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2009/07/11

『青い花』『化物語』第2話

録画してあった『青い花』第2話「春の嵐」と、リアルタイムで『化物語』第2話「ひたぎクラブ 其ノ貳」を見ました。
アニメ第2話の話はあまり書いたりしないんですが、両方とも面白くて印象的だったので。
(以下ネタバレゾーンにつき)



『化物語』第2話「ひたぎクラブ 其ノ貳」

蟹に憑かれた女の子、戦場ヶ原ひたぎ、そのお祓いのために、いったん帰宅してシャワーでも浴びて禊をしてこいと忍野メメに言われたひたぎは、ひたぎに忍野を紹介した男の子、阿良々木暦と共にひたぎの家にいったん戻るんだけど。

シャワーを浴びたひたぎは、全裸のまま平然とした風を装って暦の前に現れ、目の前で服を着けはじめます。わぉ!全裸美少女!!と思ったわたくし。

しかし後半、ひたぎが蟹にとり憑かれた理由が泣きじゃくるひたぎの口から語られます。
ひたぎが大病を患ったのをきっかけに、ひたぎの母親は新興宗教にはまってしまい、全財産どころか多額の借金まで“お布施”してしまい、家庭は崩壊、両親は離婚して、ひたぎは父親とふたり、あばら家暮らしをしているのですが。
ある日、その新興宗教団体の男から、ひたぎは強姦されかかったと。そして、それを見ていた母親はひたぎを助けようとせず、何もしなかったと。

そして母親のことを頭から追い出した時、一匹の蟹に出遭ったと。

強姦とか、性的にひどく傷つけられた女性は(男性もそうだと思いますが)、「それは大した事じゃないんだ」と思いたいがために、自分の性をわざと投げやりに、ぞんざいに扱うようになってしまうことがあるそうです。軽々しく性的関係を持ったり、売春したり、ポルノに出たり。
しかしそれはさらに自分を傷つける行為でもあって。

平然を装って暦に全裸を晒したひたぎもそうだったのじゃないかしら。さらに言えばひたぎの毒舌も。
外面は平然を装って、しかし、そうしながら内心でひたぎははひどく傷ついて、動揺していたのではないかと。そのひたぎの心の底を、髪を乾かし忘れて服を着てしまうひたぎとして描いているようです。その演出、唸りました。そしてそのひたぎの裸、痛々しく映りました。
痛々しいひたぎの裸。しかしそれでもその裸におぉ!!っと思ってしまうのもまた困ったものな男のサガ、でありますが…。

今回も前衛的な新房的演出が面白かったです。実写も多用してました。
ひたぎのイメージに出てくる実写の女の子は誰だったんだろう。

忍野のやった事は形式的にはお祓いなんでしょうが、実質的には自分が受けて無意識下に押し込めた心の傷に再び向きあわせるという、心理学的なカウンセリングでしたな。
だから、忍野は自分のやることを、相手を助けるのではなくて、自分で助かる手伝いをするってスタンスだと言ったのでしょう。

ラスト、ツンがとれてデレるひたぎ、とても可愛らしかったです。いや、“ツンデレ”などと軽々しく呼べないひたぎの事情、ではありますが。

『青い花』第2話「春の嵐」
第1話で従姉の千津の結婚にショックを受けるふみだったのですが。その時、ふみと千津の関係はどのくらいだったんだろうと思ったのですが。たぶん、同性愛的な感情 にちょっと片足突っ込んだ、憧れくらいのものだと思っていたのですが。
今回のふみの回想シーンによるとズブズブだったのね…。性的関係までいってたみたい。それ も、千津がふみを誘った、手ほどきしたって感じです。ふみはやっと高校に進学したばかりだから、最低でも中学時代か。

千津はふみとの関係を続けながら、片方ではしっかりと結婚相手の男性を確保していたようです。ま、そっちのほうが、二股でふみとの関係もしっかり確保してれば、男性ともクールなスタンスを保つことができて、関係を進める上で好都合だったのでしょうが。

そして、想いが離れていくのは仕方ないことかもしれません。でも、他に恋人ができながら、引越しするふみたち家族についていって一緒にしばらく過ごしたり (そのあいだHをしてたかどうかは解りませんが)、ふみの手を握ったり、ふみの胸のことを「ちっちゃいけれど形がいい」って思わせぶりな事を言ったり。
別れ話を切り出したりする勇気がないなら、せめて、引越しを機にふみと距離を置こうとするべきじゃないかと思うのですが。
それもまた千津の不器用なところと好意的に解釈すべきかもしれませんが。

まぁここらへんが現代的な“エゴイスティックな弱さ”を感じさせます。弱いから、傷つきたくないから、エゴイスティックにふるまう。弱いから、優しさとエゴイスティックさが両立してる。二股かけていたのも千津のそういう部分からでしょうか。

そして、その失恋にショックを受けて迷走気味のふみも痛々しいです。
失恋直後ってのは色々と迷走するもんだって事は、私の経験からしても理解しますが。
(私は片想いが駄目だった程度ですけど)
しかし、かっこいい先輩がいると思って文芸部に入部したと思ったら、その先輩が実はバスケット部員なので、あっさりバスケット部に鞍替えしたり。
お泊りに来た幼馴染のあーちゃんを自分の寝床に誘ったり(もちろん性的関係は持たないどころか、ちょっと離れて手を繋ぐくらいですが)

ふみは本当におとなしい子です。千津に裏切られたなら、怒ればいいのに、恨めばいいのに。それができない。
もちろん恋愛ってのは、冷めてしまったらもうどうしようもない、相手が他の誰かを好きになったら、黙ってそれを受け入れるべき、という考えもありますし、それも一理あると理解しますが。そして、怒りや恨みは決して人が持つべき感情ではないとも思いますが。
でもそうすることによって自分の心をある程度保つことができるんだったら、そうすべきと思いますが。
そして、迷走する。これも“エゴイスティックな弱さ”、かなぁ。

実はリアルに千津みたいな女性を知っていました。同性愛じゃなくて異性愛ですが。片方で今彼といちゃつきながら、片方でしっかりと次彼を確保していて、い きなり身を翻した女性を。傍目でふたりのいちゃつきっぷりを「コンチクショー」と見ていた私も驚いたのですが。女ってそんなものかしら?彼女もまた“エゴイスティックな弱さ”の人、だったんでしょうか…。

ふみはとりあえず他の女性に行くようですが、早くあーちゃんとくっつけばいいのに。あーちゃんはいい子だし、ふみのことを考えてくれてるし。あーちゃんはノンケっぽいけど、そのくらい乗り越えたらいいのに。

ふみの迷走気味なところも心配です。ややこしい事になりはしないかと。
しかし、「キャラディーのジョークな毎日』のある回で、ナレーションの人が「心が安定している人は恋愛しにくい」なんてことを言ってましたな。

しかしほんと、いくらでもドロドロしそうなおはなしを、きれいに纏め上げてあるものです。そこらへんは作者の感性と筆力なのでしょうか。
ただ、前回は、『青い花』を「百合アニメ」と呼びたいと書いた私ですが、これは「レズアニメ」だわ。
学園を舞台にしたギャグ百合アニメ『まりあ†ほりっく』の方が、多情で百合妄想にふけっていつも鼻血吹いてるド変態かなこさんのほうが、よっぽどまともな人物に見えますわ。

いや、『青い花』、好きですよ、私。

という方向で、この2作は目が離せません。

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