『アンデルメルヘン歌曲集(新装版)』
私はライブハウス通いが趣味ですし、CDとかもたくさん買っているように思われがちですが。
実はCDは年に何枚も買いません。音楽番組もほとんど視聴しません。また、基礎教養みたいな音楽、ビートルズとかになるかな?もあまり知りません。ここらへん何とかしないと思いつつ、音楽はライブハウスで聴くので充分という思いもあります。去年プレイヤー機能つきの携帯電話を買うまではライブハウス以外で音楽をほとんど聴いていませんでしたし。
ただ、なんか今月は3枚もCDを買っちゃいました。ほんと私としては珍しい事です。
その3枚目のCD、黒色すみれさんの『アンデルメルヘン歌曲集(新装版)』について。
黒色すみれさんのライブを始めて拝見したのは、Blogを紐解くと、2005年の7月、VEXATIONさんのアルバム先行発売があったライブでした。青い花さんの企画で、VEXATIONさんの正式なレコ発ではなかったようです。結局正式なレコ発ライブはあったのかな?そこまでの記憶ははっきりしませんが。
それから何度か黒色すみれさんのライブは拝見していますし、好きなバンドさんです。
ただ、黒色すみれ単体がお目当てでライブを見に行くという事はあまりないのですが…。お目当てのバンドorミュージシャンさんの対バンという形で拝見することが多いです。でも、黒色すみれさんが見られるのはとても嬉しいことです。
先日拝見したお芝居、『星の王子さま』も、黒色すみれさんご出演ということでドラが2枚くらい乗った嬉しさでした。
で、『星の王子さま』の物販コーナーに黒色すみれさんのCDも置いてあって。『アンデルメルヘン歌曲集』もありました。しかし、「おや?」と思って。
私が見たことのある『アンデルメルヘン歌曲集』は切り絵風のモノクロのジャケットだったんですが、物販で見かけた『アンデルメルヘン歌曲集』はカラーのジャケットでした。私の思い違いかなと思ったのですが、
あとで調べると『アンデルメルヘン歌曲集』は新装版になっていて、2曲追加されたのがリリースされているようです。
で、そろそろ黒色すみれさんのCDもほしいなと思っていた矢先でしたし、ライブで聴いて大好きな「永久に麗しく、すみれの花よ」が入っているアルバムですし、買うことにしました。
で、AMAZONに発注。今月苦しいけどカード払いだから支払は来月だもん。
(典型的なカード破産ルートですな。自重しないと)
『アンデルメルヘン歌曲集』は黒色すみれさんの何枚目のアルバムになるのか知らないのですが。
収録曲は、
- アンデルメルヘン行進曲
- 純潔は赤
- 若きグレーテルの悩み
- 百年の時を超えて
- ともだちポルカ
- 灯しび
- 悲劇のマリオネット
- 永久に麗しく、すみれの花よ
- おしまいのうた
- カノン
- 世界一幸福な花嫁
- Lascia Ch'io Pianga
の全12曲。最後の2曲が新装版で追加された曲みたい。あと、8曲目の「永遠に麗しく、すみれの花よ」の「麗しく」がCDケースについている紙片(なんて呼ぶのかな?)とCDDBのデータでは「美しく」と表記されています。どちらが正式の曲名かは解らないのですが。
まだざっと聴いたぐらいですが。
一聴して感じた印象は、「朗々とした歌い方&曲作りだなぁ」という事(悲しい歌もあるのですが)。“力強さ”を感じたということ。
つまり、このアルバムは黒色すみれさんの“ロリィタ”としての宣言であると。その意味において“力強い”のであると。“現実”と対峙する覚悟というか。“現実”満たされぬ、疎外されている者の味方であるという宣言であるという意味での力強さというか。
なんとなく以前読んだ嶽本野ばらのエッセイ集『それいぬ』の“乙女のバイブル”としての宣言を思い出しました。
例えば、
探偵がバーバリーのトレンチコートを傷つきやすい魂の鎧とするなら、少女はJane Marpleのデコラティヴな衣装にガラスの細胞を包み込みます。これが乙女のハードボイルド、堅ゆで卵主義なのです。
(文春文庫plus版『それいぬ』68p「ロリータの卵」より)
あたり。
黒色すみれさんもこれと同じ「乙女のハードボイルド」の香りがします。大切なもの、守るべきもののためにはとことんタフになれる、あるいはなるという覚悟。たとえそれが世間のスタンダードから外れていてもね。つまり、レイモンド・チャンドラーのエッセイ、『簡単な殺人法』をもじれば、「彼女は卑しい街を往かねばならぬ。しかし彼女は卑しい人間ではない」という意味においてというか。
つうことで繋がりますな、我ながらアクロバティックな論旨展開だわ。ふぅ…。
『アンデルメルヘン歌曲集』、買ってよかったです。このアルバムも車中の友として楽しむことになるかと思います。他のアルバムもぼちぼち揃えましょう。
黒色すみれさんのライブももっと行きたいのですが…。
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