万有実験公演『壜の中の鳥』
土曜日は白楽に演劇実験室◎万有引力実験公演・惑星ムラリス企画『壜の中の鳥』を観に行ってきました。寺山修司作品の朗読って趣向でした。
演劇実験室◎万有引力ってのは、寺山修司の劇団・演劇実験室◎天井棧敷のJ・A・シーザーが寺山修司没後に創った劇団なのですが。
白楽は東横線沿線の場所。前期大好きだったアニメ、『夏のあらし!』の舞台になった場所のひとつのようです。主な舞台になる、主人公のはじめやあらし達がバイトしている喫茶店「方舟」が白楽にあるという設定のようですし、駅前の商店街をモデルにした場所に買い出しに行ったりするシーンもあったようです。まぁ、ちょっとした聖地巡礼っぽい気分も抱きながら白楽へ。
ちなみに『夏のあらし!』の新房監督の今期作品『懺・さよなら絶望先生』のオープニングでは、何カットか天井棧敷のポスターのパロが使われてます。私が気がついたのは『書を捨てよ 町へ出よう』だけだったのですが、ネット上での情報によると『犬神』や『時代はサーカスの象に乗って』もあるようです。まぁ今回惑星ムラリス公演があるのも何かのご縁かもしれませんなぁ。
さて、東横線に乗って白楽へ。街並みの風情はよくある私鉄沿線各駅停車駅前…、と言った感じ。初めて来る場所かと思いましたが、不思議な既視感。仕事関係の用事で前にきた事があるような記憶がかすかにします。
この半円の商店街のアーチがいくつか見かけられました。これは確か文字を変えて『夏のあらし!』に出てきたものと思われます。
この商店街、線路と並行してあるのですが、それと並行してもう一本、こじんまりとしたアーケード商店街がありました。通路幅が一間もないような小さなアーケードなんですが。ちょうどアメ横のガード下みたいな感じ。
いろんなお店があって、面白そうでした。古びたお店と並んで、吉祥寺のハモニカ横丁っぽい、若い人がやってるちょっと小じゃれたお店とかもあったり。
そのアーケードには、こういう屋号のお店もあって笑っちゃいました。下町っぽいお好み焼きとか軽食のお店らしいんですが。
お好み焼きは好物なので、ちょっと食べて行きたかったのですが。気がついたのが終演後の遅い時間だったので店仕舞いしてしまっていて、残念です。
白楽、なんかとてもいい雰囲気の場所でした。やっぱり横浜が近いってのもあるんでしょうが。いい感じの古本屋さんもあったし。このアーケード街もいい感じですし。
もうちょっと散策してみればよかったなと。方舟のモデルになった場所もあるのかしら?
もちょっと時間があったら、手前の大倉山駅でも下車して、エンディングの実写シーンの撮影場所になった大倉山公園?とか、あと、『夏のあらし!』とは直接に関係ないのですが、大倉山記念館とかへも足を伸ばしたかったです。
今回の公演場所はie+(イエプラス)という雑貨屋さんでした。
クリーニング屋さんの2階。狭くて急な階段を昇ったところ。
お店に入って、入場料を払って。チラシとクッキーを2つ頂きました。ひとつは鳥の形、もうひとつは消しゴムの形。あとから判ったのですが、今回の演目にちなんだもの。さくさくとして、かつバター風味がおいしいクッキーでした。
お店の半分が片付けられていて、公演スペースになってます。
ロフトみたいになった一角があって、下の部分が舞台。上に色々雑貨が飾ってあって。どこかで見た感じ、とまた既視感がしましたが、三沢の寺山修司記念館でした。ロフトスペースに展示品が並べられ、その下に机の展示スペースがあるの。
開演前はその舞台スペースに生成りの幕が下ろされてます。席は20席くらいかな。最前列が座布団、あとは椅子席。
ややあって開演でした。
まず、幕を下ろしたまま。寺山修司の短歌の朗読。幕越しの声の定位感がよいです。幕の向こうでマッチを擦ったり、小鳥の影絵。
そして、幕が降ります。(下向きに外すので)
今回の公演は、朗読が村田弘美さんと森陽子さん。そしてフルートの岩井藍子さん。岩井さんは万有の本公演でもよくフルートを吹いて登場される方です。皆さん黒いローブのようなドレスをお召し。
その朗読のあと、『消しゴム』の朗読、それからちょっといろいろなコーナーがあって、それから『壜の中の鳥』の朗読というかたちでした。寺山修司のメルヘンの世界。
考えたら、寺山修司の仕事のうち、メルヘン作品はほとんど知りません。ほとんど読んでいません。そっち方向も読んでいこうと思いましたよ。
ほんと、淡い、淡い、一夕でしたが、楽しみました。
ちょっとだけ打ち上げにも混ぜていただいて。
ie+さんに並んでいる雑貨に、おばあちゃんが使っていたのによく似たゼリー型がありました。いろいろ思い出されて懐かしかったです。
万有の実験公演、9月にもあるようです。
日程的にいけるかどうかちょっと微妙な日なのですが、行ってみたいです。
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