« ヘブン… | トップページ | 携帯からご覧になれます »

2007/04/13

臨死!!江古田ちゃん

臨死!!江古田ちゃん(1)(瀧波ユカリ:作 講談社)
ただいま連載中の4コママンガみたいです。1巻だけ単行本が出てます。その1巻を読了。

江古田ちゃん。江古田に住んでるから江古田ちゃん。24歳。吊り目で黒のロングヘアー。梶芽衣子似、かな?
昼間は派遣、夜はお水のバイトも少々、時々写真教室とかのヌードモデル。家賃5万5千円のアパートにひとり暮らし。

付き合ってる男はいるけど、Hもしたりするけど、その彼氏は遠距離恋愛中の彼女との二股だとは知っています。そして、他の男とも、けっこう勢いでHするタイプ。男が寝ている横で、ふと醒めた江古田ちゃんが半身を起こして何かひとこと、というオチのお話しも結構あります。
そして、そういう男と付き合いながらも「運命の男」を待っている、と。

ま、前に読んだ岸田秀の本に出てきた、現代の若者たちの『とりあえずの恋愛』の人、また、小谷野敦の言う『恋愛教』の人なんでしょ。とりあえずの相手とくっついて、Hしたりして、でも、片方では「運命の人」を待ってると。
思わずちゃぶ台返し!
(ノ`Д´)ノ彡========== ┻━┻

いや、私ももっと若くてイケメンで少々お金もあったらそういう人間になっていたかもしれませんがね。

『電波男』の本田透さんとかあたりの年代からなんでしょう、旧来の恋愛観からそういう新しい恋愛観への端境期は。だから旧世代の恋愛観の本田透さんは、周囲の人たちが新世代の「とりあえずの恋愛」にドップリはまっていて、自分は疎外されているのに悩んで、その違和感が『電波男』をはじめとする著作に繋がっていったのでしょう。

つまり、「孤独」は嫌。恋愛相手はいて当たり前、恋愛相手がいない状態には耐えられない。だから、「とりあえずの恋愛」をしている。相手をあっさり変えたりしながらね。それでも片方では「運命の人」を待っている。そういう行動パターンになるのでしょうか。ぐぅ。
もう1回ちゃぶ台返しじゃぁっっ!!
  (ノ`Д´)ノ彡========== ┻━┻

ま、江古田ちゃんのキャラクターは好きです。因業なところが好きです。洗濯物が出るのが面倒なので、部屋では全裸で暮らしているところとか、エアロビ教室に入るつもりが暗黒舞踏教室に入ってしまうところとか。いや、存在そのものが因業かも。

江古田という街、なぜか時々行く街です。日大芸術学部、日芸の街だからかなのでしょうか、なんか独特の雰囲気を感じます。
もうだいぶ昔だけど、江古田にとある有名なミリタリーショップがあって、時々行ってました。確か、「コスプレ用の既製服」を早くから(ひょっとしたら最初に)売り出したお店と記憶しています。ウルトラセブンのウルトラ警備隊の制服とか、パトレイバーの特車二課の制服とか。そのお店はだいぶ前になくなったのだけど。

江古田ちゃん、という名前はなんとなくキャラクターにぴったりな感じがします。ひょっとしたら江古田ちゃん自身が日芸の出身という隠し設定があるのかもしれない。

江古田ちゃんが目の仇にしている女性のタイプが「猛禽ちゃん」。つまり“モテ女”なんだけど、“猛禽”と呼ぶネーミングセンスが絶品です。
で、「猛禽ちゃん」とは。

ひと昔前に生息していた「ぶりっこ」は
時がたつにつれ
男共にことごとく
本性を見抜かれ
ぜつめつした

そして試行錯誤の末
新たに誕生した「猛禽」は
我々の予想を
はるかにこえる
完成度をほこっている

聞き上手で
ほっとかれてもふくれず
下ネタにも寛容
ブサイクにもやさしい

つまり言葉では非のうちどころがない
「…これじゃただのひがみじゃないか?
いやちがう何か!何か責めるべきところが」
(敵を自己嫌悪におとしいれる技をもあわせもつ)
(25p)

うん、私も「猛禽ちゃん」タイプと思われる女の子が好きだった事があります。「ブサイクにも優しい」ですから。そして、手ひどく振られた今となっては「…これじゃただのひがみじゃないか?いやちがう何か!何か責めるべきところが」と私も叫んでしまいます。もちろん彼女の普段の“カワイイ”姿を見ると、そういう考え方をする自分に自己嫌悪…orz

いや、ほんとの意味で言えば、江古田ちゃんの方が“可愛い”と思うのですよ。ほんとに。惚れるなら「猛禽ちゃん」より江古田ちゃんだと思いますけど。ついつい男は「猛禽ちゃん」に行ってしまうかと。
そう。江古田ちゃんはネコがうまく被れないタイプ。ネコを被ってみても、被ったネコに寄ってこられると困ってしまうタイプ。

そう考えると、逆に「ぶりっ子」や「猛禽ちゃん」はその被ったネコに寄ってこられると嬉しいタイプじゃないかと。
そして、「猛禽ちゃん」は心の深いところまでネコを被っているタイプなのかなぁ。たぶん、無意識レベルに近いところまで被っているんじゃないかと。そこまでは被ってないのが「ぶりっ子」で。

だから、「猛禽ちゃん」は被ったネコが自分のほんとうの姿とまで思い込んでいて。そのおかげで、ネコが効いているあいだは「ぶりっ子」みたいに、「男共にことごとく本性を見抜かれ」る事はないのだけど。うそが見破られるのは、「うそをついてるぎこちなさに気づかれてしまう」からという事が多いです。だから、自分自身も自分のうそを信じこめば、そのぎこちなさはなくなって、結果として相手もすんなり騙されますし。

しかし、それはしょせんネコだから、ネコの下に隠した本性的な行動もとってしまう。ただ、そういった行動の動機は無意識レベルでフィルタリングされて、勢いでしか周りに通じない手前勝手なリクツで周囲を説得してしまうか、あるいはその行動ごと記憶から削除されて、「なかったこと」にされてしまうような事があるんじゃないかと。

ま、そこまで行ってる状態だと周りも“ネコの下”の行動を「気の迷いだったんだよ」とか、「向こうに騙されたんだよ」とか好意的に解釈されがちなんじゃないかと思います。

いやぁ、書きながらだいぶムカムカしてきました。わぁい、ルサンチマンたまってるぞぉ、あたし。いや、閑話休題。

あと、江古田ちゃんのちょうクールなひとりごとをいくつか。

(隣に寝ている彼氏に向かって)
「あんたが求めているのは愛がん犬かお母さんだもんね」(18p)
グサッ!と胸に刺さるセリフであります。

(故郷に帰るという友人と別れてから)
「ここにいる理由?んーんなん知らん。ただ帰ったら負けなだけさ。」(65p)
東京生活20年のあたし。確かに…。

(脳が勝手に考えて悩んでいるとき、ある方法でそれを停めて)
「だましだまし……生きてやる…」(152p)
ほんとそうですよ。まったく。

『臨死!!江古田ちゃん』、おススメであります。2巻が出たら買おうと思ってます。
しかし、月刊誌連載ですから、1年1巻くらいのペースになるかなぁ。
もっと読みたいです。

|

« ヘブン… | トップページ | 携帯からご覧になれます »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/92510/14653316

この記事へのトラックバック一覧です: 臨死!!江古田ちゃん:

« ヘブン… | トップページ | 携帯からご覧になれます »