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2009/10/14

新アニメ『青い文学』第1話

で、録画してあった深夜アニメ新番組『青い文学』を見てみました。
第1回は太宰治の『人間失格』第一話「鎌倉心中」でした。

ちょっと前、日本の近現代文学の文庫の表紙を漫画家さんが描いてヒットしたって事がありましたが。たぶん、その流れで漫画家さんがキャラクター原案を出して近現代文学をアニメ化するという、この企画が立ち上がったのだと思いますが

『人間失格』はその流れを作った、集英社文庫の『人間失格』の表紙を描いた小畑健がキャラクター原案のようです。小畑健は『DEATH NOTE』が代表作のようですが、『DEATH NOTE』は未読です。ま、ついでに言えば『人間失格』も未読なんですが…。お恥ずかしい事であります。

公式サイトによると他の方がキャラクター原案を担当された回もあるとか。
あと、原作としては坂口安吾『桜の花の満開の下』、夏目漱石『こゝろ』、太宰治『走れメロス』、芥川龍之介『蜘蛛の糸』『地獄変』があるようです。
つうか基礎教養っぽいラインナップだけどかなり未読だわ…。

んで、『人間失格』第1話は。
(いちおうネタバレゾーンにつき)

まず、ナビゲーター役の三次元の方の解説があります。太宰ワールドにぴったりな優男さん。
そして、アニメ本編が始まります。

主人公は大庭葉蔵。画学生のようであります。親からの仕送り暮らし。太宰自身がモデルなら、かなり裕福な実家かと。しかしまともに勉学にいそしむ様子もなく、どうも実家の執事らしい人から仕送りの打ち切りを警告されています。

時代は昭和4年ごろ。当時非合法だった共産主義活動に葉蔵は参加しています。演説会のサクラをやったり。これも勉学同様どこか醒めたスタンスみたい。
その演説会がガサ入れを食らい、刑事に追われた葉蔵はカフェーに逃げ込み、そこの女給に匿われます。

その女給とねんごろになった葉蔵。女給には服役中の旦那がいるようですが。
ま、お互い先の見えないふたりのようで、「じゃあ死んじゃおうか」って感じで心中を図ります。
女は死に、葉蔵は浜辺に打ち上げられて助かります。

ま、第1話はこんな感じ。

まぁキモメンの私としては、基本的にこういうイケメンジゴロかつ虚無主義でモテな葉蔵のようなキャラは嫌いなのですが。あたしみたいなキモメンはカフェの女給に匿われるどころか、あらぬ罪までなすりつけられて警察に突き出されるんでしょうなぁ。
いや、ま、それは置いといて書きます。

原作は太宰治の半生をモデルにした作品とか。ただ、未読なので、原作をどうアレンジしているかは解らないし、原作を踏まえての評価はできないのですが。
でも、いい感じでした。劇画調の絵もきれいだし。情交シーンがあるのがちょっとあれですが、手軽に近現代文学の世界に触れたいと思っている学生さんにもお勧めできるかと。
いいアニメ化だと思います。スタンダードなアニメ化作品という意味において。

青森の太宰治の生家、斜陽館には行った事があります。2001年のテラヤマバスツアーの時ですが。和洋折衷のいい感じのお屋敷でした。こっそりと畳に寝転がって、ここで生まれ、育っていくのはどんな感じがするのだろうと思いを巡らせたりしました。

たぶん、斜陽館を舞台にしたっぽいシーンもありましたよ。具体的な調度類とかは解りませんが、光の色合いとか加減とか、斜陽館の雰囲気そっくりでした。ほんと、巧いスタッフさんたちだと思います。

本作はストレートに巧く作っていますが。でも、思いっきり変化球で見たいなとも思いました。
つまり例えば、キャラクター原案が久米田康治、新房監督でシャフトが作るの。つまり『さよなら絶望先生』でありますが。絶望先生はもろに太宰キャラのパロディだし。そういうのが見たいなとも。
ま、『青い文学』シリーズはストレートなアニメ化という趣旨でありましょうけど。

前説でナビゲーター役の方が「現代の我々が忘れている瑞々しさや痛々しさがある」というようなことを仰っていましたが。
そういうつくりをすると「痛々しさ」が「イタさ」に変わると思いますが。でも、「イタさ」の先にさらに「痛々しさ」を感じられたりして。そういうのに感動するややこしい自意識を私は抱え込んでしまっているようで。そういうのが好きなのですが。

とまれ、『青い文学』シリーズ、面白そうです。継続視聴しようと思います。
そして、いろんな日本の近現代文学がアニメ化されると面白いと思います。
…つうか寺山修司をアニメ化してくれないかなぁ。新房シャフトあたりで。

しかし、やっぱり、「基礎教養」を読んでないのはお恥ずかしい次第でありますが…。

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