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2007/10/23

『本棚探偵の回想』

『本棚探偵の回想』(喜国雅彦:著 双葉文庫)
読了。
漫画家で、本のコレクターでもある喜国雅彦さんの本にまつわるエッセイです。『本棚探偵の冒険』の続編になります。

喜国雅彦さんのマンガを初めて読んだのはどのくらい前になるでしょうか。
20年ちょっと前から7~8年くらいまで、四コマ漫画誌をよく買っていました。
『天才くらぶ』だったか『ギャグダ!』だったか『シャレダ!』だったか『まんがライフ』だったか、誌名はあまり憶えてないんですが、それに載っていたのが初見です。
喜国さんも時々お書きになっているようですが、「この絵でギャグ」という印象でした。

ひかれたのはお下品なところかなぁ。私も日本冒険小説協会公認酒場・深夜+1でいつも会長から「お前がいると店が下品になる」と怒られてますし…。
という方向で、喜国さんの作品、いろいろ買ってました。

『いつも心に太陽を』はその四コマ誌で読んで、単行本も少し買ったかな。あと、『傷だらけの天使』シリーズとか(ヒロシと父ちゃんシリーズのラストなんて、大河ドラマを感じさせます)、『三丁目防衛軍』とか。それと『日本一の男の魂』は少しだけだけど。いや、喜国さんの作品、ぜんぶは買ってないのですが。あ、そうそう、『よりぬきキクニさん』も持ってたなぁ。喜国さんのヌード写真がカバーになってるの。

ただ、引越しとかで処分して、今手元にあるのは『日本一の男の魂』くらいです。逆にコンプしてないので処分できませんでした。去年の引越しのとき、コンプしてたら処分してたかもしれません。でも、途中だから、処分した上で他の巻を買うと歯抜けになるから、だから処分できなかったんですが…。変な理由ではあります。

まぁ、このくらいのキクニファンであります。

で、日本冒険小説協会の大人、“よしだまさし”さんのサイトに、時々“喜国”というお名前が出てくるのに気がつきました。「この喜国さんってあの喜国さんかなぁ。めったにない苗字だろうし。」と思ったら、その喜国さんでした。古本の世界でも名の通ったコレクターさんだそうです。

で、喜国さんの本にまつわるエッセイ、『本棚探偵の冒険』も楽しく読みました。そして今回、本書『本棚探偵の回想』も買ったわけです。
でもやっぱりヘタレであります。『~冒険』は著者検印のない方の単行本を買いましたし、『~回想』は文庫版を買いましたし。

いや…。

本書も面白く読みました。私は古本コレクターじゃないし、なれないと思いますが、でも、本好き的に面白かったです。

本書に出てきた漫画版『芋虫』ですが、なんか読んだような記憶があります。
小さいころ、おばあちゃんに連れられていった床屋さんで。そのころ散髪はおばあちゃんに連れられて、おばあちゃん家の近くのその床屋さんに行ってました。ヒロシみたいな坊ちゃん刈りでね。ライトグレーのペンキが塗られた内装。縦筋模様のガラス窓。なぜか解らなかったけど、剃刀を細長いベルトでしゃっしゃとやる様子が不思議だったのを憶えています。ずいぶん後になって、あれは剃刀を研いでいるのだと判りましたが。

順番待ちをしながらそこにあったマンガ雑誌を読んでました。私はマンガ雑誌はほとんど買ってなかったのですが、なんとなく少年キングが好きでした。で、そこで『芋虫』を読んだと思います。戦争で両手両足を失った軍人さんというのがショックでした。あのころ、お小遣いがたまると戦車とか戦闘機とか軍艦のプラモを買いに走っていました(だからマンガ雑誌に回すお金はなかったんだけど)。ミリタリーなガキでした。そして、戦争で、ああいう体になってしまうのに、ひどくショックを受けました。だから、まだ、憶えているのでしょう。

文庫本に自分で作ったカバーをつけて、自分で全集を作ってしまおうというアイディアにはぽんと膝を叩きました。面白そうです。

いや、私は古本コレクターにはなれないけど。だいたい去年まで4畳半風呂なしトイレ共同という暮らしでしたし。書庫のある住まいなんて夢のまた夢であります。

安アパート暮らしをしていると、大家さんから「本が多い。床が痛む。処分しろ。」と文句をつけられてきました。引越しの時とか本を泣く泣く処分するんですが、いつも大量に出すのでたいてい大家さんともめました。
いや、少々家賃が高くても本の置き場所が取れる広いところに住む。そういうところまでの覚悟がないから、ほんとうの本好きとはいえないのかもしれないけど。

去年の引越し時、不動産屋さんに「本がたくさんあります」とポロリと言ってしまいました。不動産屋さんがいっしゅん固まりました。あせって「でも本棚2本分くらいです。」と思わずフォローしました。ま、スチール本棚2本前後上詰めで少々はみ出しかかってますが…。はみ出すようになったら処分しないといけないと思ってますが…。

本を捨てるのはつらいことだけど、でも、思い切って捨てることはできるようになってます。
しかしほんとうにコアな古書コレクターの住まいの凄まじい事。
何の蒐集でも私はこのような境地には達せられませんでしょう。

次の『本棚探偵の生還』も楽しみです。今度は著者検印つきの初版がほしいぞ、というか、古書店巡りして手に入れるというのも一興かも知れません。『本棚探偵の冒険』やこの『本棚探偵の回想』の単行本版も含めて。

ちなみに喜国さんは、今はどうかはわからないのですが、学生時代は寺山修司がお好きだったとか。古本屋さんで寺山修司の単行本を初めて見かけたエピソードとか、天井棧敷のお芝居を見に行ったこととか書かれていました。天井棧敷のお芝居をリアルタイムでご覧になってるとは、とてもうらやましいです。

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