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2009/09/26

化物語第十二話「つばさキャット 其ノ貮」

さて、アニメ『化物語』第12話「つばさキャット 其ノ貮」のおはなし。
これで『化物語』オンエア版は最終回になり、「つばさキャット」残り3話はネット配信になるようです。
暑い季節を越え、涼しくなり始めたころに最終回。毎週楽しみにしていたので感慨ひとしお。

(以下ネタバレゾーンにつき)

プロローグ。時系列的には前回「つばさキャット 其ノ壹」のちょっと前、当日のお昼休み。
台詞によると6月中旬のお話になるのですね。梅雨直前の初夏のころ。

学校の中庭?あたりで仲良くお弁当を食べる戦場ヶ原ひたぎと阿良々木暦。
髪をアップにしているひたぎ。髪の長い女性は暑くなると蒸れるのでそうすることも多いそうですが。そういう暑くなっていく季節を演出するちょっとしたツボの押さえ方、良いです。

お弁当はひたぎ手作りなのかなぁ。暦のお弁当に海苔でIheartHITAGIと書いてあるのがいかにもひたぎが作りそうなお弁当です。ふつー恋人に作るお弁当に文字を入れるなら彼氏の名前を入れて「IheartKOYOMI」とするでしょうが…。

暦のお弁当は弁当箱ひとつにご飯とおかずが入っているの。ひたぎのお弁当はご飯とおかずが別々。ひたぎのお弁当の方がボリュームとかありそうで上等っぽいけど。ま、弁当箱の予備がそれしかなかったのかしら?

んで、今夜デートしましょうと持ちかけるひたぎ。どうやらふたりの初デートのようです。付き合い始めて1ヶ月近いのにまだデートしてなかったのかよ!ま、ひたぎの家で暦に勉強を教えたりはしていたみたいだけど。

それから「つばさキャット 其ノ壹」で出てきた千石撫子や羽川翼とのやり取りがあって。
それで遅くなってしまい、ママチャリを飛ばす暦。マウンテンバイクならもっとスピードが出るでしょうが、「するがモンキー」で神原駿河に壊されたマウンテンバイク、修理不能状態だったのか…。

遅れて到着した暦。でもひたぎは「思ったより早かったのね」と返します。
そこらへんのほんと細かい心配りのできるひたぎ、毒舌キャラの仮面の下の思いやり。

オープニングは前回と同じく「ひたぎクラブ」のエピソード名をちょっと変えたくらいのものでした。「つばさキャット」オープニングはネット配信版のお楽しみみたい。羽川翼のテーマ曲がどんなものになるか楽しみなんですが。ド演歌になったりして…。演歌が似合いそうですが、羽川翼。

しかしどんなデートか知った暦は大愕然。ひたぎパパの運転する車に乗ってのドライブ。つまり父親立会いデート。そら、あせりますわな。
三人を乗せた車は夜の道をひた走ります。

車中、ひたぎの毒舌に翻弄される暦君。やられっぱなし。もともと受け身っぽいしね。
つうか暦が誘え、初デート。ヲトコとして。
ま、ひたぎも毒舌で高飛車に振舞ってるけど、本当は弱い人間なのかもしれない。
だから主導権を取りたがる。毒舌で暦を制圧して。相手のペースに乗るのが怖いから。
そういう意味でもふたりは相性ぴったり、なのかなぁ。

車が到着したのは山中の駐車場。他に停まってる車もなく、ひっそりしてます。
ふつー、こういったちょっと郊外の山中の駐車場ってカーセッ○スポイントになってしまうものかと思いますが、そうではないみたい。

ひたぎは準備にひとり出かけてしまい、車には暦とひたぎパパが残されます。
今まで黙っていたひたぎパパ、ぽつぽつと話し始めます。お父さん、声渋いっス。
自分は会社人間で、ひたぎの面倒をあまり良く見てこれなかったこと。新興宗教にはまったせいで別れた母親の事や病気のことで心を閉ざしていたひたぎが、暦と付き合い始めてから変わったこと。だから、暦の事を信頼していること。
娘をよろしく頼む、と。

