« 偏陸さんの写真展 | トップページ | カンヌってば »

2007/05/22

日本怪魚伝

『日本怪魚伝』(柴田哲孝:著 角川学芸出版:刊)
読了。『下山事件 最後の証言』で去年の日本冒険小説協会特別賞を受賞された柴田哲孝さんの作品。釣りとか、「人と魚」をテーマにした短編集です。

柴田哲孝さんは『下山事件 最後の証言』を拝読しました。ただ、私は、ややこしい人間関係、利害関係を把握する能力が足りてないので(おかげで何度も人間関係しくじった事があります)。ちょっとややこしかったですが。
ただ、そういう陰謀のために、人の命が将棋の駒のように弄ばれる事、には怒りを感じました。

いや、ほんとここんとこ小説が読めなくなってきていて。ノンフィクションばっか読んでます。日本冒険小説協会会員として失格ですな。
で、ある意味リハビリとして本書を選びました。

本書は短編集であります。新刊ですが、1994~1995年に柴田さんがお書きになったものを加筆訂正したものです。いろんな作品があります。考察記からエッセイ、伝奇物から現代物まで。

いちばん興味深かったのは、柴田哲孝さんが物書きになられたきっかけが開高健の影響から、という部分です。開高健、いいです。私もエッセイとかだいぶ読みました。小説は少しだけど。『生物としての静物』なんて、読んで影響されて、ウェンガーのスイスアーミーナイフとか、ジッポのライターとか、パイプとか買い求めました。さすが壽屋でコピーライターの開祖のお仕事をされていただけあります。

釣り。私の母方のおじいちゃんは釣りが好きでした。親父も一時期釣りをしていた事があります。私は親父に連れられて、いちどだけワカサギ釣りをした事があります。
釣りも面白そうだし、凝ると奥が深いのでしょうが。ただ、私は釣った魚が食べられないタチでした。親父と釣ったワカサギは食べられたし、もうそんな事はないでしょうが。目の前で命を奪った、自分で命を奪ったものが食べられないというのは卑怯だと思っていますが。

小さいころ、おじいちゃんが小さなフグを釣ってきた事があります。もちろん食べられない、たぶん、私に見せるつもりで持って帰ったのでしょうが。
そのフグに噛まれました。恐いというより、とても悲しくなりました。クーラーの中でも生きていて、最後の、必死の抵抗で私の指を噛んで。でも、もう、食べられる事もなく死んでしまう。その事がとても悲しく、そういう意味において怖かったです。ワンワン泣いて、おじいちゃんもおばあちゃんも困ったかと思います。

下山総裁もほんと、歴史の捨て駒にされて、殺されて、だから、その事にとても腹が立ったんだと思います。

という方向で『日本怪魚伝』、楽しく読みました。ほんとの釣りはしないけど、こういうお話とかは好きです。

さて、ほんと、小説が読める方向にコンディションを調整しないと…。

|

« 偏陸さんの写真展 | トップページ | カンヌってば »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/92510/15162347

この記事へのトラックバック一覧です: 日本怪魚伝:

« 偏陸さんの写真展 | トップページ | カンヌってば »