩人」という最大級の借りを作ってしまった彼。厳しい家訓に背いてしまった彼。その借りを返すのにどうしたらいいか行はニノに尋ねるのですが。彼女は彼に恋人になって欲しいと。そして、恋人になった以上、橋の下で自分と一緒に暮らして欲しいと彼に頼みます。

借りを返さなければならない行は橋の下でニノと暮らし始めます。その橋の下(アンダー ザ ブリッジ)はひと癖もふた癖もありそうな一風変わった人々が暮らす場所。鉄仮面や星の被り物を着けた人とか、マッチョな女装シスターとか、白線引きで自分が歩いていくみちに白線を引きながら歩く人とか。
彼は河童の着ぐるみを着た村長から「リク(ルート)」という新しい名前をもらい、彼らと一緒に生活を始めます。

そんなおはなしでした。

原作は未読ですが。シュールでアヴァンギャルドな原作にシュールでアヴァンギャルドな演出を得意とする新房シャフトはぴったりかもしれません。
テイストとしては『夏のあらし』+『化物語』+『絶望先生』かなぁ。カンカンカンというSEで短くカットが切り替わる手法は『絶望先生』ぽかったし。主人公の声をあてているのが神谷浩史という部分も。新房シャフト作品の常連声優さんたちがたくさん出てます。映画だとその監督の常連の役者さんたちを「○×組」と呼ぶから、「新房組」と呼んでいいと思いますが。
そして、ヒロインのニノには新房組じゃない(かな?)坂本真綾をあてています。

市ノ宮家の家訓「人に借りを作るべからず」。ま、現代人っぽいメンタリティですな。人に借りを作らず、すべからく自己責任。つまり他人とのしがらみを避け、その上で自由に生きるべし、と。
リクはそういう生き方をし、大学生ながらビジネスで成功し、莫大な富を得ているようですが。しかしそれは「市ノ宮家」という名家の、生来の莫大なリソースのおかげなんですよね。借りは作ってないと思いつつ、そういった目に見えない、そして常人にはとても太刀打ちできない、その莫大なリソースでビジネスやってるんだろうけど。

内田樹の本を時々読みます。たぶんいってることは旧来の保守的な考えの復権的なものなんだろうけど。でもそれが新鮮なんだけど。
内田樹の本にまさに『ひとりでは生きられないのも芸のうち』ってのがあります。つまり借りを作ろう、そしてお互い助け合おうということを書いた本ですが。もちろん自由に生きる上で障害になる「しがらみ」にまた取り込まれて、思うようには生きられない部分も出てくるのでしょうけど。

リクが一緒に暮らすことになった橋の下の人々こそまさにその世界、リクとは対照的な生き方をする人たちの世界なのでしょう。お互い助け合う、なんていうのかな「コミューン」的な世界。リクにとっては(ま、普通の人たちにとっても)異形の人々が暮らす、異世界。
でも、彼らの方がひょっとしたらリクや我々の世界よりずっと「まっとう」なのかもしれません。

まぁ、低レベルの読解なのでしょうが、そう読解しました。

まだ継続視聴するかどうかは解りませんが、ちょっと見てみようと思ってます。
ほんと、新房シャフト作品に期待してて、応援したいです。
もちろんメインストリームになりにくい作品たちであろうと思いますが。

しかし、メインストリームに向かないからこそ「まっとう」なのかもしれません。

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