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2008/10/30

詩稿:「傷つけあいたい」

さて、先日参加したオープンマイクの会のために用意した詩をまたひとつ紹介します。
ほんと、ネタ切れの時に便利ですな。

まともな恋愛経験のない私が言うのもチャンチャラおかしいかもしれませんが。
まぁしかし、小谷野敦は『恋愛の昭和史』(文春文庫)で、

恋愛小説や恋愛論の秀作は、恋愛の下手な男たちによってこそ書かれうる(51p)

とお書きになっていますから、まぁ私が語ってもいいかもしれませんが。
いや、まぁ、つまり、“恋愛”ってのはどこか“壊しあい”じゃないかと思っているのです。

大好きな絵描きさん、綺朔ちいこさんの書いた文章に、

それは恋愛という行為にかぎりなく近い。
強い痛みを伴うが、いつまでも続くものではない。
心を倒壊させること、そのいたみでしか、心の輪郭を手に取ることはできない。
http://ueno.cool.ne.jp/ayasakitiiko/otome.htmより)

という一節があって、頭をバットで殴られたみたいな衝撃がありました。
あと、先日のあるマイミクさんの日記にも同じようなことが書かれていて。

うん、ま、恋愛に限らず、人間関係ってどこか「壊しあい」とは思ってます。出会って、ぶつかって、壊れて、作りなおすと。お互い少し壊れて、そして、お互いがお互いの形に合うように、作り直す、っていう感じかしら?特に恋愛はその力が普通の人間関係より強いと思ってます。
そういう風に常に“自分”ってのは、変容していって当たり前かと思ってます。だから、「本当の自分」なんて存在しないと思うし、「(ほんとうの)自分探し」ってのもありえないかと。ま、自己陶酔できる場を探すというかたちではアリかもしれませんけど。

いや、ま、閑話休題。

「傷つけあいたい」

傷つけたい傷つけられたい
壊したい壊されたい

思いっきりぶつかりあって
お互い壊しあって

そして開いた傷口から、
お互いの血をすすりあって。
傷を舐めあって。

そして作り直したい。
僕を。そして君を。

そう思って僕は手元の金属バットで君を思いっきり殴ってみたのさ。
カキーンっていい音したね。
でも、君は何も言わずに倒れてしまい。
あわてて駆け寄ったけど。

「あれ、息してないや」

僕の周りにはそうやって殺してしまった少女の死体がゴロゴロ。
ひとりぼっちの僕は途方に暮れる。
「腐り始めたら臭うんだろうな」って。

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