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2005/10/14

健全な肉体に狂気は宿る

健全な肉体に狂気は宿る-生きづらさの正体-(内田 樹・春日武彦:著 角川oneテーマ21)
読了。まぁ、タイトルに惹かれて買った本ではあります。
対談本。著者の内田氏は仏文学者、春日氏は精神科医だそうです。お二方とも他の著作は読んだことがないのですが。
スタイルは内田氏の春日氏へのインタビューといった感じになるのでしょうか。
面白く読みましたが、内田氏の「ねっ、ねっ、」という口調にちょっと辟易して、あまりさくさくとは読み進みませんでした。
以前、岸田 秀のインタビュー本でインタビュー者がおんなじような口調でちょっといやで、その本は結局放り出したままです。精神科医とか心理学者へのインタビューって、こういう風になってしまう傾向があるのでしょうか?

いや、本書はとても面白く読めました。今まで世の中に感じていた違和感、疑問、なんとなくうちにわだかまっていた物をきちんと言葉にしてくれた感じもしましたし、目からウロコが飛ぶような気分もかんじました。ほんとにステキフレーズ一杯です。

そのステキ感、例えば目次を引用するだけでも
第一章 世代論に逃げこむな
第二章 「自分探し」はもうやめよう
第三章 人間は、わかり合えっこない
第四章 個性とこだわり幻想
第五章 健全な肉体に狂気は宿る
第六章 まずは身体に訊け

と、びしびしきます。

内田氏の語る「虫食いスキーム」、
ちゃんとうなずきながら話を聞いているように見えても、ある瞬間からぷつんと回路がオフになって、もう何も聞いてない。(中略)それが「虫食い」状態になっているということに、ご本人は気がついてない。
こういう人って、けっこういると思います。
前に映画「容疑者 室井慎次」に出てきた少女の事を書きました。かわいいのと、二股をかけたり殺人をそそのかしたりするのが自分の中でまったく矛盾してない女の子。そういう女の子の内側では、二股かけたり殺人をそそのかしたりする自分を一面を「虫食いスキーム」で無意識レベルでシャットアウトしているんだろうなぁと思います。だから、かわいくする時は心の底からかわいくしていられる。
また、カルト信者、オカルト信者とかの人たち。自説に不利な証拠を出されてもまったく無視できる。そういうのも「虫食いスキーム」になるのかなぁ。
そしてこの世の中、たぶん、世間一般、そして私も含めて、「虫食いスキーム」は誰でも持っているような気もします。(ここ、大事なとこ)

(春日) そうそう。「未知なる幸福に襲われるよりは、勝手知ったる不幸の方が気が楽だ。」
これも良くある話のような気がします。ステキフレーズです。

(春日) わたしのところに来るような患者さんというのは、だいたい、こだわりとプライドと被害者意識の三点セットなんですが。
これは精神病の人以外でも当てはまるんじゃないかなぁ。現代人の心根として。そして、現代社会の病理の根っ子として。
世間をつらつら眺めていると、今の時代は「被害者意識の時代」だなぁとつくづく思うことがちょくちょくあります。被害者意識を以ってデカイ面する奴ら。ヒステリックな嫌煙者とか、そういう手合いじゃないかと思います。つうか、そういうのって、無意識レベルの事だから、下手に批判すると逆ギレされそうですがね。それに、そうなるのは、一応は“弱者救済”という事が時代の雰囲気として存在しているという事だから。それは悪いことではないと思います。が…。

まぁほんとにちょっと引用しただけでもこれだけ挙げられます。
「健全な肉体に狂気は宿る」、おススメであります。

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