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2007/12/31

テラヤマでオールナイト

昨日は高円寺の前衛派珈琲処Matching Moleさんに、かわなかのぶひろ先生の上映会を観に行きました。題して『映像の地下水脈#4』です。
今回はむちゃくちゃ楽しみでした。なんと!かわなか先生の寺山修司関連作品を一挙大放出という趣向!しかも告知が出るとさらになんと!岡本和樹さんの天井棧敷OB達へのインタビュー作品、『世界の涯て』まで上映されると。これでwktkしないと嘘ですな。

ただ、そのおかげで6時間を越えるプログラムになったということで、4時から10時までの昼の部と、10時からのオールナイトの回になりました。私はオールナイトのほうにしました。

で、10時ちょっと前に高円寺へ。しかし前の回がおしています。どうも最終的に上映時間は7時間以上になってしまったみたい。11時前に、まだ昼の部が終わってなかったのですが、上映に合間に入場しました。

さて、上映プログラムは。

ゲスト作品として、岡本和樹さんの
『世界の涯て 第一部「過去」』(2007)
『世界の涯て 第二部「現在」』(2007)
の2本。
それから、かわなかのぶひろ作品として
『Talkie Film』(1974)
『天井棧敷のひとびと』(1993)
『寺山修司のエロチックな午後』(1994)
『映像書簡9 寺山修司がいた』(萩原朔美さんとの共作)(2003)
『市街劇ノック』(2007)
など。

わぉ!

岡本和樹さんの『世界の涯て』。
天井棧敷OBの方たちをインタビューして回った作品。『第一部「過去」』は天井棧敷や寺山修司の思い出について、『第二部「現在」』は天井棧敷を退団されてからのこと、について描かれています。
岡本さんがあちこち回ってインタビューされた、トータルで3時間弱の超労大作であります。
インタビュー部分はビデオ、途中に挟まれるイメージ映像は8ミリです。8ミリのぼやけた映像がいい感じです。

いやほんと、インタビューを拝見していると、「私は寺山修司について、天井棧敷について、結局ほとんど何も理解していないのだなぁ」という思いが深くなりました。
それぞれに天井棧敷に集った人たち。私はたぶん、天井棧敷に入団できるチャンスがあっても入る勇気は持てなかったと思います。天井棧敷の人たちの周りをうろちょろして、したり顔をして見せるようなことはあっても。

途中入場したので、第二部の方から先に観ました。第一部で出た人はお名前のテロップが出なかったりして、ちょっと判りづらかったです。私はひとの名前を覚えるのが異常に苦手なのですが…。

さて、本来のプログラムならいっとう先に上映されるのが、プログラムにはないのですが、寺山修司死去当時のニュース映像、インタビュー映像のテレビのビデオ。私はそのとき、故郷にいたのですが、ライトバンで運ばれる寺山修司の棺の映像、愕然として見ていたのを思い出しました。

競馬中継でも寺山修司の死を悼むコーナーがありました。寺山修司の早すぎる死を伝える逸見政孝さんも、その後、早すぎる死を迎えてしまうのだなぁと思いました。

『Talkie Film』。8ミリフィルム3分半×2巻の作品です。その一方に、エンパイヤステートビルディングのスチルなんかをバックに、寺山修司自身による「アメリカよ!」の朗読が入っています。「アメリカよ!」の朗読は昭和精吾さんによるものを何回か拝見しています。昭和さんのは劇的に盛り上がっていきます。寺山修司によるものは、あの、朴訥とした語り口であります。
それと、かわなか先生のテクニック、「スチルをムービーで撮る」という技法がまたすばらしいです。

『天井棧敷のひとびと』。これは「寺山修司が映像作品を撮ったらどんな感じになるか?」という想定でこしらえた作品だそうです。寺山修司亡き後、その衣鉢を継いだ、J・A・シーザー率いる演劇実験室◎万有引力の俳優陣が出演しています。

『寺山修司のエロチックな午後』。横浜美術館で寺山修司をテーマにした講演を依頼されたかわなか先生が、講演じゃつまらない、何かやろうということで、万有引力と組んで公演された、その記録映像です。

まず、寺山修司の映像作品『ローラ』の上映があって、それから万有引力の『盲人書簡』みたいに闇のシーンを多用したお芝居があって、それから寺山修司の映像作品『審判』で〆るという公演スタイルみたいでした。

お芝居パート、闇の中のお芝居。闇の中、あちこちから聞こえてくる叫び声、気配、凄かったそうです。そして、スポットライトがあたって、寸劇が始まります。客席で。井内さん、若いです…。
それから舞台でお芝居。どうやら『青ひげ公の城』らしいのですが。劇場へやってくる少女役の女の子が三つ編みお下げにセーラー服でした。そうか!そういうのもありなのか!演じる女優さんもセーラー服の似合うすらりとした美少女タイプでかわいらしかったです。

開演前のロビーの様子とかもありました。セーラー服や詰襟学生服を着た俳優さんたちが頭を包帯でグルグル巻きにして。それでやっと気がついたのですが。
「寺山修司」→「包帯でグルグル巻きの少女」→「筋肉少女帯『何処へでも行ける切手』」→「『新世紀エヴァンゲリオン』の綾波レイ」→「(私の)綾波萌え」と繋がりますな。やっぱ寺山修司ファンなら綾波萌え、なのでしょうか?

『映像書簡9 寺山修司がいた』。寺山修司にちなんだ場所、三沢や寺山修司記念館、そして渋谷や新宿の映像をちりばめた作品。できたら青森市街も入れてほしかったのですが。取り壊されて更地になりつつある場所の映像は確か麻布の天井棧敷館の筈です。

『市街劇ノック』。本作は『世界の涯て』であのころの天井棧敷での市街劇に関するやり取りがあったことを知った上で拝見するとまた見方が変わります。

それからプログラムになかったおまけで『寺山修司の墓参り』だったかな?かわなか先生が生徒さんを連れて寺山修司のお墓にお参りした時の映像です。これがプログラムの最後になってます。

いやほんと、これだけのお蔵出しを拝見できてとても感動しました。寺山修司の作った作品はまだまだ観る機会があるでしょう、ビデオにもなってますしね。でも、これだけの、かわなか先生の「寺山修司をモチーフにした作品」を拝見する機会はもうないかもしれません。またあるととても嬉しいのですが…。

あるいはほかの映像作家さんや映画監督さんで、寺山修司をモチーフにした作品があるかもしれませんが。そういうのもできる限り拝見したいと思います。いや、寺山修司がかかわった映像作品や劇映画もまだまだ観ていないのですが。

そして、『世界の涯て』も同時上映だったのが凄かったです。作者の岡本さんが、川中先生と仲のよい、あがた森魚さんの映像作品を担当されていたご縁だったそうです。また、岡本さんが天井棧敷にまつわる人々のドキュメンタリーを撮れたのが、テラヤマ新聞の稲葉さんの伝手だったそうで。そういうご縁、とても不思議で面白いと思います。

とりあえずひととおり拝見してMatching Moleを辞去したのが7時前。高円寺駅前のマクドナルドで朝飯を買って、始発のバスで帰宅。朝飯食ってばたんきゅーでした。

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