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2007/09/05

シュヴァンクマイエルのキメラ的世界と…

昨日はチェコ大使館、チェコセンターに「[シュヴァンクマイエルのキメラ的世界〕と〔日比谷カタン〕を2007年9月4日(火)チェコセンターにおいて鑑賞する悦楽共犯者たち。」というイベントに行ってきました。

今時分は会社でも半袖シャツですが。でも、チェコ大使館かぁ、大使館に行くならやっぱり背広着て行かなくちゃならないのかなぁと、久しぶりに上着に袖を通してチェコ大使館のある広尾へ。いや暑いっす。文字通り滝汗。

地図を見ながら何とか迷わずにチェコ大使館着。入場時に厳しいボディチェックでもあるかと思いましたが、何もなしで入れて、受付を済ませました。ま、アメリカ合衆国大使館あたりならちょう厳しいボディチェックをしなきゃいけないと思いますが。

やっぱり大使館、小体ですが凝った感じの建物です。ホールは地下にあって、降りていく感じがいいです。

最初に『シュヴァンクマイエルのキメラ的世界』の上映があって、そのあとに日比谷カタンさんのライブのようです。

チェコ…。わたしの中のチェコのイメージを探してみると。いや、チェコ・スロバキア時代の知識になるかもしれませんが。

まず、『ロボット』なる言葉を生み出したのはチェコのチャペックですな。
日中戦争中、日本軍をさんざん苦しめて日本軍兵士から「チェコ銃」と呼ばれたZB26系機関銃。
第2次世界大戦前夜、チェコを占領したドイツ軍が手に入れて、大戦初期には電撃戦を陰で支え、大戦中期からはその車台が自走砲や駆逐戦車に使われ、ナチスドイツ崩壊のその時まで活躍した38(t)戦車。((t)はチェコスロバキアの略で、チェコ製を示す)
岡本公三たちがテルアビブ空港乱射事件で使用したVz58。当時、東側の歩兵用小銃はソ連のAK系がメインだったのが、AK系と外観は似つつも独自メカニズムを採用しています。
伝説のテロリスト、カルロスも愛用したコンパクトサイズのサブマシンガン、Vz-61。
そして、西側のシューターたちをうならせた傑作自動拳銃、Cz-75。

えと、なんか知識が思いっきり偏ってますけど…(滝汗)。

そういった知識から浮かぶ上がってくる、私がチェコの人たちに持ってるイメージは、「メカは友達」といったところでしょうか。私も工場町、松本清張が「職工の町」と吐き捨てた町の生まれですから、なんとなく親近感がもてます。戦前は造兵廠もあったし。

いや、閑話休題。

当日のプログラムは、まず、『シュヴァンクマイエルのキメラ的世界』の上映があって、そのあとに日比谷カタンさんのライブ、という形でした。

『ヤン・シュヴァンクマイエルのキメラ的世界』。ヤン・シュヴァンクマイエルのドキュメンタリーです。

シュヴァンクマイエルの映像作品を初めて観たのは、十数年前のイメージフォーラムでの上映会でした。あのころ、実験映画を見まくっていて、イメージフォーラムの上映会も毎週のように通いつめていました。

どうしてそうしていたかというと。

深夜+1にやってくる日本冒険小説協会のみんな、映画マニアが多いです。映画の話題が深夜+1のメジャーな話題のひとつといっていいくらい。おかげでおススメ映画情報とかも聞けて、大いに参考になったのですが。ま、ただ、若干のライバル意識も生まれて。劇映画、商業映画だとどんなに頑張ってもみんなにはかないそうにない、じゃあ私は実験映画に詳しくなろうと思って。ちょうどそのころ、会の同志であり、イメージフォーラムの大将のかわなか先生の実験映画上映会にも行って、実験映画の世界もなかなか面白いと思うようになっていたので。

で、実験映画を見まくっていた次第。
ただ、結局、大して詳しくなっていませんけどね…。

またまた閑話休題。

シュヴァンクマイエルの映画をいちばんたくさん観たのはその時かな?少々毒のあるクレイアニメとか印層に残ってます。あと、『対話の可能性』もその時観てると思います。それから、『アッシャー家の崩壊』だったかな?実写系の作品もありました。

