映像の地下水脈#3
24日の土曜日は高円寺の前衛派珈琲処Matching Moleさんへ。かわなかのぶひろ先生主催の『映像の地下水脈#3』へ。
まず、かわなか先生の『酔中日記』。前回も上映された作品ですが、不具合があって、直しての再上映でした。
今回、ゲスト作品として造形大の生徒さんの作品とか。
『ポリリズムと現代における儀式』(土生裕/DV/10分/2007)
ライブつきの上映。スクリーンではなくてテレビを持ち込んで。
ザッピングされるテレビ番組。バラエティからニュースワイドショーまで。それに演奏がついて。
『空の繪』(かわなかのぶひろ/16mm→DV/33分/2000)
かわなかのぶひろ先生が80年代に米国を日本の実験映画上映でツアーされたときの記録映像を2000年に編集したもの。「アメリカはどこを撮っても画になる」。そう、画になってる画。“海外旅行”が憧れだった最後の時代だったかと思います。いや、私は行ったことないんですが、海外旅行。主に私のヲ貧乏が原因で。それから日本はバブル景気に突入して。また、ディスカウント海外ツアーなんてのも一般的になって。海外旅行は当たり前になっちまいましたが。
『F/V』(かわなかのぶひろ/8mm→DV/18分(予定)/2007)
これがかわなか先生の今回の新作です。
ファウンド・フッテージという手法が実験映画にはあって。既存の映像を流用して作るという手法。これもその手法で作られた作品。名古屋には、撮影済みの8ミリフィルムを売ってるところがあるそうで、そこでかわなか先生が入手したある種の撮影済み8ミリフィルムを使った作品です。
『denetation』(佐藤文郎/DV/5分/2007)
真夏の?安アパート?ドアのノブに赤い、とろ~りとしたものが落ちてきて。それがすぅっと伸びていきます。古い建物の埃っぽい感じ、BGMに流れるセミの声、強い日差し。その、赤いのはたぶんCGなんだろうけど、質感が完璧に実写の風景になじんでいて、違和感がないのが違和感です。
『いくえみの残像』(横田将士/DV/5分/2007)
画面の中に置かれたスチル写真を次々と重ねていったり差し替えたりして、それが動いていくように見えるっていう趣向の作品はいくつか拝見していますが。この作品はその積み重ねられた写真がある“かたち”になるっていうアイディアが面白いです。
『銀座夜景』(酒井純信/DV/5分/2007)
かわなか先生も審査員として参加されているようですが、携帯ムービーコンテストみたいなのがあるそうです。この前書いた携帯小説といい、“ケータイ”文化ってのは凄いですな。
本作も携帯でとった動画を編集した作品。文字通り銀座の高級クラブ街の夜景。ホステスさんの同伴出店とかお見送りとか。
以上が学生さんたちの作品。そして、
『明日の夢』(木村和代/DV/12分/2007)
ベテランの木村和代さんの作品。踊る女性と水槽のあぶくを重ねあわせ、白を画面の基調にした感じの作品でした。
さて、来月の『映像の地下水脈#4』はかわなか先生手持ちの寺山修司関連映像大放出大会になるそうです。楽しみです。
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