イメージフォーラムフェスティバル5
さて、昨日もイメージフォーラムフェスティバルへ。E、Kプログラム。
Eプログラムは「日本5」として、国内作品。抽象的というかコンセプチュアルな作品がメイン。ある意味いちばん“実験映画”らしい作品群。
『版#26-29』(伊藤隆介/16ミリ/8分/2007)
フィルムをフィルムの上に乗せて感光させるという手法で作られた実験映画です。これもファウンド・フッテージというのかなぁ。
『タガ・クロス・イズ・アライブ』(万城目純/8ミリ/30分/2007)
ロタ島の風景を映した8ミリをベースに、リアルタイムのパフォーマンスをつけて。
寺山修司に『蝶服記』という実験映画があります。「遮られた映画」。映写機とスクリーンの間に異物が挟まり、映像が遮られるという作品ですが。『書を捨てよ町へ出よう』でもそうですが、また、寺山演劇もある部分そうですが、“映画”というシステムの不安定さというか儚さというか切なさというか、そういう部分をメタに遊んでしまうというところがあったような気がします。
映写室の中で、リアルタイムに、映写機の前にいろいろな夾雑物を挟み込んでの上映でした。
Eプログラムの上映は5月1日にもあって。それはさらに万城目さんのライブ・パフォーマンスつきだったそうで、そっちのほうを見たかったです。
『No is E』(牧野貴/8ミリ→ビデオ/23分/2006)
数年前からイメージフォーラムフェスティバルでは「寺山修司賞」というのを設けています。今回は本作が寺山修司賞受賞作。
アップリンク・ファクトリーで行われた、牧野さんの映像と色々な方の音楽のコラボレーションシリーズの1篇だそうです。本作の音楽はジム・オルークさんとか。
暗闇にきらきらとほのかに輝く、金粉をちりばめたような映像。その輝きが強くなっていくに従い、音楽も盛り上がり。
そして、Kプログラム。特集「グッバイ“スタイリッシュ”」シリーズの1プログラム。
『みっともない身体:キマイラたち』とか。えぇと…、“みっともない身体”のあたしとしてはちょっとグサっとくるタイトルです。
『愛の蝶』(ニコラス・プロヴォスト/ビデオ/4分/ベルギー)
これもファウンド・フッテージになるのかなぁ。素材は黒澤明の『羅生門』のようです。
白州で祈りを捧げる年老いた巫女?、の映像。これを真ん中から半分にして、半分はその左右反転映像で作っています。鏡に映したような感じ。その、半分に切る場所を少しづつ変えると、真ん中の巫女の姿がさまざまに変形していって。その姿はある時は蝶のように、ある時はペニスのようにグロテスクな姿になって。
『あなたに釘付け』(ミランダ・ベネル/ビデオ/4分/イギリス)
ダンスの練習中みたいな雰囲気なんですが。バストアップの女性(後ろの方にはちらちらと男性も)がみんなこっちに視線をずっと向けているという映像。ダンスをやってるような、かわいい女の子たちにずっと見つめられて、ちょっといたたまれませぬ。ワンアイディアの作品ですが、面白かったです。
『いちばん長く笑った者が最後に笑う』(フィル・コリンズ/ビデオ/5分/2006/イギリス)
「長く笑う」コンテストの様子の映像みたいです。あははと笑い声を上げ続けないといけないみたいですが。笑い声が途切れて真顔になって、退場していく参加者たちの様子とか、いっぽ引いた感じで撮られています。
いちばん長く笑えた人が1時間40分ちょっとだったかな?意外と短いものです。
賞金、だいぶ出たっぽいですが…。
という訳で。全プログラム制覇まで、あとは6日のかわなか先生の2プログラムを残すばかり。
4日の疲れが残っていて、だいぶウトウトしましたが…。
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