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2007/09/07

『邦画の昭和史』

『邦画の昭和史~スターで選ぶDVD100本』(長部日出雄:著 新潮新書)
かわなかのぶひろ先生のサイトで紹介されていて、興味を持って読んでみました。読了。

文字通り、“スター”という視点から戦後くらいから近年の映画までを紹介した本です。
「あとがき」にある通り、従来映画史を語る上でよく用いられた切り口、つまり、「監督と芸術性」という切り口ではなく、「スターと娯楽性」という切り口で映画について語られています。

ま、私はあまり映画を見ないほうです。映画に関心がなくて見ない人間じゃなくて、映画に関心も持っていますが、そういう人間としては映画はぜんぜん見てないほうになりますか…。

だから、見てない映画をたくさん紹介している本書が面白く読めるかどうか解らなかったんですが。面白く読めました。よく考えたら未見の人にDVDをおススメする本ですから、未見の人向きにわかりやすく、面白く書いてあって、見ようって気を起こさせるように書いてあります。だから面白く読めました。(重要な映画だと長部さんが思われる作品は、DVD化されてなくてもきちんとフォローされています。)

そして、「スターと娯楽性」という切り口で書かれていますから、「あとがき」にあるように、それは戦後の時代の流れと大衆の精神史についての解説にもなっていて。それも面白いです。

私はDVDをいろいろ買い込む財力はないし、レンタル店も離れたところにしかないので見る機会はあまりないのですが。名画座とかフィルムセンターとかで映画を見るときのいいガイドになると思います。

筆者の長部日出雄さんの監督作『夢の祭り』を封切りで観ています。柴田恭平主演、津軽三味線の世界を描いた作品でした。あまりストーリーは憶えていないのですが。何か鮮やかな赤い色が舞い散るさま、クライマックスシーン、宙を飛ぶ三味線。そして、早弾きに情念が込められていく津軽三味線の旋律、を覚えています。津軽三味線はCDとか買いこんできっちりと聴きたいと思っていますが。生演奏を聴いたのも2001年のテラヤマバスツアーで聴いたきりなんですが。

本書中、長部日出雄さんは「わが映画人生に悔いなし」とお書きになってますが。ほんとうにそうだと思います。私が長部日出雄さんぐらいの歳になって、何か好きなジャンルの好きなものを100挙げてみろとなっても、そういうことはできないかと。ほんとうに煮え切らない、あたしの人生でした。そして、そういう人生にしてきてしまったことに悔いが残ります。

ほんと。

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