娘はまだ高校生、まだまだ子供。まだ自分の手元に置いておきたい、他の男に取られたくない、そういう想いが父親にはあるものかと思いますが。
(そう言えば、以前、某所でバスを待っていたら、いかにも「花嫁の父」な礼服姿の方がいらっしゃいました。なんかだいぶお酒を呑んでいるようで、嬉しいのだけど、反面寂しそうで、そういった哀愁が全身から迸っているような方でした。つうかハタめーわくな酔っ払いでしたけど)
そういった思いを越えて暦と話すお父さん、立派だと思います。

やがて準備ができたとひたぎは暦を迎えに来ます。お父さんを駐車場に残して出発するふたり。
なぜだかひたぎは暦の頭を押さえつけ、下を向かせたまま森の中の道をずんずん進んでいきます。

シートの敷かれた森の一角。ひたぎは目を閉じたままそこに横たわるように暦に告げます。
そして、目を開いた暦。仰向けに寝転がった暦の目に飛び込んできたのは満天の星。
あれがデネブアルタイルベガ…、夏の大三角。星を次々と指差すひたぎ。『化物語』のエンディングテーマの歌詞はこのシーンを元にしたものかしら?

そしてひたぎは暦に告げます。ごくわずかな私の持っているもの。あなたにあげられるもの。勉強を教えてあげること、お父さんのこと、かわいい後輩のこと、そして、この星空。
(弁当を作ってくれる事は入ってませんけど。大事な事だと思うけど)

自分は乱暴されかかった事があって(「ひたぎクラブ」で語られた、母親がはまった新興宗教の幹部に強姦されかかった事件)、肉体的なことに怯えがあるから、今はダメ、でもいつかはと語るひたぎ。でも、キスなら大丈夫。キスしましょうと話すひたぎ。
そしてこの星空はお父さんとお母さん、3人で見た想い出のある、大切なものだと。

それで今回のおはなしはおしまい。
とても良かったです。「とても良かった」としか書けない自分のボキャブラリーの貧困さに天を仰ぐ気分ですが。

今回登場人物は暦とひたぎとひたぎパパだけ。「つばさキャット」の事件の方はまったく伸展しない、というか、ほとんど触れられてもいませんが。(羽川翼みたいなほんとの優等生にかかっているであろうストレスについて二人が話すシーンはちょっとありますが)
ネット配信版が待ち遠しいです。

という方向で、アニメ『化物語』の放送、楽しみました。

原作未読ですが、かなりあくの強い原作とか。それをまたあくの強い新房シャフト演出でいい作品になったと思います。僭越ながら。私がどれだけアニメについて語れる力があるか自信はないのですが。

会話劇という部分が大きかったかと。そういう意味で声優さんも大変だったかと思います。
ひたぎ役の方は『【懺・】さよなら絶望先生』で「前巻までのあらすじ」を毎回違う声色であてていらっしゃる方だそうですが。演技力、凄いです。『ケメコデラックス』も良かったですしね。

個人的には「まよいマイマイ」のエピソードがいちばん好きでした。切なくて。分かれて暮らす母親に会いに行く途中、交通事故で死んでしまった少女、真宵。そのせいで怪異となってしまった真宵。逃げればいいものを彼女を助けると決意した暦。

暦。誰でも助けようとする人物。ま、かなり美少女限定っぽいですが。自分を犠牲にする覚悟で神原駿河を助けた暦。千石撫子を呪った相手まで助けようとした(ひとりは助けられなかったようだけど)暦。
そして、そんな暦に惚れる戦場ヶ原ひたぎ。暦見たいな男に惚れるのはとてもいい感じがしますが。でも暦、う~ら~や~ま~し~ぞ~!

しかし、前にも書きましたが、「するがモンキー」あたりを見ると、暦の自己犠牲志向がかなり心配ですが。ひょっとしたら自己消滅衝動と繋がっているのではと感じさせるくらい。

それは日本の武士道の伝統でもあり。
「武士道と云ふは死ぬ事と見付けたり」という言葉に代表されるように。
体当たり攻撃で散っていった、かつての戦争でのパイロットたちみたいに。

ま、ほんと、ネット配信版が楽しみです。
ただ本音をいえばネット配信版は録画できないでしょうから、それがちょっとさみしいのですが。本作は繰り返し見たいですし。

このトシになってセルソフトをぱっと買えるカイショもないのも哀しい…。

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