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2010/03/01

映像の地下水脈#16

土曜日はかわなかのぶひろ先生の実験映画上映会『映像の地下水脈#16』を渋谷のイメージフォーラムに見に行ってきました。
上映作品はゲスト作品として
島田量平さんの
dorothy(ragged film#4)(8mm→DV/10min/2009)
onde(8mm→DV/14min/2010)

のろけんさんの
壁男(DV/19min/2010)

それから、かわなかのぶひろ先生の旧作として
映像書簡10(萩原朔美との共作/40min/2005)
新作として
アレから五年(DV/20min/2010)
でした。

島田量平さんの2作。両方ともフィルムを様々に加工したものを再撮影したもの。
アブストラクトな実験映画の極北ともいえる作品。音楽もノイズっぽいの。
「onde」は色さえも失い、ほとんど白色にかすかにイメージが浮かぶという作品。
アブストラクトなイメージの乱舞、脳はそれに認識できる画像を求め、軋みをあげ。

「壁男」。主人公が暮らしていた古いアパートが取り壊しになる、と。そこから出てきた男。壁伝いにしか動けなくなっていると。そういう具象ではなく、イメージで作られた作品。
その古いアパートの様子。男が思い思いに飾りつけた部屋。“自分の場所”にしたアパートの一角。

「映像書簡10」。かわなか先生と萩原朔美さんの映像による文通、映像書簡シリーズの一作。かわなか先生は自身の胃癌の入院生活を、萩原朔美さんは母親を引き取ったエピソードをそれぞれにモチーフにしています。

あのころ。かわなか先生が胃癌の手術で入院されて、退院されて2ヶ月足らずのイメージフォーラムフェスティバルに新作をかけると伺って。ま、正直言ってびっくりしました。お休みになればいいのにと思いました。そして新作を見に行くときも、本音を言えば病み上がりであるし、あまりいい作品ではないだろうと思ってました。ただ、かわなか先生の新作が見られるだけでありがたいと。そう思っていったのですが。

なんとびっくり大傑作!映像書簡シリーズ中でも屈指作だったので腰を抜かしたことがあります。もうあたしなんかより何十倍もタフだなぁと。

萩原朔美さんは母親の萩原葉子さんがモチーフ。弱ってきた母親と一緒に暮らすことになったと。その母親が書いたメモがびっしりと貼られた家の様子。言葉の人が老いるとこうなるのかと。母親の姿は映さずに。朔美さんの小さなお嬢さんの姿。命は巡るもの。

かわなか先生のパート。入院中、その前後のたくさんの訃報。そして、新しく世に出て行く人たち。「散る花を惜しむべからず、昇る月を待て」というような意味の言葉が引用されていました(正確には憶えてないですが)。ここんとこの訃報続きでありますが、私もかくありたいと。

「アレから五年」。その胃癌の手術から5年という事の作品だそうですが、その後の映像もたくさんあって、纏めることも難しいので、今回はそのパート1という趣向だそうです。

入院中の様子。手術の縫い跡、引き抜かれるドレン。手術後の食事。最初は米粒の見えないおかゆに具のない味噌汁。それがだんだんと米粒が見えるようになっていって、具も入ってきて。他に固形食もついて。
あのころはまだ生きていた、かわなか先生宅の猫。

上映後、またかわなか先生や皆さんが持ってこられた酒肴などを頂きました。
なんかちょっと身内面してずうずうしくしてしまいました。

ここのところ訃報続きで落ち込んでいたのですが。
昇る月もあり、でいこうと思っています。

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