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2008/06/11

ルサンチマンで生きるという事

先日起きてしまった秋葉原通り魔殺人事件の犯人は、青森高校出身とか。

2002年のテラヤマバスツアー(三上寛さんの出身地・小泊村と寺山修司記念館をはじめ、寺山修司ゆかりの場所を訪ねるツアーです)で、寺山修司出身校の青森高校を覗いた事があります。あと、ベトナム戦争カメラマンの沢田教一の出身校でもあります。県下の有名な進学校とか。

私も故郷の有名な進学校出身ですが、色々しくじってしまい、吹けば飛ぶような中小企業勤めであります。私は彼と近しい部分もあるような気がします。ルサンチマンを溜め込んでいる事も含めて。もちろん私は通り魔殺人なんてやりません。たぶん、今のところは。
そして、彼は司直の取調べを受け、裁判を受け、罪を償うべきだと思っています。
そして、今回の事件で亡くなられた被害者の方々に、謹んで哀悼の意を表すと共に、負傷された方の一日も早いご平癒を祈ります。

ルサンチマン。Wikipediaによると「ルサンチマンは、嫉妬や羨望と結びついた憤りや怨恨の感情である。すなわち、ある感情を感じたり、行動を起こしたり、ある状況下で生きることのできる人に対して、それができない人が感じる(自己欺瞞に基づいた)憎しみや非難の感情である。」だそうですが。

人は時としてルサンチマンを抱え込んでしまう時があります。
私も抱え込んでしまいます。そのヒリヒリとした感触に苦しむと同時に、それが何らかの生きる燃料になっている部分もあるのを自覚しています。

私は三上寛さんの曲が好きですが。怨歌(フォーク)の三上寛さんはさすがにその機微を解っていらっしゃるようです。そういう気持ちに響いてくる歌があります。
そして私はそういう三上寛さんの曲を聞いて自分を慰めます。
三上寛さんも青森出身か…。

たぶん、ルサンチマンは、ある種の人々にとって、身近な「生きるための燃料」となるでしょう。ただ、それは、とても危険な燃料で。

暴走して、人を傷つけたり殺してしまったり。それがいちばん危険ですが、そこまで行ってしまうことも少ないかと思います。
そして何よりも、ルサンチマンから脱出できるチャンス自体を、ルサンチマンにこだわるあまり逃してしまう事。それがいちばん当人にとっては厄介で。

これに関しては内田樹が私が書くよりも何倍も解りやすく書いていらっしゃるので引用します。

「被害者意識を持つ」というのは、「弱者である私」に居着くことである。
「強大な何か」によって私は自由を失い、可能性の開花を阻まれ、「自分らしくあること」を許されていない、という文型で自分の現状を一度説明してしまった人間は、その説明に「居着く」ことになる。
(中略)
それゆえ、一度この説明を採用した人間は、自分の「自己回復」のすべての努力がことごとく水泡に帰すほどに「強大なる何か」が強大であり、遍在的であり、全能であることを無意識のうちに願うようになる。
自分の不幸を説明する仮説の正しさを証明することに熱中しているうちに、その人は「自分がどのような手段によっても救済されることがないほどに不幸である」ことを願うようになる。
内田樹の研究室、「被害者の呪い」より)

「希望を捨てない事」がとても難しいことであると自分自身をかんがみて思います。
そして、「希望を捨てる事」もとても難しい事も。
そのスパイラル状態をいかにして解消するか?が、大切な事だと思っています。

ただやっぱり、このセカイはとても居心地が悪いです…

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コメント

「内田樹」「居着き」検索で飛んできました。

内田樹さんは、
言い換えるがうまいと思います。
「正解」ではなく、「知らずに済ませてきたこと」を
相手にしてるからだと思います。

投稿: ボケナス | 2008/12/20 13:32

◎ボケナス様
「居着き」というのは怖い概念だと思います。何かを言葉にすると、その状態に自分で自分を固定してしまう。それはとても怖い事かもしれません。

>「正解」ではなく、「知らずに済ませてきたこと」を
>相手にしてるからだと思います。
あるいはうすうす気づいているけど言葉にする事を避けてきたこと、かもしれません。
また、もやっと感じてはいるが、言葉にできなかったことをどんぴしゃりと言い当てている場合もあるかと。そういう言葉を見つけた時、人はそれにはまる事もあるかと。

投稿: BUFF | 2008/12/20 17:47

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