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2009/10/12

『へんりっく 寺山修司の弟』

土曜日はシアター・イメージフォーラムのレイトショー、『へんりっく 寺山修司の弟』の初日を観てきました。公式サイトはこちらです。

時間を勘違いして一時間前にシアター・イメージフォーラム着。副都心線が遅れたので、間に合わないと思ったのですが…。
最近、時間とかの勘違いが多いです。老化しつつあるのかなぁ…。
ま、いつも通り出掛けにグダグダして思っていた上映間際着になるところをかなり早めに到着したので、整理券番号早いのを貰えたのですが。

『へんりっく 寺山修司の弟』は、寺山修司の右腕として活躍された森崎偏陸さんのドキュメンタリー。寺山修司没後、寺山の御母堂、寺山はつさんの願いで九條今日子さんとともにはつさんの養子となった方。だから、戸籍上ももちろん「寺山修司の弟」、寺山偏陸かと。

…ということをいち寺山修司ファンの知識として持ってはいましたし、写真展などお伺いしたこともありますが。でも、偏陸さんご自身のことはあまり知らないのですが。
寺山修司没後も寺山修司関連のイベントでご活躍されたり、アートの現場でスタッフとしてご活躍されているということぐらいしか存じ上げておりませんでした。

その、偏陸さんにフォーカスをあてた作品という事で。
トークショーで「偏陸さん主演」という言葉がチラッとあって、それが印象に残っています。
今までほぼずっと裏方だった偏陸さん主役の映画。

上映前のトークショー。

偏陸さんと監督の石川淳志さんのご挨拶があって。あと、白夜書房の末井昭さんのご出演があると伺っておりました。
末井昭さん、あるいみ「とてもお世話になった」方であります。あのころ、悶々としていたあのころ、白夜書房のエロ本にとても、ほんと文字通りに、慰められておりました。いや、文字通りなら「慰めておりました」か…。末井昭さんの自伝エッセイ『素敵なダイナマイトスキャンダル』にあるように、エロ本をカルチャー誌として作った方。

悶々とした日々の慰めのヌード写真、そして「賢者タイム」にはコラムを楽しみ、本当にお世話になった方であると思います。そしてそろそろ枯れつつある私…。
(実は私の進路にも多大な影響がありました)
で、トークがあるのかと思いきや、バンドでご出演でした。「ペーソス」という名前のバンド。サックスをお吹きでした。

いよいよ本編上映。7年がかりの作品だそうです。

冒頭。何か、大道具を組み立てている様子。何なのだろうと思っていたら寺山修司の実験映画『ローラ』の入っていけるスクリーンの組み立てでした。木枠に幅広のゴム紐を張っていって。
そして、35年前の作品『ローラ』で、35年前と変わらない格好でスクリーンに入っていき、全裸で出て行く偏陸さん。スクリーンの裏側で全裸になってスタンバってる偏陸さん。

偏陸さんのご活躍の様子。寺山修司関連のイベントで活躍される偏陸さん。故郷・淡路島での偏陸さん。森崎家はどうも名家だったようで、石像になってる方もいらっしゃるようです。様々な「アートの現場」でスタッフとして飛び回っている偏陸さん。そして、日常生活の偏陸さん。フランスでの寺山実験映画上映会。そこでも「ローラ」の上映があって。

高橋咲さんが偏陸さんについて語るところ、ちょっとグサっときました。私も勝手な思い入れを相手にしていると言われて好きだった女性に振られたことありますし…。
(高橋咲さんと偏陸さんのいきさつは高橋咲さんの『十五歳◎天井棧敷物語』にあります。あのシーンは私にも似たような経験があって、とても痛かったです)

色遣いなのですが。カラーとモノクロがミックスされています。ここら辺の演出はちょっと解らなかったのですが。モノクロもいいものです。モノクロとカラーのミックスといえば『ベルリン天使の詩』を思い出しますが。『ベルリン天使の詩』も好きですし。

気がつくと、偏陸さんご自身が自分についてや寺山修司と天井棧敷についてとうとうと語る、というようなシーンはありませんでした。偏陸さんご自身にも自分が直に自分や寺山修司や天井棧敷について語った著作はないと記憶していますが(勘違いだったらごめんなさい)。

自分もいわゆる“ハードボイルド”や冒険小説ファンとして、自分で自分を語るのは野暮っていう価値観は持っていました。男は背中で語るもの、やってきたこと、やっていることで理解して貰えばいい。理解されなかったらそれは甘んじて受け入れればいい。というような価値観を持ってました。

ま、ある日、知人から「それで解って貰おうなんてムシがいいんじゃないの?」と言われてがーんときて、それ以来「自分語り」ばかりするようになってしまったのですが。反動でくどいくらいに。ここでこういう文章を綴るのも「自分語り」の一環と思っています。

しかし、偏陸さんはそのスタンスを貫いていらっしゃるのかな?尊敬します。
またそれは高橋咲さんの言葉にあった「偏陸が思っている私と私が思っている私は違ってた」という言葉にも絡んで深く届いてきますが。

2時間くらいの作品でした。ほんと、ふだんは表に出ず(「ローラ」他を除いて)、天井棧敷時代からほとんど裏方仕事に徹していらっしゃる偏陸さんのお姿がフィーチャーされた作品として、本作は印象深かったです。

エンディングクレジットを見てビックリ。主題歌は「えびすまいる」という中ムラサトコ→さんのユニットとか。
中ムラサトコ→さんは、日比谷カタンとの対バンで何度か拝見しています。中ムラサトコ→さんお目当てでライブに行ったこともあります。歌うお日様、歌う地母神みたいな方なのですが。もっと余裕があれば足繁く通いたい方であります。
こういう形で繋がったりするのね…。

しかし、偏陸さんはとても素敵なパートナーを得て、「愛のある暮らし」。それがいちばん印象深く、うらやましいなぁと感じました。私も愛のある暮らしを望んでいるのですが。ま、それは私の不徳の致す所、以って瞑すしかありませんな…。

今回、物販で映画パンフと「へんりっく ブリキの太鼓」を購入しました。あと、宇野亞喜良が偏陸さんを天使に擬して描いた素敵なTシャツもありましたよ。おススメかと。
特に「へんりっく ブリキの太鼓」は偏陸さんの様々な仕事の紹介と、インタビューで偏陸さんが大いに語っている本のようです。読むのが楽しみです。

…なんか自分勝手な思い入れで語った文章になってしまいました。
お目汚し失礼、であります。

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