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2007/10/22

四谷大木戸演芸サミット

昨日は四谷地域センターに「四谷大木戸演芸サミット」を見にいきました。
三遊亭あし歌さんがご出演というので。
たぶん、車力寄席関係の皆さんの企画だと思うのですが。

ご出演は、
一龍斎貞寿さん、田辺一凛さん(講談)、
玉川奈々福さん(浪花節)、
三遊亭楽花生さん、三遊亭あし歌さん(落語)、
でした。
落語の三遊亭楽花生さんと三遊亭あし歌さん以外は女流という趣向でした。

一龍斎貞寿さん。どことなく愛嬌を感じさせる方。美人は飽きますが、愛嬌は飽きないとお思います。

お話は…。豊臣秀吉のふとした思い付きである八幡様に1万両の寄進をしなければならなくなる徳川家康。そのころ家康は江戸に拠点を構えたばかりで1万両など出せるわけもなく。仕方なく千両だけ寄進するんだけど。それを知った秀吉は大激怒、家康は申し開きの使者を立てようとする、というそういうお話です。

う~ん、トップの気まぐれの、思いつきのひとことで、下っ端がどんなに振り回されるか。サラリーマン的な視点からはそう思うお話でした。
ただ、徳川幕府自身もそののち大名に莫大な土木工事とかをやらせて、カネを吐き出させて弱体化させる、反抗の芽を摘むという政策をとるようになったようですが。

三遊亭楽花生さん。三遊亭楽太郎さんのお弟子さんだそうです。楽太郎さん、笑点は見てないので、三遊亭楽太郎さんは深夜アニメでよく見かけていた代々木アニメーション学院のCMの人、というイメージしかないのですが。代アニ、民事再生法が適用されちゃいましたが…。
楽花生さん、最近まで1年くらい中国留学していたそうです。落語修行がらみかどうかはわからないのですが。
演目は『持参金』。厄介モノ扱いされる女性にとっては、ずいぶんひどい話とは思いますが。黒い笑いであります。

ただ、落語とか聴いてると、昔の人はけっこう気安く所帯を持ったのだなぁと思います。ご隠居さんから話があったりしてね。そしてそっちのほうが結果として長続きすると。いまどきは恋愛結婚が普通というか、恋愛結婚じゃないと結婚じゃないという感じになってますけど。でも、恋愛はいつか醒めるもの。醒めてもう結婚生活が続けられなくなる、あるいは新しい恋人を見つけてしまう。恋愛教の、恋愛資本主義の世の中、恋愛はほぼ絶対的に“善いこと”でありますから。

まぁ、昔は所帯を持たないと生活が大変という部分もあったけど。例えばご飯ひとつ炊くのに。井戸で水を汲んでお米を研いで、かまどに火をおこして、炊き上がるまで付きっ切りじゃないといけない。今は無洗米もあるし、お米と水を入れて電気釜をスイッチオンすればあとは勝手に炊けてくれる。私だってひとり暮らしで何とかなってますけど。

かつて恋愛はタブーだった側面もあったと。少なくともネコも杓子も恋愛しなきゃいけないと強迫されることもなかったと。憧れではあるけど、なかなか手には入らない、入らなくても仕方がないものであったと。そしてだから、昔の恋愛物は心中物とか悲劇に終わるお話が多かったと。しかし今は恋愛教の社会であり、それが消費社会と結びついて恋愛資本主義社会、恋愛消費社会になってると。

玉川奈々福さん。浪花節というのを聴くのは初めてになると思います。左甚五郎の旅の途中のエピソードみたいです。いっけん小汚いジジイ、実は凄腕の絵師のおじいさんが息子の作品と出合ったり、いたずらで雀の絵を描いたり。左甚五郎が出てきて気まぐれに作品を残したり、落語の『抜け雀』や『ねずみ』と関係ありっぽい感じがします。
本作に描かれる左甚五郎は、腕をねたまれたほかの大工のせいで隻腕になったという血なまぐさいエピソードも語られてますし、落語よりやくざっぽい印象です。

浪曲という事で、もちろん三味線の生伴奏つきです。浪花節、なんかミニマルなミュージカルですな。三味線のピンピンとした音、好きです。

田辺一凛さん、“遠山の金さん”誕生のプロローグになるお話です。背景説明とか。これでテレビとかで「遠山の金さん」を見たとき、理解が深まるかと。

おしまいが三遊亭あし歌さんでした。演目は『明烏』でした。わたしが若旦那の年頃というと、頭の中はまだ知らぬおまんこでいっぱいでしたけど。
筆下ろしってのはこういう遊びを知ってる近所の小父さんとか親戚の誰かとかの手ほどきでってのがいちばんいいと思ったりもします。ソープ街で職務質問されるよりは何倍もましだよぉ(泣)
ただ、『明烏』のお話には後日談があって、この若旦那と筆下ろしの相手をつとめた花魁の心中事件になるそうです。それだけ思いつめそうな若旦那でありますが。

という方向で、演芸を楽しんでひとり帰宅。帰り道、大量の酒とおつまみを買い込んで帰宅。

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