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2008/10/01

『閉店時間』

『閉店時間 ケッチャム中編集』(ジャック・ケッチャム:著 金子浩:訳 扶桑社ミステリー文庫)
読了。文字通りジャック・ケッチャムの短~中編集です。

ケッチャムの本は『老人と犬』と『隣の家の少女』を読んでます。
『老人と犬』は愛犬をDQNに遊び半分に殺された老人の復讐物語。
『隣の家の少女』はみなしごの少女がひきとり先の継母とその息子たちにいびり殺される物語、でした。

『老人と犬』はともかく、『隣の家の少女』は万人にはちょっとおススメできかねる小説でした。普通の人は途中で読めなくなって投げ出してしまうでしょうが、ある種の嗜好を持ってしまった人なら、ヒリヒリと神経を逆撫でされる快感があるかも、おぞましい思いをしつつも、読むのが止められないかと思います。

ケッチャムは、たぶん、わたしの中では、花村萬月とか桜庭一樹とかと同じ場所にカテゴライズされる作家かと。

さて、『閉店時間』ですが。
「閉店時間」
「ヒッチハイク」
「雑草」
「川を渡って」
の4編の短~中篇が収められています。

(以下ちょっとだけネタバレゾーンにつき)

「閉店時間」。不倫関係の男と女のおはなし。二人は距離を置こうとするのだけど、未練が抜けない男(こっちが女房持ちです)が起こした行動が悲劇を招きます。
舞台が911直後のニューヨークで、それがおはなしに影を落としています。

「ヒッチハイク」。車が故障して立ち往生した女性弁護士。彼女を拾ったのは彼女のハイスクールの同級生。荒んだ暮らしをしている同級生。ふたりは警官射殺事件の現場に居合わせてしまい、それからガラガラと壊れていって。
犯罪者や犯罪行為に欲情するその同級生の狂気が印象深いです。

「雑草」。ある女。彼女は強姦殺人魔の妻となり、彼の協力者として次々と女性を毒牙にかけていきます。「バージンとやりたい」と言う男のために彼女の幼い妹さえも差し出して、結局妹も殺してしまいます。それもあまり意に介さず、犯罪を続けていくふたり。
「ヒッチハイク」と同様に、男のあとをついて犯罪行為に加担する女心、それを楽しむこと、心の闇、ですな…。

「川を渡って」。こっちは正当冒険小説、西部活劇物と呼べるかもしれない。ただ、ダークな味わいも感じますが。
女性を売り買いする悪党のもとから逃げ出してきた女を助けるブロンコ(野生馬)狩りの男たち。悪党のもとに残してきてしまった妹を助けるためにふたたび悪党のもとに戻ろうとする女。男たちは彼女を助け、悪党達のアジトに殴り込みをかける、というおはなし。

これは普通に冒険小説を読んでいる感じで興奮して読めました。

これは「ヒッチハイク」にもあるのですが、悪党のアジトがまた邪教のアジトにもなってます。そこらへんがケッチャムスタイルなのかしら。

かなりグイグイと魅かれるように読めました。

しかし、今年も残すところあと3ヶ月かぁ。毎年今時分になると大賞の投票が気になります。
今年もほとんど読めてないけど…
某きりう先生の新作、早く出ないかなぁ…。

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