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2009/04/17

美輪明宏の『毛皮のマリー』

昨日はル・テアトル銀座に美輪明宏の『毛皮のマリー』を観てきました。
『毛皮のマリー』。もちろん寺山修司のお芝居であります。

『毛皮のマリー』は演劇実験室◎万有引力のを1度だけ拝見した事があります。それも面白かったのですが。でもやっぱり美輪明宏の『毛皮のマリー』も観たいなとずっと思っていました。

テレビで見たと記憶していますが。元・寺山修司夫人で、寺山修司との離婚後もずっと天井棧敷の制作に携わってきた九條今日子さんのお話によると、九條さんは寺山修司から、美輪明宏の『毛皮のマリー』への出演交渉を頼まれたそうです。あのころは九條今日子さんじゃなくて九條映子さん。美輪明宏も当時は丸山明宏だったころかと思いますが。
初演の時は舞台装置も美輪明宏の自宅から調度類を持ち込んだという話も読んだ記憶があります。ほんと、美輪明宏のお芝居だったと。

だから、“美輪明宏の”『毛皮のマリー』が観たいとずっと思っていました。美輪明宏はたびたび『毛皮のマリー』をかけていらっしゃるようですし、観る機会があればあるのだろうと思っていましたし。ま、ほんと、やっとチャンスが巡ってきたと。

前売券を買った時は「ずいぶん先だなぁ」と思ったものですが、でも、その日はやってくるもの。いそいそとル・テアトル銀座へ。
お客の入りは9割弱という感じ。休日や楽日じゃなきゃ当日券もなんとかなりそうな感じです。http://www.parco-play.com/web/page/information/mary09/に当日券についての項目がありますので、問い合わせてみるといいと思います。

席は最後列。やっぱり舞台はだいぶ向うです。双眼鏡でも持ってきときゃよかったかなと思いましたし、せっかくなんだからS席にするんだったなと後悔。

『毛皮のマリー』、角川文庫版の戯曲を古本屋さんで買ってあったので(そして、つい最近再刊されました)、目を通しておこうと思ったのですが。でも、ここんとこどうも本が読めない心のコンディションなので、積読のままにしてしまいました。これも後悔ポイント。
まぁ、しょうがないですな…。

私が寺山修司に出会ったのは、高校時代、演劇部の部室に転がっていた角川文庫版の寺山修司の戯曲集でした。この『毛皮のマリー』とか、『青森県のせむし男』とか。だから、角川文庫版の寺山修司の戯曲集には思い入れがあります。しかしずっと絶版状態で。だから、『毛皮のマリー』の再版はとても嬉しいです。他のも再版されないかなぁ。

そんな事を考えているうちに開演。

演劇実験室◎天井棧敷の衣鉢を継ぎ、J・A・シーザーが率いる演劇実験室◎万有引力は緞帳とか使わないスタイルなんですが。こちらは緞帳を使います。でも、だいたいは照明を落としている時に緞帳の上げ下げをするみたい。

舞台上は浴槽、ソファ、テーブルなど。以前に見た万有版と同じような配置かなぁ。
舞台奥は紗が下げられています。吊るされた蝶。

美輪明宏をはじめとしたメインキャストの方々はマイクを使わず肉声で声を通していらっしゃるようでした。(勘違いだったらごめんなさい)
大劇場でやる商業演劇はほとんど見ないのですが。最近の大劇場のお芝居はマイクを使うのが当たり前かなぁと思っていたのでちょっとびっくり。

高校の演劇部時代は、いかに肉声を通すかが大変でした。みんな一生懸命大きな声を出すために発声練習したりして。(といっても私は大道具だったのでほとんど脇で眺めていただけでしたが)
役者さんはどんな大劇場でも肉声で声が届く、みたいな話を先輩から聞いて「へぇ~」と思ったりもしたものです。
だから、マイクを使うお芝居を初めて見た時はちょっと違和感を感じたりしたものですが。

途中、舞台上にたくさんのおかまさんたちが登場してレビューみたいなのを繰り広げるシーンがありました。天井棧敷版の『毛皮のマリー』は、おかまバーから出演者を募ったそうですが、こういうシーンでこういう感じで出演されたんだろうなと思いました。

先日は宇野亞喜良構成・美術の寺山芝居、『星の王子さま』をザムザ阿佐ヶ谷で拝見したのですが。寺山修司オリジナル版だと『毛皮のマリー』は出演者全員男性でおかまバーから出演者を募って、『星の王子さま』は出演者全員女性でレズバーから出演者を募ったそうです。対になる作品だったとか。
『星の王子さま』も台詞で『毛皮のマリー』がチラッと出てきますし、『毛皮のマリー』でも『星の王子さま』が台詞でチラッと出てきました。

今回の『毛皮のマリー』、なんか「優しい」という感じがしました。水夫もおかまの美少女・紋白も。紋白はなんと若松武史でしたよ。

マリーに幽閉状態で育てられる欣也。想像力でその部屋は世界になり。でも、そこから飛び出して行く欣也。しかし、外の世界に傷つけられて帰ってくる欣也。

ラストは、「こんなかんじなのか」と思いました。
そして、フィナーレは、マリーと欣也がなんか教祖様みたいな感じです。オリジナル版がこうなのか、最近の美輪明宏の方向性のせいなのかは判りませんが。

ほんと、美輪マリーが観られて嬉しかったです。
もうちょっと早く動いて、それからS席奮発してもっといい席で観たかったなと。
これは反省点ですな。

P.S.
ル・テアトルは完全禁煙制の劇場なので、喫煙者の方はご注意を。
(天王洲アートスフィアみたいに外出許可証が出て、外に吸いに行けるかどうかは解りませんでした)
建物の裏手にある小さな公園か、通りの反対側の高速道路の高架の両脇に喫煙場所があるので、そこでタバコは済ませておくことをおススメします。

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