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2006/06/19

デトロイト・メタル・シティ

デトロイト・メタル・シティ 第1巻(若杉公徳:著 白泉社:刊)
読了。コミックスであります。ヤングアニマル誌連載の作品とか。

主人公は根岸祟一、23歳。大分県の片田舎から大学入学で上京。
で、ミュージシャン志望。方向性としてはスウェディッシュポップ、愛聴してるのはカヒミ・カリィ。お洒落系。
しかし、なぜかデスメタルバンド、「デトロイト・メタル・シティ」のリーダーとなり、自分の理想とする音楽のギャップに苦悩しつつも、ステージの上では結構ノリノリでムチャクチャしている、と。おかげさまでバンドもメジャーデビュー寸前、と。
その理想と現実のギャップに苦悩する主人公・根岸の姿なんかをギャグタッチで描いた作品であります。

いや、スウェディッシュポップもカヒミ・カリィも知らないんだけど。たぶん、耳ざわりのいいメロディーに載せて、ささやき声で唄うとか、そんな感じかなぁ。アニメ『月詠』のテーマ曲とかみたいに。
デスメタルはメジャーどころは知らないけど、ライブハウスでそんな感じのを何度か聴いた事があります。日比谷カタンさんなんかはジャンゴ・ラインハルトとデスメタルの融合だそうですし。いやほんと、轟音でだみ声で歌うような感じ、くらいの認識しかないけど。

話は変わりますが。

実は、ライブハウス通いを始めた時、ちょっと怖かったです。
それこそザ・スターリン時代の遠藤ミチロウさんのエピソード、客席に豚の臓物をぶちまけたりとか。あと、大槻ケンヂさんの本に出てくる過激なバンドパフォーマンスとか。で、そういうライブに行くと、「お前なんかここに来るんじゃねぇ!」とか、喧嘩を売られたりしたら嫌だなぁとか思っていました。ま、何度か行って、そういう事はないってわかりましたが。

それに、パンク系はどうも波長が合うみたいです。パンクの轟音、何言ってるのかわからない歌詞の絶叫。でも、不思議とそういう場にいて和んでいる自分を見つけて、面白かったです。それも、パンクだといいんですよね。メタル系のバンドだとその、和んだ感じがしません。

まぁ、パンクバンドの連中以上に私の方が鬱屈を溜め込んでいる自信があります(爆)。若造よりも中年サラリーマンの私の方がね。それに、私には、彼らみたいに鬱屈を吐き出す場がないですし。酒とか呑んでもドロドロを抑えるだけで、吐き出す事はできないし。

いやいや。

そうそう、『デトロイト・メタル・シティ』にはゴシック系ファッションとかゴスロリに身を包んだ観客が出てきます。そこらへんも面白かったです。ゴスロリはよく見かけるけど、ゴス系の、男服も含めたファッションがね。
この前『ブラッド・レイン2』のデモ版を遊んだけど。そのデモ版のステージって、ゴス系のパーティーの会場にブラッド・レインが潜入するという設定で、敵キャラはゴス系のファッションに身を包んでいました。白塗りとか、黒を基調にした衣装とか。
マリリン・マンソンあたりは定番だと思いますし、「しろはた」さんでも紹介されていますし、聴いてみたいとは思っています。

話を元に戻して。

ほんと、面白く読みました。ギャグに包んであるのがGOOD!であります。ギャグに包んでいるからこそ、主人公・根岸祟一の想いも強く心に届きます。行きたかった方向じゃないスタイルでデビューしなきゃいけない。たぶん、あらゆるメジャーデビューしているミュージシャン、いや、“表現者”さんたちにありがちな苦悩であると思いますが。でも、それもまた、根岸という人物のもうひとつの顔で。好きだった女の子に嫌われたと思い、思わずデスメタル化しちゃうところなんてね。

『デトロイト・メタル・シティ』お勧めであります。

ここでさらに余談。

本書はネット先導で情報を知った作品であります。
最初に本作を知ったのは、ある画像掲示板でした。1話丸ごとスキャンされた画像が貼られていたのですが。それで気になっていて。
で、先日単行本が出たあたりから漫画関係のサイトで紹介される事が多くなって、で、あちこち見て回って、結局欲しくなって、本書を購入したしだい。
ほんと、ここで本書を紹介しなくても、『デトロイト・メタル・シティ』で検索すれば、本書を面白おかしく紹介しているサイトはたくさんあります。もう読んでしまった感じがするぐらい。

こういうネット上の情報先行で、もうだいたいの事は知ってしまってから、“最終的に”オリジナルに手を出すってケースはままあります。
そういう作品の最初は『新世紀エヴァンゲリオン』でした。

エヴァの話を聞いたはじめては深夜+1でした。で、そこで働いていた方、その人のおススメなら間違いなしという方がいて、その人から話を聞いたのがエヴァにはまるきっかけでした。

それからどういう作品だろうとネットで検索しまくって。で、ストーリー紹介からキャラクター紹介から論考に至るまで、エヴァ関係の情報はたくさん見ました。「しろはた」に出会ったのもそれがきっかけでした。で、肝心のアニメ本編を見たのは、そういった情報に触れまくった後、テレビ東京の再放送と、レンタルビデオで観てからでした。そして、劇場版は『DEATH & REBIRTH シト新生』と『Air/まごころを、君に』を観に行きました。

まずその作品に関して過多なくらい情報を得てから、やっと元の作品に触れる。まぁ、良い事か悪い事かは判らないけど。
でも、ネット社会の昨今、そういう形で作品に触れる事が多いです。まぁ、元ネタに触れるにはお金を出さないといけないしね。で、お金を出すだけの踏ん切りをつけるにも作品について知りたいし、でも、知りたいとなると、そこそこの流行作品なら、とことん情報は手に入ります。キャプチャとかスキャン画像も出てるし。

こういう風潮は、著作権利権団体の神経を逆撫でしてると思いますが、でも、そのせいで、作品を購入する事もありえるというお話。

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