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2008/10/14

三遊亭歌橘さん@浅草演芸ホール

そして三連休最後の日は浅草演芸ホールに三代目三遊亭歌橘さんの真打昇進襲名披露興行を見に行きました。三遊亭あし歌さんがこの秋真打昇進され、三代目の三遊亭歌橘さん。その歌橘さんになってからの落語を拝見するのは今回初めてになります。

土曜日はポエトリーリーディングの会で初めて人前で自作の詩を朗読し、日曜日は表現難民-表現したいけれど表現の”場”がない人たち-互助会の素晴しいパフォーマンスを拝見し、そして月曜日は寄席でプロの芸を拝見しました。この3日間、さまざまな表現の場を巡ったことになりますか。

落語会とか深夜寄席・早朝寄席は何度か行きましたが、通常の寄席はあまり行ったことがありません。やっぱり寄席というとちょっと身構えます。なんて言えばいいのかな?フランス料理のフルコースを食べに行く気分です。フルコースはちょっと身構えます。おいしいし、楽しめるのは解っているんですが。

例えば。「落語家は客を寝かせて一人前」という言葉を聞いたことがあります。寄席に行く前は一種の諧謔かなぁと思ってましたが。寄席に初めて行って、それって諧謔じゃない、ほんとのことだと思いました。

寄席ってだいたい5時間くらいあります。入れ替わり立ち代りたくさんのご出演者で。その御出演者皆さんがメインディッシュだとかなりきついです。寄席という流れの中で、箸休めの小鉢的な出演者も必要になるかと。それこそお客さんを居眠りさせたり、お弁当をぱくつかせたり、トイレに立ったりさせられる落語家さん。そういうのも寄席としては大切かと。もちろん下手な芸ってんじゃなくて、あえてそういうポジションを演じられる、そういう方じゃないと。

ここら辺は寄席未体験だとなかなか解らないことだなって思いました。

さて、寄席に繰り込むとなりゃ、まぁ、ひとりはあまり良くない気がしますが…。いや、気軽に誘える人もいないし…。しかし、ひとりで行くにしても長丁場ですから酒肴も調えて、と思いました。折り詰めとビールか日本酒のいい奴。…なんて考えてましたが、気がついたら自分で握り飯をこしらえてました。あたしって考えすぎると変な着地点に降りてしまう奴です…。

ビールも冷やしておいたのですが、けっきょく持参せず。やっぱり慣れてない寄席、昼酒はきついかなと思って。

先日の深夜寄席の大行列の件もあり、早く行って並んでおこうと思いつつ、出発もギリギリでした。

そんなこんなで浅草演芸ホール着は客入れが始まってからでした。
客席はほぼ満員、最前列1列だけが空いている状態でした。

あたしは体型的に最前列か通路際の席にしたいです。奥のほうの席だと出入りの時に他のお客さんにご迷惑になりますから。というわけで最前列の席、せっかくだからまんまんなか。ややあって開演。幕が上がり、カパンって音を立てて蓋が開いてシュルシュルと出てくるマイクになんか感動して。

最前列はやっぱり首がきついですね。落語のような座って演じられる演目はともかく、漫才みたいな立って演じられる芸は首を痛いほど上に向けてもきついです。若くてきれいなおねーちゃんがミニスカートでご出演、とかいったらウハウハ状態ですが。今回のご出演にはいらっしゃいませんでした…。

でもほんと、たくさんの芸人さんを息が届くほどの近くで拝見するというのは贅沢です。

三遊亭金馬さん、どこか自在境に入っていらっしゃるような感じがして。歳とったらああいう風情の人になりたいなぁと思う方でありました。
鈴々舎馬風さんの存在感も凄いです。お顔が中華鍋くらいにでっかく見えました。
馬風さんがお出になられる時、かすかにお香のようないい香りがしました。最前列の役得かしら。

香りといえば女流三味線漫談の三遊亭小円歌さんも。「粋な年増」を絵に描いたような方。歴史的に有名な落語家さんの出囃子の紹介も披露興行に似つかわしくて楽しかったのですが。かっぽれをお踊りになって。ちょっと激しい動きの踊りなんですが。そのときふっとかすかにいい香りが漂ってきて。ちょっとドキッとしましたです。

大神楽。なんかこっちに落ちてこないかとちょっとハラハラでしたが。傘の上でカネの輪っかを回す時のシャラシャラという涼しげな音とか、これはテレビとかじゃ聞こえない、やっぱり寄席で生を間近で拝見しないと解らない風情です。

歌橘さんの新真打披露口上、嬉しかったです。嬉しい以外の言葉が見つからなくてうまくいえないのですが。ほんと、私より何十倍か何百倍もタフな世界で精進してこられて。そして、真打として新たなスタートで。

歌橘さんは紋付以外は一切柄の入ってない真っ黒な着物、真っ黒な羽織姿でした。むちゃくちゃ決まっています。あたしもああいう風な着物を着てみたいです。あれならゴシック&ロリィタなイベントにも着ていけるかなぁ。いや、ほんと、着慣れてないと着こなせないでしょうか。

もちろんトリは歌橘さんで、演目は『紙入れ』でした。枕で間男話がいくつか展開される、オムニバス形式みたいなちょっと不思議な感触でした。

寄席も中盤に入ると、たくさんの演者さんの入れ替わり立ち代りを拝見していると、なんか不思議な催眠状態みたいな、なんて言えばいいのかな、「寄席時空」に入っていくような心持がしました。これも寄席ならではの魅力かと。

浅草演芸ホールは昼夜入れ替えなしで、その気になれば夜席も続けて見られたのですが。さすがにくたびれて昼席が終わった時点で退出しました。寄席の外、寄席という異空間にいたのが、現世に戻ったのが、また現世が異世界みたいな心持がして不思議な感じでした。

楽しくてちょっとくたびれましたが、いい感じの疲労感でした。

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