師曰く、不良ども集まれ!
土曜日は実験映画上映会、「師曰く、不良ども集まれ!」に行ってきました。
かわなかのぶひろ先生と生西康典さんがトークショー形式で次々実験映画をかけていくというイベントです。会場は六本木のクラブ、スーパーデラックス。そういや昔、白夜書房からスーパーデラックスとかいう雑誌が出ていたような記憶があります。
新宿から大江戸線で六本木へ。昔、六本木というのは交通の便が悪くて、コアな遊び人の街、だったそうですが。大江戸線ができてからずいぶん便利になりました。まぁ、その分…、なんでしょうが。大江戸線六本木駅からスーパーデラックスへ。始めて六本木ヒルズとやらを見ました。
6時を少し回ったところで会場着、少し待って入場。
スーパーデラックスはがらんとした広いクラブ。配管とかがむき出しの高い天井、白塗りの壁、座るところが畳になった変ったソファがぽつぽつと配置されています。
東京エールなるビール系の飲み物が供されていました。ハーフ&ハーフみたいなちょっと重めのビール、といっても輸入物のエールほど重くはない感じですが。そこらへんの塩梅がいいです。うまいです。
実験映画は少し見ています。だいたいイメージフォーラムシネマティークで見ている訳ですが。
ただ、実験映画に関するレクチャーを受けたりとか、実験映画史とかいった本を読んだりとかはほとんどしていません。イメージフォーラムシネマティークで実験映画を見る時に資料として目にするのは、シネマティークの上映案内のリーフレットに載っている簡単な解説くらいです。
ここらへん、きちんと勉強して、知識を持って、「見る目」を養えばいっそう面白くみられるんじゃないかなぁと思っていはいますが…。
今回の上映会は60年代あたりからの国内外の作品を集めて、網羅的に上映される、そして、かわなかのぶひろ先生と生西康典さん解説も含めたトークショー形式で上映される、というので、そういう「見る目」を養う部分も含めて楽しめるんじゃないかと思いました。
しかし、私みたいな映像作家でもない、研究もしてない、ただ漠然と実験映画を見て楽しむだけのスタンスの人間って、珍しいんじゃないかなぁ。なんか私って、いろんなジャンルに対して、そういうどっちつかずの、足場の悪いスタンスを取るなぁと思うのですが。
結果から先に言うと、とても面白かったです。解説も面白かったです。
たくさん実験映画が見られて楽しかったです。もちろんほとんど未見の作品ですし。
もうちょっと講義スタイルでも良かったんじゃないかなぁと思います。作品の系統とか、そういった解説も含めてね。ほんとにこの歳になって思うけど、もっと若い時に色々勉強しとくんだったなと。学校の外の勉強もね。勉強というと堅苦しいイメージがあるけど、興味のある事柄について新しい知識を身につけるのは喜びであると思うし。
『構造映画』という言葉を知りました。「映画」の枠組みをいじる、メタ映画というか、“趣向”の映画だと理解しましたが。「フリッカー」というただ全編白いコマと黒いコマでちかちかする作品とか、映画上映のときは映らない、映画フィルムのはじっこのところを写した作品とか。
寺山修司は演劇でもそういう“メタ”な演劇ですし、寺山修司の実験映画でもそういう作品が多いと思います。「遮られた映画」の『蝶服記』とか。最後に「明かりを点けてください、明かりがつけば映画なんか消えてしまうんだ」と役者さんが語る『書を捨てよ町へ出よう』とか。
ただ、そういう“趣向”映画は、その“趣向”が突出してなければ、それプラスの面白さが必要になる、とか。
うまく説明できないなぁ。でも…、言葉にできないことを言葉にする訓練も必要。
ミニライブがありました。実験映画の劇伴っぽい曲。
それと、今回スクリーンはクラブの白い壁でした。スクリーンを用意するより野趣が出る感じでした。う~ん、スクリーンを用意して欲しかったような気もしますが…。
あと、映写技師さんがお上手だったような印象を受けました。造形大の生徒さんらしいのですが。トークの間にてきぱきとフィルムを架け替えたり、映写もそつなかったですし。実験映画の上映会って、けっこうたどたどしい上映になったりするものですが。
上映会は深夜2時まで。うぅむ…。ちょっと中途半端な時間です。終電に間に合う時刻か、それともいっその事オールナイトでやって欲しかったのですが。まぁ、会場はクラブだから、朝までいられるのでしょうが。
さすがにオールナイトはきついので終電ぐらいの時間で途中退出。六本木からだとどのくらいの時間になるか読めなかったんだけど、結局終電から2つ目の電車で帰宅しました。
でも、やっぱり朝までいるかタクシー帰宅で最後まで見るべきでした。
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