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2010/04/03

『途中下車の古本屋』

『途中下車の古本屋』(よしだ まさし:著 自費出版)
読了。

日本冒険小説協会の古参であられ、また、「均一棚の魔術師」と異名を取る古本コレクター、よしだ まさしさんの自費出版本です。よしださんの古書にまつわるエッセイを集めたものです。
先日の日本冒険小説協会全国大会でよしださんから直に求めました。

まぁ、私も本は買うほうであると思いますが。古本屋さんも時々覗いたりします。欲しかった本や、「こういう本もあるのか!」と思う本を手に入れることはよろこびでありますが。でも、古本コレクターというほどではありません。

ま、まずは置き場所の問題ですかしら?4年前まで四畳半一間暮らし。今は少しはマシなアパートに住んでますが、とても本をたくさん置けるような場所ではありません。置ききれなくなった本は処分します。最初のころは断腸の思いでしたが、近年は「置いといてももう読むこともないじゃろ」と、なんとか本を処分することができます。それでもストレスフルな行為であることはあるのですが。

大家さんと本のことで揉めた事は何度もあります。長年の四畳半暮らしの経験から、「安アパートの法則」として、「留守中に大家が部屋を覗く」というのを理解しています。で、だいたい部屋を覗いた大家さんから文句を言われました。(部屋が散らかってるというのもあるのですが)
引越し直後に荷物を見た大家さんから「出て行ってくれ」と言われたこともあります。私は、引越しの時は、せいぜいスチール本棚2本分くらいしか本は持たないようにしているのですが。

いや、真のマニアなら、たとえ四畳半でも目一杯本を溜め込む、あるいは本を溜め込めるような場所を何とかして工面するものだと思いますが。そういう意味ではマニアではないですね。

ただ、私はミリタリーマニアだったから、マニア根性、コレクター気質というのはそれからの類推で理解はできます。ただ、私はミリタリーマニアとしてもそう濃ゆい方じゃないと思いますが。英軍軍装の買い付けに香港に行ったり、イベントに甲冑着込んでくるような人が知人にいますもの。そんな凄いレベルじゃありません。薄いです。

古本エッセイは何冊か読んでいて、好きです。

最初に読んだのは唐沢俊一の『古本マニア雑学ノート』でした。古書のはなし、それと古書マニアの人々の仰天するような行状が面白おかしく書かれていました。「ほんとかよっ!」と思わず突っ込みそうな。デパートの古書市で開店前から並んでいて、開店と同時にダッシュで上の方の階にある古書市会場まで階段を駆け上る人たちとか。そういったエピソードはまだまだ序の口なのですが。階段が苦手なデブとしては仰天でした。

それから喜国雅彦の「本棚探偵」シリーズも。『傷だらけの天使たち』とか面白かった喜国雅彦がコアな古書コレクターだと知ったのはだいぶ後になりますが。このシリーズも面白かったです。古書マニアとしての自分の行状を面白おかしく書いてあったりして。そこらへんのセンス、筋少とか好きな私にもぴったり面白かったです。

いや、古書エッセイの定番、出久根達郎とかは未読なんだけど…

やっぱりこういう本を面白く読めるのは、ジャンル違いといえど、薄いといえど、おなじくマニアな心を持つ私の琴線に触れるからだと思います。

さて、話を本書に戻して。

最初に書いたように、本書はよしださんの古本にまつわるエッセイをあれこれ集めたものです。

最初は表題にもある「途中下車の古本屋」。よしださんの勤務先から自宅までの鉄道沿線の古本屋さんを紹介したエッセイ。
いやほんと、ボリュームです。こんなにたくさんの古本屋さんがあるのかって感じ。

店主が不愉快な古本屋さんについての記述もありました。これはミリタリーショップでも同じです。マニアなお店にありがちな事なんでしょうかね。ミリタリーショップで不愉快な思いをしたことは何度かあります。(もちろんいい店主さんに良くして頂いた良い思い出のほうがたくさんあるのですが)
しかしこういう人たち、どうやってお店をやっていけるのか…。でもそういうタイプの人たちって、愛想良い相手には徹底的に愛想が良いような気もします。自分の家来と思ってる人とか、おもねりたい上の人とか、自分のオキニイリの人たちには。よしださんたちに見せた顔とは対極に、ニコヤカに「こういう本入りましたよ~~」とか、「あんたには特別安く売ってあげるよ」とかやってるような気もします。

