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2008/11/20

三角みづ紀さん@『岡山の娘』

昨日はポレポレ東中野のレイトショー、福間健二監督作『岡山の娘』を見に行きました。
三角みづ紀さんのトークショーがあるということで。

ポレポレ東中野はだいぶ前、西原儀一監督特集オールナイトで、新高恵子さんがトークショーにいらっしゃると聞いて出かけて以来です。西原儀一監督が新高恵子さんのピンク映画時代のご出演作を作ったというご縁だそうです。新高恵子さん、お年を召していてもほんとチャーミングでした。

ま、それ以来ということで。

『岡山の娘』。岡山…。岡山というと真っ先に思い浮かべるのが岩井志麻子の小説ですね。『ぼっけえ、きょうてえ』『岡山女』『夜啼きの森』とかいくつか読んでます。先日も『べっぴんぢごく』を読みました。日記に書こうかなと思いつつ書いてなかったんですが。

もちろん岡山名物きび団子も。小さい頃、桃太郎のお話を読んでもらって。でも、ほとんどの子供は「きび団子」って何か想像つかないかと。そういうかたちの記憶って残るものかと。

あとは新幹線。新幹線が大阪から岡山に延びて。それから故郷のほうまでやってきたんですが。早く開通しないかと小さいころ楽しみにしていました。淡路島のひいおばあちゃんのお葬式帰り、岡山まで新幹線で、それから在来線に乗り換えたのを思い出します。「もうすぐ新幹線もこちらまでくるんだよ」って両親に言われて。

いや、閑話休題。

『岡山の娘』はレイトショーで、普通のプログラムは『小梅姐さん』というのがかかっているみたい。赤坂小梅という、今年で生誕百年の、歌手として有名になった芸者さんの伝記映画みたい。それで、ロビーとかに当時の写真がいろいろと飾られていたのですが。この赤坂小梅という方、どうも私の地元出身みたいで。故郷の昔の写真とかありました。これもまた不思議なご縁なのでしょうか。

ややあってレイトショーが始まりました。

福井健二監督と三角みづ紀さんのトーク。福井監督が映画の構想を練っている頃、三角みづ紀さんの第2詩集『カナシヤル』に出会い、大いに影響を受けたこと。そして、ヒロインの名前を三角みづ紀さんから取って「みづき」と名づけたことなどのお話がありました。

それから三角みづ紀さんの朗読。朗読というより半分歌いながらでした。パーカッションの方も交えて。その方の獲物がその方のこしらえた無間棹でした。しかし、「無間棹」なんていうの、あの時会場にいらした方でみづ紀さんたち以外は私しか解らないだろうなぁ…。

「無間棹」というのは、堀内幹さんがこしらえたアコギベースの手作り楽器です。ボディの後ろに洗面器を貼り付け、テイルピースの下にも穴を開けた楽器。ライブでときどき拝見していますし、みづ紀さんの映像作品、『東京心中』にも堀内幹さんがご出演で、無間棹を演奏するシーンもあります。

そして、『岡山の娘』。岡山の大学の農学部に通う主人公の女性、みづき。彼女は母親と二人暮らしだったのだけど、ちょっと前に母親が急死してしまいます。大学を辞め、自活の道を模索する彼女。その時、家を出て、海外を放浪していた父親が岡山に戻ってくるとの知らせを受け…。というようなおはなしでした。

劇映画というより、どっちかというと実験映画、映像作品に近いつくりでした。ストーリードリブンというよりイメージドリブンというか。岡山の二十歳くらいの女性のインタビューシーンが、役としてなのか本身としてなのかわからない形で語られたりして。

あと、岡山弁ですね。岩井志麻子の文字面の岡山弁がじっさい話されるとこういうかたちになるのかと思いました。
どうも役者さんとかは岡山地元の人々を起用しているようです。

なんかこう拝見していて、自分が逃げてしまったものを、20年以上逃げてきているものを、チリチリと刺激される部分もありました。だから、ちょっと辛い部分もありました。

三角みづ紀さんの『カナシヤル』とか、いろんな方の詩も出てきました。
映画自体も詩のようでした。“詩的”じゃなくて“詩”のような感じといえばいいのか。

みづ紀さんともちょっとお話したんですが。なんか悪い方向で堰が切れてしまいました。
自分のことばかりしゃべって、ご迷惑だったかなと思います…。

やっぱり帰省前はいろいろと情緒不安定です。

20081119001 先着15名様まで岡山土産ありということで、お菓子をひとつもらいました。「大手まんじゅう」というようです。破れ饅頭系の、皮が破れてあんこが覗いているお饅頭です。うまかったです。やっぱりあんこはいいなぁ。

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