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2007/06/06

知るを楽しむ・開高健特集

昨日からNHK教育の『知るを楽しむ 私のこだわり人物伝』で開高健特集が始まりました。
以前、寺山修司特集があったので、ちょっと気をつけている番組です。
詳細は
http://www.nhk.or.jp/shiruraku/200706/tuesday.html
にて。6月いっぱい4回に分けての特集です。再放送もあります。

開高健と日本冒険小説協会はご縁があります。
内藤陳会長の『読まずに死ねるか!』シリーズ第1作には開高健との対談が収められていますし、公認酒場・深夜+1にその時の写真が飾られています(まだあったかな?)。実は深夜+1のドアには開高健から贈られたプレートがつけられていたんですが。それはだいぶ前に盗まれてしまいました。
また、日本冒険小説協会設立メンバーであらせられる集英社の島地氏は開高健と親交がありまして、開高健と島地氏との対談本も出ています。

あの頃の月刊PLAYBOY、会長の連載と開高健のエッセイと、えと…、それと、ヌードグラビアが楽しみでした。私は、今は、洋物はあまり好きじゃないんですが。
『オーパ!』系の紀行エッセイも好きでしたが、『生物としての静物』が大好きでした。何度か書いてますが、『生物としての静物』の影響で、ジッポのライター、ウェンガーのスイスアーミーナイフ、パイプ、などを買いました。スイスアーミーナイフなんかウェンガーよりヴィクトリノックスの方がラインナップも豊富なんですが、ウェンガーの方を愛用しています。

開高健の本を初めて読んだのは高校時代。教科書に開高健の小説の一部が載ってて、あと、夏休みの読書感想文の課題図書に『裸の王様』が出されたのが読むきっかけでした。

『裸の王様』は憶えてないし、どんな感想文を書いたかの記憶もありませんが。一緒に収められたいた『巨人と玩具』はかすかに憶えています。会社の無茶なプロジェクトに翻弄されるサラリーマンの姿を描いた作品と記憶していますが。

会社で暇な時、模型ばっかし作っている社員が出てきます。彼がそのプロジェクトのストレスで、思わず作りかけの模型を壊してしまう、というくだりが印象に残りました。そのころプラモマニアだったから。作りかけの模型を壊す、そのシーンは身近に感じられて衝撃的でした。
あと、主人公が交差点で、目の前を疾走する車列に飛び込もうとする衝動に駆られる、そのくだりも痛いほど解ります。

ちなみにこの課題図書、学校がきちんと手配してくれませんでした。で、一時期、地元で『裸の王様』プチ争奪戦が起きました。「どこそこの書店で手に入る」なんて情報が飛び交っていました。私もその情報を頼りにちょっと場末っぽい書店で手に入れましたが。

で、夏休みも終り、感想文も提出し終わってからしばらくして、地元の書店のあちこちで『裸の王様』が平積みになってました。それを見るとちょっとすまないような気になりました。ま、今から考えたら、きちんと手配してない教師の方が悪いのですが。

ま、それから月刊PLAYBOYを買うようになって。あの頃は女性の裸が載ってる本って、ドキドキしながら、カモフラージュ用の本も混ぜて買ってましたな。今なら堂々とエロ本も立ち読みしますが。
ま、ほんと、最初はオカズ用で月刊PLAYBOYを買ってたんですが…。思えば遠くに来たものです。

いや、閑話休題。

その、『知るを楽しむ』の番組内で、壽屋宣伝部時代の開高健のコピー、
「人間らしく/やりたいナ/トリスを飲んで/人間らしく/やりたいナ/人間なんだからナ」
が紹介されていました。

母檸檬さんの飲み会で、高円寺のレトロ居酒屋に行った時、トイレにこのポスターの復刻版が貼られてました。開高健作だとは明記されてなかったですが、壽屋のポスターでこのコピー、開高健以外考えられないなぁと思いました。ちょっと感動しました。最後の「人間なんだからナ」の一文が、ユーモアと悲痛、強烈なペーソスが伝わってきます。

そしてそれは『巨人と玩具』で描かれていたこと。

戦争というか、戦争というピリオドに向かって非人間的に邁進していったこの国。戦争に敗れ、その非人間的なものから醒めつつ、しかし、「高度経済成長」というもののために向かってさらに非人間的に邁進していった日本。悪夢から悪夢へ。いや、もちろん、“物質的”に豊かになったこの国のありようを全面的に否定する資格は私にはありませんが。私もこの“豊か”な生活をある程度は謳歌していますが。

壽屋の宣伝部、消費社会の渦中、最前線であったかと思います。でもそこに身を置きながら、その消費社会に対して少々醒めた視線を持っていること。

人の世のライトサイド、そしてダークサイドも見据え、ともに呑みこみながら、でも、ユーモアを忘れない事、暖かくあることを忘れないこと。開高健の境地は憧れであります。

今回は開高健のデビューから東京オリンピックのあたりまで。来週はいよいよいちばん興味を持ってるベトナム編です。朝日文庫から出ている開高健の『ベトナム戦記』、そしてそれを題材にした小説『輝ける闇』はベトナムミリタリーマニアの私としても、大変面白く読みました。

軍装的にいえば開高健は米軍のユティリティー姿。前に紹介したジャングル戦用の「ジャングル・ファティーグ」採用前にベトナム派遣の米軍兵士が来ていた制服です。オリーブグリーンの、両胸にポケットのついてるシャツと、前とお尻の所に計4つのポケットのついたズボンの組み合わせ。『ベトナム戦記』の写真によると、足元はビジネスシューズのようですが。胸に白布に"TAKESHI KAIKO ASAHI PRESS"と書かれた名札が縫い付けられています。ユティリティーは手に入れてあるので、これはやってみたいと思ってます。
同行の秋元カメラマンは、カメラマンで荷物が多いのか、ユティリティよりポケットのたくさんついたジャングルファティーグ姿だったようです。

従軍していた部隊が奇襲攻撃を受けて、200人の部隊で生き残りは17人という目にも遭ったそうです。その時、開高健が取材メモとか入れていた航空会社の小さなバッグを捨てようとしたくだりが印象に残ってます。私も小さい頃、飛行機に乗ったとき貰って、宝物にしていた記憶がありますが。ほんと小さなバッグ。しかも商売道具の取材メモ入り。それさえ生死の境で逃げ惑ってる時は邪魔な荷物になる。
いや、サバイバルゲームの最中、熱くなったあまりちょっとした装備品さえ邪魔だと感じて捨ててく奴ってのは見たことがありますが。つうか私もやって、あとから探し回る羽目になりましたが。

んで、そういうような話を深夜+1でしてると、「あの戦闘でベトコンは消音器つきのサブマシンガンを使って…」なんて某オカのミグ屋さんがいらしたりして。ほんと深夜+1は濃ゆいです。

いや、またおいてけぼりなこと書いてるし…。

いや、正直に告白すれば、開高健の本は読んでないほうと思います。膨大な著作からすると。特に小説は。
しかも開高健のきちんとした評伝は未見でしたので、今回の特集はありがたいです。

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