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2006/10/16

鈴本演芸場、10月中席、昼の部

昨日、15日の日曜日は上野・鈴本演芸場に三遊亭あし歌さんご出演の寄席を観に行きました。
早朝寄席、深夜寄席というのは何度か行った事がありますが、普通の寄席というのは浅草演芸ホールに柳家風太郎改め柳家獅堂さんの真打昇進記念寄席に行って以来、2度目になります。

その時にも書いた事だけど。

「落語家は客を寝かして一人前」という言葉があります。初めて寄席に行くまでは、その言葉、ちょっとひねた、ケレンな言葉と思っていたのですが。初めて寄席に行ってその言葉が理解できました。
寄席というのは数時間、十数組の出演者が入れ替わり立ち代りご出演になる訳です。全部の出演者が息を詰めてしっかりと見てないといけなかったら、ほんとくたびれます。年寄りだったら衰弱して死ぬかもしれない。お客さんの肩の力を抜かせて、お弁当をぱくついたり、お酒を飲んだり、あるいはトイレに行ったり居眠りしたりという時間をかもし出す出演者も必要になる訳です。もちろん伸びていく、いつか名人と言われそうな、お上手な方となるとやっぱりお客さんをグイグイ引きこませようとするのだろうけど、その境地ではまだまだ…、という事だと思います。

んでは私も。と、しっかりと酒肴を整えて寄席に挑もうと思いましたが…。やっぱりそこまでは手も回らず、手ぶらで行ってしまいました。いつかはそうしたいと思います。その時はやっぱり気の合う仲間と、いや、可愛い女の子と行きたいなぁ。んでもってその子が作ってくれたお弁当を食べながら…。いや…。

ま、せん無い事…。

三遊亭あし歌さんの出番は2番目。お題は『粗忽の釘』、かなぁ。ほんと落語の世界は知らないのだけど。粗忽者のはなし。あたしも粗忽者だけど。でも、自分以上に粗忽な人の話を聞いて笑うのはなぐさめです。

『粗忽の釘』には箒が出てきます。私が小さい頃、母親は箒で掃除機を併用して家の中を掃除してました。たぶん、私ぐらいの年齢が箒が身近にあった最後の世代かもと思います。
私が今勤めている会社の近所に“江戸箒専門店”なるお店があります。手作りの、昔ながらの箒が売られていて。高いのになると2~3万とかして驚きます。でも、日本の職人さんがまっとうに手作りするとそういう値段になるのだろうなぁと思いますが。その、箒の箒草の編み方で何種類もあるみたいです。

三遊亭金馬さん。テレビで拝見した記憶はありますが。でも、やっぱりこの目でしかと拝見するのはありがたい事です。もう悠々自在、好々爺を絵に書いたようなご様子。その、纏っていらっしゃる空気まで拝見するのは、やっぱり生でなくちゃと思います。私は長生きできるとは思いませんが、長生きできるなら、かくありたいと思いました。でも、若い頃、きっちりと生きてこないとそういう空気は纏えないものかなぁと思います。

『目黒の秋刀魚』とよく似たお話。お殿様がたまたま庶民の食べ物を口にして大いに感激し、お屋敷でも是非、と所望するのですが、お上品に料理されてしまい、まったく違った味でがっかり、というお話。『目黒の秋刀魚』では、結局お殿様は目黒の秋刀魚を再び口にできなかったと記憶していますが、こちらのお話では三太夫の機転でお殿様は再び口にできてニコニコ、というのが良かったです。

“ねぎま”というのは今では葱と鶏肉を交互に刺した焼き鳥のネタですが、このお話では鮪のぶつ切りと葱のぶつ切りを醤油味で煮込んだもののようです。いつか食べてみたいです。作ってみようかなぁ。鮪のアラとかあると良さそうですが、スーパーで売ってるかな?

女性おふたりの漫才。そう言えばメイド物おおはやりの昨今でありますが。メイド漫才というのはないのかしら。隣の秋葉原はメイドのメッカであります故、メイド漫才というのが無いのなら、ぜひとも上野鈴本で初演をやって欲しいと思います。

高座の座布団の隣、なにやら物々しい機械が据えられて。なんだなんだとよく見てみると、OHPの機械みたいです。何が始まるのかなぁ、前衛落語かなぁと思っていたら、紙切りでした。お客さんからお題を出されて、即興で切っていきます。で、出来上がりをOHPで拡大して映すというスタイル。
ほんとうにお見事です。日本髪のかんざしとか、指さす指とか、細かいところまでこしらえ、その表情まで見事に切り抜いていきます。流鏑馬の矢はきちんと鏑矢だという事までわかります。
私は職工の町の生まれですから、こういう職人技を見せられると無条件に憧れます。あぁ、私も職人になりたかったです。不器用ですけど。

紙切りのあと、前座さんが切りくずを片付けていらっしゃいました。いちいち切りくずを拾って。それも合間ですから大変かと思います。でも、やっぱり、お客さんを前にした高座で箒は使えないのかと思います。

『時蕎麦』。落語家さんのお蕎麦をズルズルッと啜るしぐさはテレビでもよくありますが、割り箸を割るしぐさ、その音まで扇子で出すのですね。びっくりでした。

マリオネットの方。とても愉快でした。お尻をクイックイッって振る姿がユーモラス。牛のマリオネット、きちんと四つ足で歩きます。お人形ならではの動き、しぐさ、楽しみました。
ヲ人形の世界、ちょっとだけかじらせて頂いてますが、こういうのもいいなぁと思いました。
大好きな球体関節人形作家さんの作品、マリオネットにして動かすとどういう風になるかなぁとかちょっと思いました。三浦悦子さんの作品、マリオネットにして動かすとどうなるのでしょうか!?

ぬっと巨体。驚きました。三遊亭歌武蔵さんとおっしゃる方のようです。お相撲さんだった方だとか。相撲の世界のお話をなさってました。しかし、着物の紋を見ると錨の形をベースに部隊章とかのエンブレムのようにアレンジしているようです。で、気がつくと、着物も軍艦色のグレイ。ミリタリーマニアのお方?元・ミリタリーマニアの私は嬉しかったです。

大瀬うたじ&ゆめじさん。漫才の方。お話の途中で急に割り箸の薀蓄とか始まって。マニアックな私も興味を惹かれました。うぅむ、図解を配布してほしかったぞ。

トリが三遊亭歌る多さん。女流の落語家さんです。今、日本には女流の落語家さんが十三人いらっしゃるとか。大店の与太郎さんが出てくるのですが、歌る多さんなら女の子の奉公人でいくといいと思うのですが、どうかなぁ。

今回は12時過ぎから始まって、4時半まで。4時間半。面白かったけど、終わった頃にはやっぱりくたびれました。アメ横でも冷やかして、ミリタリーショップの老舗、中田商店を覗いていこうと思っていたのですが、そのまま帰宅。

若い衆の言葉で“まったり”というのがあります。クラブでまったりとか。寄席はそれこそ元祖“まったり”する空間かと思います。でもやっぱり“まったり”の境地は私にはまだまだ無理みたいです。

しかしやっぱり、音楽も落語も生が最高!で、あります。

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