それから2・3年前、シュヴァンクマイエルの特集上映がイメージフォーラムであったけど、あの時観たのは『悦楽共犯者』だけ。シュヴァンクマイエルは映像作品だけじゃなくて、絵画や造形作品もありますし、その展覧会も時々あるみたいですが、そっち方面はまだ行けてません。

まぁ、私のシュヴァンクマイエル経験はその程度であります。

で、『シュヴァンクマイエルのキメラ的世界』でありますが。ヤン・シュヴァンクマイエル氏だけではなく、奥さんで、造形作家でもあるエヴァ・シュヴァンクマイエル氏、ご夫婦のドキュメンタリーって感じでした。

2000年作品の『オテサーネク』のメイキングシーンも多く紹介されています。そのころ撮られたドキュメンタリーなのでしょうか。『オテサーネク』、木の根っ子の赤ん坊がどんどん成長して怪物となるお話のようです。
そういったシュヴァンクマイエルの映像作品がいろいろ紹介されていて。また観たくなりました。

シュヴァンクマイエル夫妻。おふたりはどっちがどっちかに染まるって感じじゃなくて、お互いの差異をぶつけ合いつつ止揚していくって感じのスタンスのようでした。そういうスタンス、いいと思います。相手に染まろうとする、ひとつになろうとするような付き合い方をする人も多い中。いや、嫁のきてもないあたしがうんぬんするのは間違っていますな。

いや、ほんと、シュヴァンクマイエルの作品が観たくなってきました。今やってるシュヴァンクマイエル展はどうも行けずじまいになりそうですが。
あ、そういえば、マリアの心臓で天野可淡展もやってるんだなぁ。そっちはなんとしても行かなくちゃ。

という方向で『シュヴァンクマイエルのキメラ的世界』を楽しんだあと、日比谷さんのライブ。
ネクタイ姿の日比谷さん、なんか最近ネクタイ姿の日比谷さんを見かける機会の多いような。

イントロからまずしょっぱなに『ヲマヂナイ』。オーソドックスな『ヲマヂナイ』だけのヴァージョン。それから『ウスロヴノスチの切符切り』。「合言葉は」のくだりが無茶苦茶長いMCになってました。それから『キッチンレアリヅム』。音の奔流が気持ちよいです。『愛のギヨテヱヌ!恋するイミテシヲン!サ!』。解説付きで。『ヘテロのワルツ』。曲もそうだし、なんかいろいろ思い出してため息が出ますわ。そして、『対話の可能性』で〆。

小コーナーがあって、日比谷さんの「いまワのキワに触りたいもの」をお客さんにアンケートするという趣向でした。『シュヴァンクマイエルのキメラ的世界』でも出てましたが、シュヴァンクマイエルは触覚アートとでも呼ぶべき作品もこしらえています。人の五感ってのはたいがいアート化されてますが。視覚聴覚嗅覚味覚。ただ、触覚はまだ未開発の分野ですな。あと、もうひとつの感覚、平衡感覚というのもアート化すると面白いと思いますが。どういうものになるのかしらん。ジェットコースターみたいなもの?

今回、日比谷さんのライブはミニライブみたいな感じ、2~3曲やるくらいかなぁと思っていましたが、しっかり普通のライブくらいの感じでやってくれました。
音の響きがライブハウスとかとはちょっと違うみたいで、天井が高いせいもあるかもしれませんが、面白かったです。

ライブが終わってお楽しみのチェコビールが振舞われて。紙コップに1杯くらいかと思いましたが、日本のビールでいうと小瓶くらいのがひとり一本出ました。嬉しかったです。しかももう一本飲ませてもらえました。わ~い!やっぱりビールは神の与えし飲み物です。
ただ、日本の蒸し暑い中で飲むチェコビールでしたけど。チェコだと夏でももっと涼しくて、空気も乾燥しているだろうと思います。そういう気候で呑むとどんな感じなんでしょう?

という方向で映画とライブ、そしてビールを楽しんで帰宅。
シュヴァンクマイエルの作品ももっと見なくちゃと思った一夜でした。

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