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2008/09/01

『歌うシンデレラ』

昨日の日曜日は小田急玉川学園前に演劇実験室◎万有引力の実験公演、『歌うシンデレラ』を見に行ってきました。万有引力団員のムラたひろみさんプロデュース、「惑星★ムラリス」企画第1弾だそうです。

玉川学園前駅へ。新宿からだとけっこうあります。
で、改札前に案内の方がいて、それから改札の階段を下りたところに地図引換人がいて、そこで地図を受け取る方式です。
地図を見るとけっこう歩くようですし、ちょっとわかり辛い場所みたい。確かにこういうシステムにしなきゃいけないなと。

駅前の通りをしばらく歩いて、脇に折れて。おぉ、道案内の役者さんが点々といらっしゃいました。衣装を身につけ、演技をしていて。市街劇感覚ですな。途中に受付があって、そこで木戸銭を払い、地図にスタンプを貰うシステムです。

お休みどころもあって。自販機のところとか、道端にパラソルとテーブルが出ていて。アリスみたいなエプロンドレス姿のローティーンぐらいの女の子がいて。クッキーをふるまわれたりして。こういう市街劇感覚、ほんと楽しいです。

何となくアートっぽい佇まいの一戸建てのお屋敷の多い町並みでした。インテリハイソな方々の住宅街みたい。どういう成立をした街かは解らないのだけど。駅名も玉川学園前ですし。

デブには辛い上り坂。ハァハァしつつ会場に到着。

会場は見かけは2階建てのしもた屋です。でも、2階がワンフロアになっています。ダンサーさんか、絵描きさんか、そういった感じの方のお住まいで、普段はアトリエになってる場所なんでしょうか。その2階フロアでお芝居は行われるようです。

私は最後の方の入場でした。いつもの通り「早く出発しなくちゃ」と思いつつ、「お出かけしたくないよぉ」とアパートでグダグダしていたものですから。

「長靴を履いた猫」さんが前説の真っ最中。おぉ!井内俊一さんではありませんか。井内さんは万有でいっとう好きな役者さんでしたが、前回の万有公演にはいらっしゃらなくて、退団されたのかなぁと思っていました。嬉しいです。井内さんのおかげで客席もいい感じに暖まっているようです。

ややあって開演。

今回は別役実の戯曲とか。別役実のお芝居は見たことがないのですが。大昔、もう30年近く前になるかなぁ、ラジオドラマで別役実の「虫づくし」をやっていました。あの頃はラジオドラマが好きでしたから。常田富士男の語りだったと思います。ほんと不思議な世界で面白くて、で、原作の「虫づくし」も買って読みました。それから「~づくし」シリーズをぼつぼつと何冊か読んでいます。そのくらいですが。

森の中の、長靴を履いた猫の事務所。助手は小林桂太さん扮する兎。なんか宮沢賢治っぽいですね。よろず相談所をやってるみたいですが、お客さんはほとんど来ないみたい。

そこにやってくるのがシンデレラを探す王子様、王子様を探すシンデレラ、シンデレラを探す意地悪なシンデレラの継母と継母の連れ子の姉妹。

んじゃあ、長靴を履いた猫さんがそれぞれを紹介してそれで話は収まる…と思いきや、実はそれぞれが探すそれぞれとそれぞれは微妙にずれた存在で、それぞれはそれぞれが探すそれぞれとは別人みたいで、さて…、というお話でした。

その、それぞれが探すそれぞれが微妙にずれている、という経験。

前にも書きましたが…。ここんとこ、帰省して両親と昔話をすると、お互いの記憶が微妙に違うという経験をしています。寺山修司は「作りかえられない過去なんてない」とうそぶきましたが。意識下、無意識下の記憶の改変というのは普通にあることです。それは単なる記憶違いもあるでしょうし、記憶をシンプルで覚えやすい形にするための改変もあるでしょう。

あるいは、その記憶を自分の中で意味づける時、その意味づけの方向に沿った形での改変もあるでしょう。例えば、お互い顔を見るのも嫌になって、うんざりして別れたのに、甘い想い出に改変するために、お互いの事情でしかたなく別れた事にするとか。
学生時代の思い出を甘美にするために、いじめられていた事は無かった事にするとか。あるいは逆にいじめられていた記憶のために、お互いの楽しい時間は無かった事にするか。

そして実家の家族と私は、そういう風な記憶の改変をそれぞれ擦り合わせることなく別個にやっていて、そして、やっぱりそういう風に人は、家族とさえもすれ違っていくのかなぁとちょっとさみしく思うのですが。いや…。

だから、このお芝居も最後には、お互いのずれが実は思い違いと解って、実はそれぞれが探していたそれぞれはやっぱりそれぞれであったと解って、丸く収まるといいなぁ、と思っていたら、ドンガラガッシャンとそれぞれはそれぞれの「物語」に帰っていって、お別れになってしまう、というお話でした。やっぱそうなるものかなぁ…。ちょっとさみしいけど。

コミカルな感じ、良かったです。やっぱり井内俊一さんは良いです。
そして、井内さんの助手役の小林桂太さん、声が独特で不思議な存在感です。
王子役の小林拓さんも文字通り野生的な感じでグッド。
少女役の女の子、狂言回しで可愛らしかったです。
皆さん、とてもいい感じで。いい雰囲気で、楽しく、面白かったです。

道すがらの市街劇みたいな趣向、天井に映される映像、音楽、最後は舞台奥の窓が開けられて、森が見える演出、いい感じでしたよ。

デリシャさんのチラシも貰いました。来月の内藤陳会長、三上寛さん、そしてデリシャさんご出演の渚ようこさんのコンサートも楽しみです。SS席奮発しちゃいましたし。
10月の万有の郡山公演は行けなくて残念だけど、11月の松山での市街劇は何とか見に行こうと思ってます。楽しみです。

という方向で、惑星★ムラリスも今後どういうお芝居をかけるのか楽しみであります。

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