そして、短いエッセイを集めたコーナー。

「こういう集め方があるのか!」とか、「こういう語り口があるのか!」とか、古書蒐集の豊穣さが面白いです。

私は9年くらい前にインディーズバンドの人と知り合って、ライブハウス通いをするようになったんだけど。
それまでは街中でライブハウスとか見かけても、いや、存在していることすら気づかずにスルーしていたのだけど。でも今は街中でライブハウスを見かけると、「どんなバンドがやってるのかなぁ」「ひょっとしたらむちゃくちゃ好きになれるミュージシャンがやってるかも」とか思ったりします。

私は古本屋とはまったく無縁ではありませんでしたが、それでもここまで豊かな愉しみ方があるとは知りませんでした。
たぶん、世の中には、まだまだ私の知らない、知れば好きになれる、豊穣な世界が広がっているのだなぁと思います。
ただやっぱり古本コレクターの世界は置き場所の問題もあって乗り出せないでしょうけど。ほんと、書庫つきの家に住むのは夢のまた夢でありますよ。つか、そろそろ本の整理もしなきゃいけないなぁ…。

しかし、コア中のコアな古書コレクターの住まいとか、本が溢れかえってるさまとか、「壮絶」のひとことですな。
私みたいなデブが入ったら、あっちの山を崩し、こっちの山に引っかかり、ちょっと歩いただけで崩れてきた本の山に埋もれて死ぬんじゃないかしら?いや、だいたい、入ることすら不可能かと。

まぁどれだけ私が本書を理解できたか解りません。出てくる作家の名前も知らないレベルだし。○○の××という本で大興奮という話とかちょっと理解はできなかったのだけど。
ま、私だって、ミリタリーマニアとして、「ユージン・ストーナーとカラシニコフのツーショット写真を見て失禁しそうなほど驚いた」とかふつーの人に話しても理解できる人はそうはいないだろうなぁと思うし。

とまれ、本書を面白く読みました。ほんと、どれだけついていけるか自信はなかったのですが。

よしださんには探していた本を見つけてもらったりしてお世話になったことがあります。しかも(確か)300円で。ほんと、「均一棚の魔術師」であります。 しかし、それもたぶん、魔術師の能力としては片鱗に過ぎなかったのでしょうと、本書を読んでさらに思いました。

そういえば自費出版本で思い出したことがあります。

私が中学か高校生くらいの時なんですが。親父が「知人が自費出版した」と言って、本をひと包み持って帰ったことがあります。頼まれた親父が自分の知り合い関係に配ったらしく、親父の手元には1冊も残ってないのですが。その、配る前に親父の目を盗んでちょっと読んだんですが。

酒場エッセイでした。面白くて、グイグイ読んだ記憶があります。どういう内容だったかはほとんど忘れてしまったのですが。
「酒場の付き合い」について書かれていました。
酒場でいつも顔を合わせる仲間、いろいろ話して盛り上がるんだけど、でも、酒場の外で会うことはない、もちろん素性も。どこに住んでいて、どんな仕事をしているのかも知らない。でも酒場では和気藹々と盛り上がる。

そういう関係って世の中にあるのかなぁってあのころの私は漠然と思ったのだけど。
親父も酒場通いするタイプじゃなかったから、そういうのはよく解らなかったと思いますが。
でも、上京して深夜+1に通うようになって。そういう機微もよく解るようになって。
だから、その本を今改めて読みなおしたいなと思っています。

新書ぐらいのサイズだったと記憶しています。
いや、ま、そのくらいの手がかりで探せるわけはないのだけど。
ほんと、また読みたいと。

うぅむ…。古書コレクターの世界に足を踏み入れようかな…。
ほんとは寺山修司も集めたいんだよなぁ。いや、踏みとどまろう。
いやいやいや……。
いやいや…。
いや…、

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