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2006/10/27

会長への道

『会長への道』(鈴々舎馬風:著 小学館文庫)
96年に単行本として出版されたものに加筆・改稿して文庫化したものだそうです。

本書は噺家・鈴々舎馬風さんの半生を語った自叙伝であります。

鈴々舎馬風さんは柳家獅堂さんのお師匠さんでいらっしゃる方。
柳家獅堂さんは二ツ目の風太郎さん時代、かわなかのぶひろ先生のご縁で何度かお会いした事があります。落語界とかにも何度か行った事があります。
真打に昇進されて、獅堂さんとなったお披露目の寄席にも行きました。
ただ、最近は観に行ってないのですが。

文庫化にあたっての加筆・改稿ですが。奥付によると2006年10月1日発行。本屋さんの店頭に並ぶのはそのひと月ぐらい前からが多いようですから、実質9月頭くらいの発行になると思います。しかし、つい最近のことまでお書きになっています。
書くのも大変だったでしょうが、編集さんとか印刷屋さんも大変だったんじゃないかなぁと思います。

『会長への道』。“会長”とは落語協会会長のことだそうです。
『会長への道』というのは馬風さんがよく高座にかけていらしたネタでもあるそうですが、馬風さんは2006年6月に落語協会会長に就任されたので、演じられないネタになってしまったとか。

鈴々舎馬風さんはテレビで拝見した記憶はあります。ただ、何を演っていらしたのか、もう記憶はありませんが。
生の馬風さんは柳家風太郎さんの落語会で初めて拝見しました。雑談風、漫談風のお話でした。たぶん、『会長への道』のひとつのパターンだったのかと思いますが。修行時代の思い出話とか。
落語ってのは古典にしろ新作にしろ、ひとつの“物語”をやるもの、という先入観があって。だから、そういうスタイルの落語のやり方もあるんだなぁとずいぶん感心した記憶があります。

たぶん、テレビやラジオの落語とか、本の落語くらいしか知らなかったら、そういうスタイルがあるというのはいまだに知らなかったかと思います。

閑話休題。

すらすらと読ませる語り口はさすが年季の入った噺家さんのもの。面白く読めました。語られるエピソードは面白おかしく、そして時にはためになるもの。

ただ、文章中“(笑)”というのが多用されていました。せっかくの話のプロの方なんだから、読んでれば自然に笑いどころと解りますから、“(笑)”とわざわざ入れるのはどうだかなぁと思いました。ただ、シャレをシャレと理解できない方、シャレを曲解する方、世の中にはいらっしゃるようですから、入れといた方がいいのかもしれません。

初めて生で馬風さんを拝見し、噺を聴いた時、「こういう上司の元で働きたいなぁ。」と思ったりしましたが、本書を読んでもそういう気持ちになります。押さえる所は押さえて、あとは自由にやらせるという弟子に対する方針とか。
いや、実際に下に就いてみるとどうだかは解りませんが。

綺羅星の如く本書に登場してくる噺家さんたち。ただ、私は落語の世界には詳しくないので、ちょっと解りませんでした。
高校生ぐらいまでは笑点は見ていましたし、テレビやラジオの落語番組は時々視聴していましたし。中学生の頃、興津要さんの『古典落語』が図書館にあって、楽しく読んだ記憶はありますが。

噺家さんの世界もあまりよく解っていません。“一門”というシステムの事、見習い-前座-二ツ目-真打という昇進制度も、落語団体の事も。そしてそれらに対する“想い”というのも、よく解ってないと思いますし、結局私は“部外者”に過ぎないとは認識しています。
それにやっぱり私は対人能力の低さのせいか、人間関係を読み取るのが不得手です。たくさんの登場人物のお互いの関係を把握するのは苦手です。

だからそこらへんの事はちょっとちんぷんかんぷんでしたが。でも、楽しく読めました。
そのうち、寄席や落語会とかでそういった噺家さんのお姿も拝見する事があるでしょう。色々と知っていく、解っていくのは楽しい事です。それは落語の世界の事だけじゃなくて。

そうそう、柳家獅堂さんの事も色々書いてありました。楽しく拝読いたしました。
そのうち獅堂さんの落語も聴きに行きたいのですが。でも、公式サイトとかないと、いつどこで公演があるのかちょっと解り辛いです。

ほんとうに面白い本でありました。

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