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2009/11/30

映像の地下水脈#15

土曜日は渋谷のイメージフォーラムに、かわなかのぶひろ先生主催の上映会「映像の地下水脈#15」を観てきました。
今回のプログラムはゲスト作品として
『記憶と記録の間で』(堀美臣+鈴木敏明/ビデオ/31分/2009)
かわなか先生の新作として
『新宿伝説2 マレンコフがいたのだ』(かわなかのぶひろ/ビデオ/70分/2009)
の2本でした。

会場を渋谷のイメージフォーラムに移しての『映像の地下水脈』も2回目になります。

『記憶と記録の間で』。映画界に身を置いている、あるいは置いていた、皆さんが「自分たちの作品を作ろう」と会津で撮影した作品だそうです。
ただ、「作品」としてはあえてまとめず。映像もドキュメンタリー的なの、イメージ的なの、あるいはメイキング的なの、と混ざっていて、方向性のある「作品」としてはあえてまとめてないようです。昔話を語るおばあさん、お祭りの風景、会津の自然、ひょっとこのイメージ映像、打合せをするスタッフの皆さん。

イメージ映像も“キメ”を避けた、普通ならボツになるショットをあえてつかっているそうです。カメラにお尻を向けてウンチをするツバメの雛、産卵前に木から落ちてしまうモリアオガエル。また逆に狙ってないのにいいタイミングで屋根から雪が落ちたり。そういったのは「神の采配」かな?

堀美臣さんは撮影中にすでに癌にかかっていらしたそうで、作品の完成を待たずして亡くなられたそうです。

『新宿伝説2 マレンコフがいたのだ』。9月に亡くなられた新宿の伝説の流し、マレンコフさんについての作品です。
(「流し」については要説明かなぁ。飲み屋街なんかで酒場を巡ってギターやアコーディオンなんかで酔客の歌の伴奏をしてお金を頂く人たちの事です。カラオケができてからはほぼ滅び行く職業なのですが)

マレンコフさんの演奏はだいぶ前ですが、いちどだけ日本冒険小説協会内藤陳会長の屋形船宴会で聞いたことがあります。その時はアコーディオンだったのですが。本作を見て知りましたが、マレンコフさんはいつもはギターで、私はマレンコフさんを拝見したその時は手首を痛めていた時期で、しかたなくアコーディオンだったそうです。

本作はかわなかのぶひろ先生の幼少期から始まります。錦糸町時代。近所の進駐軍相手の慰安所で遊んでいたころ、それから事情があって東京を離れ、ふたたび東京に戻り、新宿にいたころ。新宿もまた悪場所を抱えた、それゆえに魅力的だった街であったこと。そして、マレンコフさんとの出会い。マレンコフさんに助けられた思い出。

そして、マレンコフさんの芸能生活45周年の8ミリ映像。そして、芸能生活50周年記念の映像。これが大部を占めています。そして、ゴールデン街で活動されているマレンコフさんの映像。

芸能生活50周年がだいたい10年前のことですから、マレンコフさんは50年以上、60年近く活躍されていたのか。
レパートリーは三千曲以上あったそうです。もちろんレパートリーが多いだけではなくて、どの曲が歌本の何ページにあるかも暗記されていたそうです。サザンオールスターズ初期あたりまでの流行歌はすべてレパートリーだったとか。

私は音楽の世界というと、まず、テレビやラジオから聴こえて、レコード屋さんでレコードを売ってる、そういう世界しか知りませんでした。それから2001年秋からライブハウスに行くようになって、そういういインディーズミュージシャンさんたちの世界がある事を知りました。その世界は広大で、ほんと、その世界を知るまではそんなに広大な世界が広がっているなんて想像もつかなかったです。日比谷カタンさん、母檸檬さん、VEXATIONさん、ろみさん、敬々さん、ザ・バカンスさん…。いろいろな出会いもありました。
そして、こういう流しのミュージシャンさんたちの世界もあるのですね。こちらはほとんど知らないのだけど。

マレンコフさんがご存命で、私にライブハウスに出られるような力があったら、マレンコフさんに伴奏を頼んでライブハウス出演というのも面白かったかもしれない。なんて考えたりしました。

マレンコフさんについては他の方がきちんとしたドキュメンタリーも製作中とか。
そちらも機会があればぜひ拝見したいと思っています。

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コメント

映像の地下水脈#15でお会いしたものです。「記憶と記録の間で」を見て頂いた後も、私としてはあっと言う間に時間が過ぎて、ゆっくりお話もできず残念でした。映画に深い探究心をお持ちのようで、貴ブログで勉強させて頂いております。なかなか、僕の環境では見る機会がない、実験、前衛映画の奥深さに、今頃になって震えおののく今日この頃です。またお会い出来る日を楽しみにしています。

投稿: YAMA | 2009/11/30 16:19

◎YAMA様
土曜日はお会いできて嬉しかったです。

う~ん、実験映画とかいろいろ見てはいるのですが、体系的にきちんと学んでないし、基礎教養的な作品もほとんど知らないし、見てないです。
また、実験映画の実作者でもない。

そういう人物としてはたくさん見てるほうとは言えるのかしら?実験映画の世界ではある種珍しい奴だと思います、私は。

確か広島でしたね。実験映画の上映会とかできるといいのですが。
上映会をするとなったらかわなか先生も全面的に協力していただけると思います。

ただほんと、そういうの難しいですよね。
私自身人を動かしたりみんなと協力して何かするというスキルがとても低いので、そういうのはとても難しいなと思います。

でも、いつかそういうのができたら素敵なことだと思います。

投稿: BUFF | 2009/12/01 10:58

映画『NAGASHI~その名はマレンコフ~』も拝見しました。
その記事はこちらです。
http://buff.cocolog-nifty.com/buff/2010/01/post-3dd8.html

投稿: BUFF | 2010/01/20 12:27

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