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2007/01/11

『常識として知っておきたい昭和の重大事件』

『常識として知っておきたい昭和の重大事件』(歴史の謎を探る会:編 河出書房新社:刊)
去年読了した本ですが。文庫本です。
ちょうど読む物を切らしてしまい、地下鉄の売店で買った本。
表題通り、昭和時代の重大事件の概要を紹介した本です。大正15年の『鬼熊事件』から、昭和63年の『女子高生コンクリート詰め殺人事件』まで。…て言うか、なんか『昭和時代』って書くのも慣れてきたなぁ。
昭和時代を戦前~戦中期、復興期、高度経済成長期、そして爛熟期に章分けしています。

知らない事件もあったし、名前だけは知ってる事件もあったし、知ってる事件の知らない事も書かれてありました。
第五福竜丸事件は最初隠蔽されそうだったとか、沖縄返還当時、日米間に密約があって、それが漏洩した事件があったとか。
良くまとめてあると思いました。筆致はやや左がかっているくらい。そのくらいの筆致がいちばん好意を持って読み進められます。

前に読んだ吉岡忍の『M/世界の、憂鬱な先端』にありましたが。「今・ここ」に薄くスライスされた今の人々。太平洋戦争も知らなかった宮崎勤。私と宮崎勤はほぼ同世代ですが、彼の歴史感覚のなさは当時にあって先端ではなかったかと思ってます。

「今・ここ」で薄くスライスされ、歴史の中の自分、地縁血縁の中の自分を見失い、そこに拠りどころを持てず、目先の欲望にのみ踊らされて生きている人々。『経済』という、人が作り出したはずなのに、良かれと思って作り出したのに、逆に人を支配するようになった怪物、人を喰らうようになった怪物。その贄としての『消費する家畜』としての現代人。

歴史について知る事は、その家畜としての立場から己を少しだけでも解放する手段ではないかと思います。

でもね。

消費社会で踊っているか、それとも、完全に消費社会に訣別できてりゃ楽です。踊らされているのを自覚して、中途半端に踊っているってのがいちばんきついんじゃないかと思いますがね…。
今時の人はだいたいそれに気がついているような気がします。

どうでしょうか?

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