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2007/04/29

イメージフォーラムフェスティバル

黄金週間が始まっちまいましたな。
学生のバイト時代、黄金週間とか盆休みとか年末年始休暇は敵でした。時給制だと休みが多いと収入減りますし。だから、お休みの多い時期は嫌だったんだけど。サラリーマン生活初めて十数年でやっとそういう気持ちはなくなりました。

ま、それでも連休は持て余します。旅行とかお出かけできる台所状態じゃないし。だいたい人出でごった返す場所は人あたりする自分としては苦手です。じっくり遊べるゲームを買って遊ぶのもいいんですが。プレステ2も買うゆとりはありませぬ。プレステ2より高いビデオカード買ったりしてますが…。

んで、ここ数年はイメージフォーラムフェスティバルに行ってます。実験映画(という言い方はほんとにしっくりこないんだけど)の祭典であります。
ま、去年まで住んでいたのが会場のパークタワーホールに歩いて行ける場所にあったという理由が大きかったんですがね。

引越ししてしまったから、今年はもう歩いてパークタワーホールに行ける状況じゃないけど。
やっぱりイメージフォーラムフェスティバルに行くことにしました。
以前はどのプログラムも自由に入れるフリーパス券を買って、全プログラム制覇!なんてやってたんですが。ここ数年は懐具合もあって、4回券買って、プログラムとにらめっこして観てました。だいたい十数プログラムあるんですが。毎年かかる、かわなか先生の新作はぜったい観るとして、あとどれを観ようかな、なんて。

今年は思い切って、久しぶりにフリーパス券を買ってみました。
で、28日は2プログラム観ました。LプログラムとOプログラム。

Lプログラム。特集3『セブン・イージー・ピーセズ』という作品。
イメージフォーラムフェスティバルでは、小特集としてその年その年のテーマに沿った作品集の上映があります。今年の小特集は「グッバイ・“スタイリッシュ”」とか。
「巷にあふれるクールかつ親しみ深い作品群とは対極にある、確信犯的な熱狂に満ちた野心作です。」だそうです。

『セブン・イージー・ピーセズ』、2005年11月9日から15日まで、ニューヨークのグッゲンハイム美術館で行われたマリナ・アブラモビッチによるパフォーマンスのドキュメンタリー作品。各作品7時間にわたって行われたとか。そして、それらのパフォーマンスは、他の方かアブラモビッチ自身によって、かつて行われたパフォーマンスの再演とか。
このパフォーマンスは亡くなられたスーザン・ソンダクに奉げられています。

1日目のパフォーマンス、「ボディ・プレッシャー」。大きなガラス板が据えられていて、アブラモビッチはそのガラスや床に体を押し付けます。このパートには解説ナレーションがついています。それを聞きながらだと、アブラモビッチの内面、志向するものがわかりますが。
映像を見ると朝の通勤電車のような感じです。解説なしにそれを超えてアブラモビッチの内面、志向するものまで見通せるかどうか…。

2日目。「シードベッド」。ステージにしつらえられた、ちょっと高い台。スピーカーからアブラモビッチのあえぎ声が聞こえてきます。アブラモビッチはその下で、ひとりオナニーをしていて、その実況のあえぎ声や語りがスピーカーから聞こえてくるという趣向だそうです。オナニー、孤独な作業、でも、彼女は、彼女の上を行きかう、人々の気配と繋がろうとしていて。

3日目。「アクション・パンツ:性器パニック」。アブラモビッチは壇上、米軍の現用小銃、M16A2(民生型と思いますが)を携えています。銃口は水平で、指に引き金がかかっていて。ガンマニアの私は「怖い!」と思いました。銃ってのは決して銃口を人に向けず(撃つ相手は除いて)、撃つまで引き金に指をかけてはいけません。ま、モデルガンとかでもそういう風に扱って、気分だったのですが、それが刷り込まれてしまっているんですが。

黒いパンツに黒い皮のジャケット姿。しかし、よく見るとパンツのまたぐらが切り抜かれていて、性器が丸出しです。
命を奪う銃器と命を生み出す性器の対照という趣向なのでしょうか。でも、銃口も、ヴァギナも、瞑い穴ぼこという事においては同じですな。

