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2008/08/03

『LADY椿 鹿鳴館狂詩曲』

昨日はマイミクのじゅにさんご出演のお芝居、劇団め組さんの『LADY椿 鹿鳴館狂詩曲(ラプソディ)』を観てきました。

“普通”のお芝居はほんと久しぶりです。普段は演劇実験室◎万有引力とか、A・P・B-Tokyoとか、廻天百眼とか、あんまりこの言葉は使いたくないけど、“アングラ”系のお芝居しか観に行きませんから。“普通”のお芝居という事で、逆にドキドキしていました。

会場のSPACE107jは新宿駅西口側、ヨドバシカメラとか郵便局のある一角でした。地下への階段を下りていって、ロビー。第一印象は「あ、白い」でした。
私がふだん観ているお芝居は白よりは黒、光よりは闇、です。具体的に言えば万有の受付の方とかは黒い服装です。あぁ、普通のお芝居はこうなのだなと。

SPACE107さんは広いといえば広い、狭いといえば狭くも思う場所でした。商業演劇的には狭いと感じるくらいの広さ、って感じです。
客席の前半分が作り付けの椅子がないフロアになっていて、折りたたみ椅子が出ていました。公演によってはこちらまで舞台になるのかな?
客席の後ろ半分は階段席です。デブにはちょっと狭め、かな?ま、某所や某所や某所で経験したような、足が痺れてお芝居どころじゃなくなるようなすし詰め状態ではありませんでした。そこらへんもアングラ芝居じゃないんだなぁと感じたところ。アングラだとすし詰めを我慢するのもひとつの“美学”と認識されがちだし…。

舞台に緞帳が下りているのを見るのも久しぶり。昔は緞帳ってあたりまえのものだと思っていましたが。

開演時間。劇団め組の新人さんでしょうか、女性による前説。声を通すのが大変かと思いますが、マイクロフォンを使わないのがいいなと思いました。やっぱり肉声がいいです。

さて、お話は…。

タイトル通り鹿鳴館時代のお話。主人公を誰かに据えて、ひとつの事件が展開する、というお話ではなく、当時の鹿鳴館に集った歴史上の人物たちの群像劇という感じのお芝居でした。

鹿鳴館。たぶん、時代に咲いたあだ花かと。焦眉の急である不平等条約改正をはじめとする急速な欧米化、欧米に追いつき追い越せと日本中が躍起になっていた時代。その時代、付け焼刃かもしれないけど、欧米化の象徴として、日本は欧米に伍した国であるとアピールするための、国家としての“見栄”、鹿鳴館。その鹿鳴館を舞台にしたまさに「狂詩曲(ラプソディ)」というお芝居でありました。

国家としての見栄っぱり、つまり、“国威“ということ。この国は少し前にそれから解放されたのではと思っていますけど。それまでは国威に狂奔し。他国を侵略し、戦争の泥沼にはまり込み、あげく敗戦。そしてまた国威に狂奔し、オリンピックを開き、万博を開き。あげくバブルにはまり込み、第二の敗戦。やっとこの国は醒めたのかもしれない、しかし、醒めたあとの空しさに苦しんでいるのではと思っているのだけど。

しかし、そうやって見栄を張りまくったおかげかもしれないけど、日本は東南アジアや中国みたいに植民地化することは逃れました。欧米がどれだけそういった企みをこの国に対して持っていたかは解りませんが。それは鹿鳴館を拵えるような先達の功績かと。

そしてまた、“国威”に狂奔している国もまた現代においてあり。“輸入”した有人宇宙船を打ち上げたり、オリンピックを開催したり、万博を開催しようとしている国…。

あらら、話がだいぶ逸れてしまいました。閑話休題。

ウェルメイドないいお芝居だったです。こういう群像劇、人の顔を憶えたり人間関係を把握したり、そういう能力がとても低い私なので、お芝居が始まって、群像劇らしいと気がついて、「私でも解るのかなぁ」と思いましたが、けっこうついていけました。お客さん平均レベルからすると解ってない方みたいでしたが。お客さんが笑うところがなぜなのか解らなかったりしましたから。

じゅにさんは井上馨夫人、武子でした。偉いです。
このお芝居がどれだけ史実に基づいているか解らないのですが。当時の、歴史上の人物でもある、政府高官の夫人には遊女や芸者上がりの女性が多いということ。驚きでした。

でもまぁかつてはそういう女性の方が“高級”だったのかもしれません。ヴァージニティに対するこだわりがあまりなかった時代。そして、遊女や芸者に“教養”が求められていた時代だったのではと思ったりします。

「レディ椿」というのは、どうやらこのお話の底流に『椿姫』があるかららしいです。ラスト、解題されていましたが。『椿姫』、知らないのですが。

最後の方で群像劇が収束していく流れ、巧みでした。ほんと、ウェルメイドなお芝居だなぁと楽しみました。

劇団め組さんは着物芝居の劇団だそうです。こういう明治時代に舞台を据えたお芝居は異例のようです。お客さんの中にもお着物を召した女性がちらほらと見かけられました。
着物芝居、大変かと思います。昔読んだつかこうへいのエッセイで、つかこうへいの劇団が時代劇をかけようとして日本髪のカツラのレンタル料を調べて、時代劇を断念したとか。和服を使うのも大変かと思います。

今回のドレスも素敵でした。お尻に枕を入れたスタイル。それを覆うように布が被さっています。
男性の礼装もいい感じでした。イブニングコートとかフロックコート?ああいうのを一着持ってたい、ゴスロリ系イベントとかに着て行きたいと思っているんですが。

劇団め組さんのお芝居、着物の時代劇も見たいです。じゅにさんは仕掛人の元締が似合いそうな方なので、そういうのも拝見したいなぁ、なんてね…。

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