« ヴィデオ・カメラ | トップページ | 日比谷カタンさん@KURAWOOD »

2010/02/24

『猫語の教科書』

『猫語の教科書』(ポール・ギャリコ:著 灰島かり:訳 ちくま文庫)
ちょっと入った本屋さんで平積みになっていて、なんとはなしに惹かれて買った本です。
読了。

ポール・ギャリコ、読んだことはないと思いますが、どこかで聞いた名前だなとは思いました。
巻末の著者紹介によると映画『ポセイドン・アドベンチャー』の原作も書いてる人だそうです。
それでかしら?

『猫語の教科書』という邦題はちょっと違うかしら?キャッチーだけど。
タイトルからすると「(人間が)猫と話すための本」って感じだけど、内容は違います。
ある雌猫が猫たちのために書いた「いかに人間の家を乗っ取って快適に暮らすか?」というテクニックを人語に訳したもの、という趣向をとってます。

私は猫も好きだけど、どっちかというと犬派かな。座敷犬は苦手だけど。いつかでっかい犬を飼って、とっくみあって遊ぶのが夢です。これもまた「夢で終わる夢」になりそうだけど。
ま、本屋さんで目立った所にあって、おっと思って、ちょっと面白そうだから買ってみました。

本書は面白く、サクサクと読めました。

「実は家では猫が主人で、人間はそのしもべ」という言い方はちょくちょく目にしますが、本書がそのルーツなのかしら?
「猫の目から見た」という趣向でちょっと辛辣に、人間のコントロールの方法が書かれています。面白いです。

ま、打算をもって人間関係をコントロールするという行為、どこか卑怯でいやらしい感じがするものだけど。そして、本書の雌猫が開陳するそのテクニックにもそれを感じるけど。でも、それをやった事のない人間もまたいない訳で、私もしたことがない、というより良くやってる訳で。そこらへんをチクチクと感じながら、面白く読ませてくれます。

またそれはオトコの私が読めば、男をたらしこもうとする女のテクニックにも見えてしまうわけで。女性蔑視でしたらスミマセン。

けっして、(くりかえしますけど)けっして、男性をおだててモノにする方法を、奥さんに使ってはダメ。うまくいくはずがないんだもの。なぜなら、奥さんは前から猫と同じ方法で、ご主人をあやつっているからです。(本書50p「女たち」)

ま、私はたらしこむ価値のないオトコですから、そういうテクニックを使われたことはありませんがねっ!

そうやってムズムズと痛痒く読んでいってると、時にはホロリとさせられるくだりもあって。

人の心にある愛の謎はけっして解くことはできないけれど、それでも部分的にはわかることもあります。男も女も、老いも若きも、善人も悪人も、つまり人間全部に共通する特徴は、孤独ということ。そして猫とちがって、人は一人でそれに耐えられるだけの強さがないのです。猫が人間を支配できるのも、たぶん根底に、人は孤独の中で猫を必要とするという事実があるからでしょう。(160p「愛について」)

そういう認識がそこに流れているからこそ、本書は長きに渡って愛されるのでしょうか。
本書は95年に単行本が出て、それから98年に文庫化され、09年の9月に15刷になってるロングセラー本のようです。
平積みになってたのはなぜかな?最近テレビか何かで紹介されたのかしら?それとも書店員さんの趣味かしら?ま、だから私も手に取って読んでみたのだけど。

私は猫を飼った経験はないけど、猫を飼ってる人はどう読んでるのかな?よく解らないのだけど。でも、人間が猫を飼ってるんじゃない、ほんとは猫が人間を飼ってるんだという言い方をする人は知人にいます。その人も読んでたのかな?

おススメ本であります。

|

« ヴィデオ・カメラ | トップページ | 日比谷カタンさん@KURAWOOD »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




« ヴィデオ・カメラ | トップページ | 日比谷カタンさん@KURAWOOD »