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2006/05/23

コールドリーディング

一瞬で信じこませる話術 コールドリーディング(石井裕之:著 フォレスト出版:刊)
読了。
「コールドリーディング」という占いとかにおける一種の“話術”についての概要と初歩的なテクニックを紹介した入門書です。

評判の高い占い師さんは、習わなくても無意識のうちにコールドリーディングのテクニックを身につけてるそうですが。こういう、無意識レベルの、日本あたりだと“天賦の才”か、せいぜい“考えるんじゃない、感じるんだ”式のテクニックを、あえて明文化して教えてくれる本ってのは面白いです。もちろん最後には身につけて、「考える前に動ける」くらいにならないと有用ではないテクニックではありますが。

「コールド・リーディング」とは"cold reading"の事。"cold"とは、“「まったく準備なしで」「ぱっと突然の」という意味だそうで、"reading"とは「占い」とか、「霊感で読み取ること」という意味だそうです。つまり、「コールド・リーディング」とは、「前準備なしに、初対面の相手をいきなり占う事」というような意味になるそうです。

といっても本書は、ホロスコープやタロットや手相に関する本ではありません。
占い師的な話術、つまり、当たっていると思わせ、さらに相手の情報を引き出し、そしてその情報を元にさらに相手を引き込ませ、「この占い師は当る」と相手に思わせる話術についての本です。

私は占い否定論者ではありません。全面肯定もしませんが。
そして、占いはタロットカードや星の配列や手の皺の模様である以前に、一種のカウンセリングと思っています。人の心をつかみ、アドヴァイスしていく。そのひとつのファクターである“コールドリーディング”というのに興味を持ちました。

例えば今、高名な占い師としてテレビにちょくちょく出演している、ある方がいらっしゃいます。彼女の占いはちっとも当たってないとネットとかでよく指摘されています。でも、彼女が高名な占い師であるのは、たぶん、カウンセラーとしての腕が優れているからと思います。彼女はとても話術が上手で、他人を説得させる力が強いのだと思います。だいたい悩み事の占いなんて、当たる当たらない自体は適当で、占いにかこつけて適当なアドヴァイスをして、相手を元気づける事が大事だと思います。それで力づけられて悩み事に立ち向かっていけば、結構どうとでも解決するものだと思います。

ただ、占いが当たらないことをさんざ突っ込まれ始めているから、その方、適当なところでTVなんかの「当たるor当らない」“だけ”が問題になるような“占い”の仕事は減らしていった方がいいと思うんですがね。その方の「当るという“権威”」が傷ついていってるから。でも、破滅するまでやめられないのがTV仕事という魔物なのでしょうが。

本書ではさまざまなテクニックが紹介されていますが、煎じ詰めれば
コールドリーダーがあいまいで抽象的なリーディングでカマをかけ、相談者自身の口から具体的なことを言わせます。しかし、相談者の目線から見ると、コール ドリーダーが最初から見抜いていることに対して「その通りです」と確認を与えるために、具体的な悩みを口にすることになります。決して、自分から情報を開 示しているとは感じさせません。(本書112ページ)
というテクニックの集大成になるかと。

もちろんこれは言葉をかえれば一種の詐術になるでしょう。
そして、著者は
たぶん、世の中はすべてウソでできている。そして、人を思いやる気持ちから出たウソだけが、“真実”に変わる-それだけが私たちに与えられた“真実”なのかもしれません。(『あとがき』より)
という立場に立っています。著者のこの主張を100パーセント鵜呑みにはしたくありませんが、私も著者とほぼ同意見であります。

もちろん、“人を思いやる気持ち”とはいうもの自体、人のエゴである部分があると思います。例えば、「余計なおせっかい」とか、「相手を自分が良いと思っている自分の思い通りに動かしたい」とか。つまり、自分の狭い了見の尺度で他人を測り、その尺度を他人に無理やり当てはめようとする行為かもしれません。そうかもしれませんが…。

コールドリーディングの技術に長ければ、
巷の占い師なら「○×の母」とか呼ばれる高名な占い師になれるでしょう。
市井人なら、「この人はあたしを解ってくれている」とか「カンの鋭い奴」とか言われて、女を口説くのがうまい奴とか、人が集まる奴とか、商売の上手な人になるでしょう。
もし、悪用するなら、霊感商法とかの詐欺師になるでしょう。
そしてさらに、権力を志向する人なら、カルトのリーダーになれるでしょう。

まぁあたしは占い師になるつもりはないし、教祖サマにもなりたくないです。「悩める人々」がわっと押し寄せてくるのなんかちょっと嫌です。霊感商法なんてのに手を染められるタマでもないし。私は世間一般の人と同じように、中途半端に悪人で、中途半端に善人でしょうから。

少しは人心掌握できればいいとは思いますが、あまり周りに人が寄ってくるようなのはチト勘弁です。女は少しは口説ければいいと思いますが、ほんとうに大好きな女の子をだけ、きちんと口説ければ、心を通じさせる事ができれば嬉しいと思いますが。一生に一度だけでいいから。しかし、コールドリーディング以前のご面相とかコミュニケーション能力に少々難アリですから、それも難しいかなと思います。

とまれ、面白い本でした。

さらに本書には続刊として、コールドリーディングのテクニック面を図解で教える本もあるそうです。さすがにそこまで手を出そうとは思いませんが。でも、この、コールドリーディングの理屈は面白いです。もちょっと良く知りたいと思います。

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