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2007/10/20

『日本の有名一族』

『日本の有名一族 近代エスタブリッシュメントの系図集』(小谷野 敦:著 幻冬舎新書)
近現代の政財界、文学者、学会、古典芸能界の著名人たちの家系図を紹介した本です。
ざっと眺めた程度ですが…。

遠くにお使いに行く用事があって。で、読むものを切らしていて。
あわてて飛び込んだ本屋さん、ざっと棚を眺めていると、本書の平積みが目に留まりました。

小谷野 敦。『もてない男』、『恋愛の超克』、そして『禁煙ファシズムと戦う』とか、なんか私の琴線に触れる著作が多いです。
『もてない男』系は本田 透の『電波男』系の著作と共に、「恋愛教」、「恋愛資本主義」、そして「恋愛消費社会」という考えにイマどきの人がどれだけ染まってるかを考えさせるきっかけになりました。もちろん“もてない”私がケツ捲るためにもずいぶん役に立ってます。
そして『禁煙ファシズムと戦う』も。

ここまで読み進むと、恋愛教社会に対する憤りとか、禁煙ファシズム社会に対する憤りとかを超えて、「何でこんな世の中になってしまったんだろう」という気持ちが浮かんできます。
例えば、人種差別が当たり前だった時代には、人種差別することはほとんどの人にとって当たり前、当然のことだったと思います。「これは差別だ!」と誰かが叫んでも、ほとんどの人は言ってる意味すら認識できないかと。それが“バカの壁”かと。いや『バカの壁』は読んでないけど。たぶん、恋愛教の渦中にいる人たち、禁煙ファシズムの渦中にいる人たちは、自分達の立場を相対的には見られないかと思います。私はたまたまキモメンの“もてない男”で、そして喫煙者だから気がついたけど。
私がイケメンとまでいかなくても普通の容姿の男で、普通に恋愛経験があったり、非喫煙者だったら気がつかなかったかと。

いや、喫煙はともかく、普通に恋愛はしたかったぞ。そして、世の中に染まりきって生きていけたら周囲との齟齬に苦しむこともなかったんだけど。いや、普通の生き方がしたかったです。

閑話休題。

ただ、私はどれだけ小谷野 敦の評論を理解しているかは判りません。だいたい評論を読んでて評論の対象を知らない場合も多々あって。『もてない男』『帰ってきたもてない男』は楽しく読めたけど、『恋愛の超克』はだいたい評論している対象を知らないし、理解力も低いのでちょっとちんぷんかんぶんでしたが。
それと、小谷野 敦は時折筆がファナティックすぎる方向に行くのがちょっと鼻白みますけど。私もルサンチマンの固まりだし、ファナティックになりますけど。いや…。

で、まぁ、本書を手にとってみて。

ぱらりとページをめくると萩原朔太郎の項がありました。萩原朔美さんとはおめもじしているんですが…。で、変な話ですが、これも何かの縁かと思って買いました。

う~ん、ただ…。私ってこの手のこと、苦手なんです。なんて言うか、人間関係把握力が異常に弱いというか。それで時々しくじったりしますが。
親戚の集まりも苦手で、小さいころ、家によく来てたのに、いまだに続柄が解ってない親戚がいます。今はそんなのブッチして上京してますが。
日本冒険小説協会の特別賞をとった柴田哲孝の『下山事件 最後の証言』も当時の人物や組織の相関図が頭に入ってこなくて困りました。いまだによくわかっていません。

あたしが友達いないのもそういう原因かと、いや、そういう性格だからそうなったのかも。いや、人付き合いをおぼえる幼児期に人とあまり交わってこなかったのが原因かもしれませんが。

いや…。

途中まで読んでましたけど、やっぱりぼわっとなってきて、後のほうはただ字面を追うだけみたいになりました。特に歌舞伎関係は同じ名前で何代目とかあって、さらにわかりません。“追贈”っていって、もう亡くなった方に名跡を送って、改めてそれを継ぐというシステムがあるのは面白かったのですが。

ただ、資料としては、こういったのを研究している方にはとても役立つ本だと思います。私も何か読んでいて、ちょっと系譜を知りたいというときには便利かと。
まぁそういう専門書、系図事典みたいなのはあるかもしれませんが。でも、廉価な新書でこういうのがあるのはありがたいです。…となると、巻末に索引がほしかったですが。

しかし…。これだけの本をまとめる手間となると気が遠くなるような気がします。

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