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2005/11/04

旅の繪

昨日、また、引きこもり病が発症したみたいで。
部屋でだらだらしているのを、自分で自分を何とか引っぺがしてお出かけ。時間ギリギリ。
渋谷駅から坂を、さすがに走れないからできるだけ早足でひぃひぃいいながら登って。
着いたのはシアター・イメージフォーラム。何とか間に合い。
かわなかのぶひろ先生の「旅の繪」シリーズの上映。「空の繪」「時の繪」「夢の繪」。
「旅の繪」シリーズはかわなか先生が旅先で撮った映画。

上映前、かわなか先生のご挨拶があって。
かわなか先生の作品に音楽をつけていらっしゃった藤沢道雄さんがお亡くなりになったこと。藤沢さんとの思い出話をされ、そして、「旅の繪」3作品上映の後、もう一本藤沢さんが音楽をおつけになった作品を上映するとのこと。

最初の作品が「空の繪」。1985年に日本の実験映画を携えてアメリカ合衆国を巡回上映された時の記録をモチーフにしたもの。撮影は1985年ですが。作品は2000年のもの。
いや、ただの記録ではないです。まず冒頭に終戦直後の様子が映し出され。アメリカ人に片言英語で話しかけていた思い出が語られ。そして今度は自分がアメリカに行くことになったと語られ。そういう部分を踏まえての、自分の内と外の“アメリカ”を描いた作品かと思います。

途中、エンパイヤステートビルの絵葉書をバックに「アメリカよ!」を朗読する寺山修司という、かわなか先生の昔の作品が挿入され。そう、かつてのアメリカ、愛憎こもごもの、でも遠くのアメリカ。今時みたいに格安パックツアーで気軽に行けなかった頃のアメリカ。

そして「時の繪」。今度はミャンマー編です。こちらもただミャンマーの風景を写した作品ではなく。かの地の人々の様子が、終戦直後から昭和30年代あたりの、貧しくても元気のあった頃の日本の風景に似ていると語られ。そのかつての日本と現代のミャンマーの風景がオーバーラップして描かれています。
市場の風景、色とりどりの野菜や果物、肉に魚。ミャンマー風フルーツポンチやおかゆの露店。子供たちの表情。子供たちの表情、モニターを回して写してる相手が見られるようにビデオカメラをセットして撮影したそうです。その興味深げにモニターを眺める人たちの表情がまたいいです。この写されている様子がわかるっていうビデオカメラって、一方的に被写体は撮られるだけっていうかつての撮影者-被写体の関係を変えるエポックメイキングな発明品じゃないかしら。

市場に並べられた品々。果物とか魚と果肉とか、わんわん蝿がたかっています。露店の食器、使い終わっても洗面器の水で軽くすすぐぐらいできちんとは洗っていない様子。子供達、泥のようなものを顔に塗りたくって、洟をたらした子供もいて。
今時の清潔にパラノイアになってる日本人が見たら思わず引いちゃうかなと思います。あの風景に豊穣を感じるか、不潔と感じて引くか、たぶん、ある種の試金石かもと思います。私は両方感じましたが。
昔は魚の切り身とか新聞紙に包んでくれたものですが、今時そういうことをやると顰蹙を買いそうですねい。しかし魚屋で魚を買った記憶はもう何年もありませんが。

「夢の繪」。かわなか先生がクロアチアの映画祭の審査員として招聘された時、向うで撮った作品です。クロアチアの古都。3世紀から歴史が始まる古都らしくて。磨り減って丸くなった石畳。こちらでも子供の屈託のない表情(しかし、道路で遊ぶ子供の姿、最近ほんとに見かけなくなりました)。市場の風景。クロアチアは冷涼な気候のせいか、蝿はあまり飛んではないけど、でもちょっとは品物にたかっていて。市場に並べられた不揃いで傷のある野菜や果物。日本だと作り物みたいな傷のない、形の整った野菜や果物がパック詰めにされてスーパーに並んでいる訳ですが。

そして最後が「Bふたたび」。藤沢道雄さんの音楽が全編に渡って聞ける作品です。
そして上映後、またかわなか先生のお話があって。

それからかわなか先生や皆さんと居酒屋へ。
う~ん、引きこもりかかった反動でちょっと五月蝿くしてしまいました。

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