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2007/08/29

『突貫小僧』『錆びたナイフ』

昨日は京橋のフィルムセンターに『突貫小僧』と『錆びたナイフ』を観にいってきました。
フィルムセンターでは時折、「逝ける映画人を偲んで」という特集上映を行います。近年物故された映画人がスタッフやキャストとして参加された映画を上映します。今回は2004年から2006年に物故された映画人が関った作品の上映のようです。
『突貫小僧』は突貫小僧役の青木富夫、『錆びたナイフ』は脇役として出演された青木富夫とキャメラの高村倉太郎が物故された映画人であるようです。

『突貫小僧』、日本映画データベースによるスタッフ&キャスト表は、
http://www.jmdb.ne.jp/1929/be006040.htm
『錆びたナイフ』のスタッフ&キャスト表は、
http://www.jmdb.ne.jp/1958/ch001080.htm
です。

『突貫小僧』。小津安二郎の幻の作品と聞いていましたが。

オリジナル版が残ってないそうで、パティベビーという9.5ミリの家庭用映写機版を35ミリにブローアップした版とか。最初と最後が一部欠けていて、14分という尺です。もちろんモノクロでサイレント。9.5ミリのブローアップ版ですが、画質はそこそこいい感じ。フィルムの傷とかはしょうがありませんが。

青木富夫演ずる突貫小僧に翻弄されるお人よしの人攫いのお話。

突貫小僧が眼鏡をかけてるってのが印象的でした。今時なら眼鏡の小学生とか当たり前ですが、私が小さいころは眼鏡姿の子供とかあまりいなかったです。それこそ「メガネ」があだ名にできるくらい。

お話はたわいないものですが、ディテールが面白かったです。
突貫小僧がぱくつく平たいパンみたいなお菓子。お好み焼きが分厚くなって硬くなったような感じですが。あれはなんなんでしょうか。私も食べてみたいです。
男の子たちがおそろいの絣?の着物姿。お揃いってのがちょっと変な感じがしました。当時はほんとにみんなあんな柄の着物ばっかりだったのでしょうか。それとも演出とか美術の都合でしょうか。
お巡りさんの詰襟のいかつい制服。最初は学生服と見間違えて、あれ、変だぞとか思ったりしましたが。
昔の、木の箱のゴミ捨て。あれは私が小さいころまでありました。全木製じゃなくて一部モルタルか何かでしたが。

『錆びたナイフ』。もちろん有名な裕次郎映画ですな。この主題歌『錆びたナイフ』は時々耳にしますが、映画を見るのは初めてです。映画を見ると、この主題歌は、この映画の世界を映しているのだなと理解できました。

裕次郎は酒場のマスター。5年前まではチンピラ暮らし。5年前、彼の恋人を強姦して自殺に追い込んだ男を殺して服役して、出所して今は酒場のマスターとして暮らし、過去のことは一切忘れようとしています。
実は裕次郎はチンピラ時代にある殺人事件を目撃していて。その事件の証人として証言を求める検察と、彼の沈黙を守ろうとするやくざたちに関っているうち、5年前の恋人が強姦された事件の新たな真相も浮かび上がってくる、と。

何で出所したててあんなハイカラな酒場が持てるんだ、と劇中でも突っ込まれていましたが…。そのセルフ突っ込み、それに、ラストのほうの検事と裕次郎の“正義”に関する観念的なやり取り。ここらへんはちょっと青臭いという感じがしましたけど。

カーチェイスシーンがあって。乗用車ではなくてトラックでド迫力でした。

裕次郎の表情が印象的でした。カーチェイスシーンとか、乱闘シーンとか、なんか凄みのある笑顔を満面に浮かべてます。あ、平穏な酒場のマスターとして生きていこうとしてるけど、でも、性根は修羅場の人、修羅場でないと生きている実感のしないキャラクターなんだなと。

裕次郎の弟分で、同じ殺人事件の目撃者で、今は裕次郎の酒場のバーテンをやってる小林旭もかっちょよかったです。

『錆びたナイフ』ずっと見とかなきゃと思ってた映画だったので、見られてよかったです。

いや、映画はほんと久しぶり、懐具合で封切館からもずっと足が遠のいている私としては、映画一本もてあまさずに見ていられるかと思っていましたが、大丈夫みたい。

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