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2010/04/24

新アニメ『四畳半神話大系』

という訳でフジテレビのノイタミナ枠で始まった新アニメ『四畳半神話大系』を見てみました。

原作の森見登美彦の原作本は読んでます。タイトルにちょいと惹かれて原作を買ったのですが、積読していました。アニメ化の話を知ってまた読みはじめて、読了したって感じ。

つか、二十数年にわたり四畳半一間トイレ共同風呂なしの生活だったあたくし(途中2年だけ六畳一間トイレ共同風呂なしだったけど)。“四畳半”には思い入 れがあります。だから、「四畳半」という文字を見かけると「おぉっ」と思うのですが。
しかし、ま、もう四畳半トイレ共同風呂なし暮らしの経験のある人は少数派なんだろうなと思いますけれども。

という方向で四畳半には少々うるさいあたくし。本作制作の「四畳半主義者の会」の名誉顧問にヘッドハンティングされてもおかしくないくらいだと自負いたしますが。

原作は大学3回生の「私」が入学してからのアレコレを回想するというお話になってます。
「私」が暮らすのがボロボロの下宿屋、鴨川幽水荘の四畳半。だから『四畳半神話大系』。
で、パラレルワールド仕立て。「私」が入学時にどんなサークルや活動を選んだか、その結果どうなったかをパラレルに描いています。
原作では映画サークル「みそぎ」、樋口師匠への弟子入り、ソフトボールサークル「ほんわか」、大学内の?秘密結社「福猫飯店」の4つのおはなしがあるのですが。

あと、パラレルっていう事で、登場人物とその立ち位置も同じような感じ。「私」を悪の道(って言うかネガティブルートと呼んだほうがいいかな)に引きずり込む同級生「小津」、謎の先輩「樋口清太郎」、後輩のちょいと癖のある女の子「明石さん」、樋口清太郎と親しい(彼女かどうかは不明)社会人で歯科衛生士の女性「羽貫涼子」、そしていけ好かないイケメン先輩「城ヶ崎」。ここらへんが主要メンバーで4つのお話は進んでいきます。
エピソードも似たようなのがあったり、ここらへんもパラレルワールドを意識したっぽいです。

で、お話自体はSFというかファンタジーというか、ちょっと不条理入ったような感じ。
この不思議な世界観を持つお話をどうアニメ化するのか、興味しんしんでした。
それと明石さんはどう描かれるのかなぁ。明石さん可愛いよ明石さん……

番組表によるとアニメ第一話は『テニスサークル「キューピット」』とか。原作には「キューピット」というテニスサークルは出てこなかったので、お、いきなりオリジナル回かよ!と思ったのですが。

どうもストーリー的には原作第1話『四畳半恋ノ邪魔者』のようです。みんなと楽しいサークル活動、黒髪の乙女との恋を夢見た「私」。しかしコミュニケーション能力のなさからサークルでも浮いてしまい。んで、そういう鬱屈した状況下、小津と出会ってしまい、彼のそそのかすまま、「私」は小津とサークル内恋愛を邪魔しようと画策するようになってしまいます。
そうこうするうち「私」は自らを神と名乗る樋口先輩と出会います。樋口先輩は神として「私」と「明石さん」との縁を結んでもいいと持ちかけるんだけど。さて、どうなりまするかというお話。原作的には、ですが。

う~ん、今時の若い衆には映画サークルなんてぴんと来ないのかしら?だからテニスサークルってことになったのかな。ま、恋愛を求めてテニスサークルに入るってのは泣けるほど解りやすい展開だけども。でもやっぱ、小津と「私」が作ったあの自主映画をアニメで再現して欲しかったな、と。

原作が全4話、アニメが確か全11話(?)だそうですから、原作通りに作るなら、アニメ2話か3話で原作1話消化するという進行になると思うんですが。でも、今回、原作1話はしょりながらもほぼ使ったように思えます。どうするのかなぁ。アニメは1話完結で方式で11通りのパラレルワールドを描くのかしら?原作のエピソードをばらしていろんな話にちりばめたり、オリジナルエピソードを入れたりして原作を延ばして。
だとすると映画サークルの話も出てくるかな?やっぱあの自主映画をアニメで再現してくれるかな?

画作りも原作の「不思議な味」を活かすようにアヴァンギャルドというか、シュールというか、そんな感じ。
アヴァンギャルドというかシュールな画作りならノイタミナ枠前々期の『空中ブランコ』がそうでした。そしてそのシュールな画が、あのちょっと不思議なお話に似合っていたと思います。

決してメインストリームにはなれない作風だと思いますが。つか、メインストリームあってのこういう作風というものだと思いますが。でも私はこういう作風が好きです。ま、実験映画が好きでよく見るという私的事情もありますが。

そういう作風だとやっぱり私の好きな新房シャフトのタッチと比べてしまうのですが。
エンディングを歌うのが「やくしまるえつこ」、新房シャフトの『夏のあらし!春夏冬中』や『荒川アンダー ザ ブリッジ』のオープニングを歌っている方みたい。
あと「明石さん」役が『荒川アンダー ザ ブリッジ』のヒロイン・ニノ役の坂本真綾みたいですね。坂本真綾は新房シャフト常連の声優さんじゃないと思いますが。

「明石さん」、可愛いと一筋縄には行かないところがまた可愛いです。
今回だと「私」と小津の食べ残しの肉をがワシャワシャと頬張りながら、話す時は口を手で隠すしぐさがよかったです。そして「私」との「約束」のことを口にする様子なんて愛しくてたまらんちんでありますよ。

『四畳半神話大系』は原作でも「私」の語り口調の作品なのですが。アニメでも「私」のモノローグ、そして会話の掛け合いに重きを置いているようです。つか、このアニメ、画より語りの方がメインみたいにも感じられます。モノローグと掛け合いがメインで、画の方は添え物に感じられるくらい。もちろん画作りも好きですけど。シュールな方向に凝ってて。

実写なんかもばんばん取り入れているのも新房シャフトっぽい感じがするのですが。『化物語』とか。まぁ実写は『天体戦士サンレッド』でも使われてたのだけど。いまどきのアニメで実写を多用する作品がどのくらいあるかは判りませんが。

ちなみに鴨川デルタの川を横切るところの飛び石状になってる部分は『けいおん!』のオープニングに出てきた場所でもあるようです。『けいおん!』は縦に見て、『四畳半神話大系』では横に見てますが。

オープニングの上空からの風景、鴨川神社が“スジ”になってるシャレがいいです。つかバチ当たらないか、そんなことして?

という方向で、どういう展開になるかちょっと興味しんしんなノイタミナ『四畳半神話大系』、第2話以降もお手並み拝見と行きましょうか。

つか…。

やっぱり「私」の姿って私のあのころの記憶をチクチクと刺激します。
私も大学時代、サークルに入ったりしてみたけれど、非コミュがたたって結局続かず。
「私」はイケメンっぽいですから、ちょいと軌道修正すればモテるのでしょうが。
あたしはその上キモメンだったし。小津みたいな悪友もいず、結局ゲーセンでひとりピコピコやって時間を潰したりしてましたよ。

嗚呼ほんと薔薇色のキャンパスライフは夢のまた夢だったなぁ。
そしてそれは大学を卒業してもうずっと過ぎた今でもまだ引きずっていますよ。
もうずっとずっと。今でも大学時代のそういう夢を見ますよ。
二十年以上四畳半から離れられなかったのそういう屈折した思いからだったかもしれない。

まぁだからほんと私の痛いところをチクチク突いてくれる作品であります。

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