4日目。「条件付け、セルフ・ポートレート(たち)の最初のアクション。」。長いタイトルでありますが、ステージはシンプル。梯子みたいに組まれた鉄枠に、アブラモビッチが寝そべるというパフォーマンス。鉄枠の下で燃えているロウソクに炙られながらですが。アブラモビッチは難燃素材のツナギのようなものを着ていましたが、熱いのか、もぞもぞしています。
ロウソクが燃え尽きると自分で補充するのが内攻的だと思いました。

しかし、こういうパフォーマンスで観客はどうしたらいいのだろう?熱さに耐えがたい様子を見せているアブラモビッチ、壇上駆け上がってロウソクを消したい気分になりましたが…。それをやると怒られるんだろうなぁ。

5日目。「死んだ野うさぎに絵を説明する方法」。顔面から頭まで金箔を貼り付けたアブラモビッチ。野うさぎの剥製?を膝に抱き、何かお話しするように語り掛けたり。右足に鉄板をくくりつけ、歩くたびにドシンドシンと音をさせるのですが。これはちょっとピンときませんでしたが。ウサギの耳をくわえてゆらゆらさせるしぐさが多すぎ。

6日目。「トマスの唇」。全裸で食卓につくアブラモビッチ。瓶の蜂蜜をスプーンですくって舐め、ワインを飲み。やおら立ち上がると、下腹に星印が描かれていて。手にした剃刀でそれをなぞって自分の体を切り刻んでいって。で、床に置かれた氷の十字架に寝そべったり、鞭で自分の背中をはたいたり。流れる血を布にしめして、旗にして振ったり。ロシア軍っぽい軍帽を被って、流れるスラブの軍歌。反戦メッセージだと思いますが。「自分たちの命が1ペニーの値打ちもない」なら、「他人の命も1ペニーの値打ちもない」となってしまうと思いますが…。

7日目。「向こう側への侵入」。青いドレス姿のアブラモビッチ。今度は普通かなぁと思っていると。ロングショットで、アブラモビッチは高い円錐状の台に乗っていて、ドレスの裳裾は台と一体化している様子がわかります。まるで紅白における小林幸子の衣装のよう。紅白の小林幸子の衣装は衣装担当じゃなくて大道具担当だそうですが。

七日間にわたるアブラモビッチのパフォーマンス。でも、いちばん印象に残ったのはアブラモビッチさんの結婚指輪でした。全裸になっても、どんな無茶なパフォーマンスをしても、左手の薬指には結婚指輪があって。それは、たぶん、無意識レベルの物なのだろうと思いました。何かの象徴のように見えました。

んで、あと、Oプログラム。「ドローイング・アニメーション世界旅行」とか。
海外の手描きアニメーションです。

『アスパラガス』の作者、スーザン・ピットの小特集といった2本。いや、『アスパラガス』は未見なのですが、四谷三丁目時代のイメージフォーラムにずっとポスターが貼ってありました。『スーザン・ピット:視覚への固執』という、スーザン・ピットが自作について語るというドキュメンタリーと、ピットの新作、『エル・ドクトール』です。

『エル・ドクトール』。メキシコが舞台。救急病院に勤める、老いぼれの飲んだくれの医者、彼が心臓発作を起こしたいまわの際に見る幻想。

画面は思っていたより明るめでした。『アスパラガス』のポスターから、暗めかなぁという印象があったのでが。手法は基本的に手描きセル?あと、砂絵とかフィルムに直接加工とか、いったん濡らしてくしゃくしゃにした原画を乾かして撮影したりとか、しています。

体のあちこちから朝顔のつるが伸び、花が咲いた子供。頭が馬の馬子(いや、かわいいです)、母親が次々産み出す畸形児。異形の者たち。グロテスクだけど、ただし、神に祝福された異形。そんな感じでした。

他のアニメーション作品も面白く観ました。特に、エストニアのプリート・テンダー『ご近所のみなさま』とか、少々ブラックなユーモアセンスが私のツボでした。

という訳で、イメージフォーラムフェスティバル1日目終了。

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