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2006/03/16

イメージフォーラム付属映像研究所 2005年度 卒業制作展

昨日は渋谷のイメージフォーラムへ。
毎年恒例のイメージフォーラム付属映像研究所の卒業制作展を観に。
今回のプログラムはこんな感じです。

イメージフォーラム付属映像研究所の卒業制作展はここんとこ、ほぼ毎年行っています。
と言っても行き始めたのはもう10年以上前からになるでしょうか。
ここ数年はほぼ全作品拝見しています。と言っても鳥頭の私ですからあまり覚えていないのですが。今年はちょっと用事が入っていて、かなり見られないプログラムがあるのが残念です。

昨日拝見したのはEプログラム。4作品のところ、1作品間に合わなかったようで3作品でした。

lose, lost, lost(堀宏行/ビデオ/15分)
ERR(堀宏行/ビデオ/15分)

卒展で2本出品される方というのも珍しい、かな?共同制作で複数の作品に名前が入っている方は毎年何人かいらっしゃいますが。

「lose, lost, lost」。人気の無い森の中、ひとり踊る女性。蝉の脱皮。静けさ、そして生命を感じさせる作品です。
「ERR」。独り言のようなぼそぼそした、実験映画によく見られる語り口。安アパートの部屋を360度ぐるっと写した映像とか。鍋をつつきあう野郎。かったるく、淡々と過ぎていく日々。
「lose, lost, lost」とはまったく毛色の違う作品。ただ、時々挿入されるイメージショット、油滴?とか、カップの中の黒いコーヒーの中、ぐるぐる回っている白いミルクとか、センスがいいなぁと思いました。
そして、そのかったるい日常をぶち壊すために無茶を、ホントにお馬鹿な無茶を。

卒展の作品、毎年何本かは無茶する作品があります。
子ネズミを焼き殺したり、ロープで体を結わえてマンションの屋上から飛び降りたり、時化波の打ちつける突堤で撮影したり、安全索もなく、高い時計台の内側を鉄骨を足がかりによじ登ったり。フリチンは毎年何本かあります。そして、それを捉えるカメラ。たぶん、カメラがあるから無茶もできたのだろうと思います。カメラの持っている力。それを使い始めるとば口に立っている人たちの作品。そのパワー。それが卒展の面白さのひとつなのかなぁとも思います。
作品を拝見しながらハラハラしたりもするんですが。

弓状筋肉の収縮状態における構造的並列(野村美奈子/ビデオ/25分)
「弓状筋肉の収縮状態における構造的並列」とは、解剖学的にいう「キス」のこと。
ひとりの若い女性の姿を中心に、感情の起伏を表す“トーン・スケール”というのに沿って表現した作品だそうです。
そのトーン・スケールを表す数字が4.0から0.0になるまでの作品。それぞれのショットはいい感じなんですが。ただ、構成がちょっと判りにくい、そのトーン・スケールと映像の関連がちょっと判りにくい部分もあって。
トーン・スケール、後で調べて、ここを見つけましたが。サイエントロジーの用語?
0.0は死か…。彼氏とベッドに入っている場面が割り当てられていましたが。“小さな死”(絶頂の後の放心状態)という意味でしょうか。

3作品とちょっと少なめでしたが、そのぶん憶えていられます。

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