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2005/08/21

超人計画

050821超人計画(滝本竜彦:著 角川書店:刊)
読了。「引きこもり作家」滝本竜彦の初エッセイ集。新刊じゃなくてちょうど2年位前の本。

滝本竜彦さんの小説『ネガティブハッピー・チェーンソーエッジ』、『NHKにようこそ』はとても面白く読みました。新作を心待ちにしているのですが。小説最新刊の『NHKにようこそ』が出たのも2002年の1月みたいです。(私が滝本竜彦を読み始めたのはそれからだいぶ後になりますが)『超人計画』は『NHKにようこそ』の後に出たエッセイ集になります。

『ネガティブハッピー・チェーンソーエッジ』と『NHKにようこそ』は、ひとことで言えば、「虚しさにとりつかれている少年が傷ついた少女と出会い、少年は彼女のために戦うことによって、人生の意味をちょっとだけ見い出す。」というお話です。
本エッセイで滝本竜彦に何かキャッチフレーズをつけるというネタが出てきますが、私が滝本竜彦にキャッチフレーズをつけるとすれば、「21世紀のロスト・ジェネレーション作家」と呼びたいです。

何回か書いていますが…。“ロスト・ジェネレーション”を“失われた世代”と、何か意味が良く解らないけどちょっとかっこいい感じの言葉に訳すのは間違いだと思っています。“迷子の世代“という訳の方がいいと思うのです。ちょっとみっともない語感も含めて。自我を託するに足る既存の価値観が崩れ、そういったものが共同幻想であることが露わになり、しかし、新しい価値観が見い出せず、途方に暮れている世代。だから迷子の世代。人生に意味を見い出せず、引きこもらざるを得ない世代。

本書に語られる「超人計画」とは本書によると、
それはすなわち『わたくし滝本竜彦が超人になる計画』のことである。
(中略)
だから手遅れになる前に、一秒でも早く、僕は、僕という人間を、その根本から叩き直さねばならないのだ。全てのルサンチマンを打ち捨てて、救いがたい虚無感をも乗り越えて、立派な超人へとジョブチェンジしなくてはならないのだ。

という事のようです。滝本竜彦のルサンチマンの根底にあるのは「もてない事」のようですし、超人への道というのは具体的にはまず三次元彼女を作るということみたいですが…。

しかし本書に描かれる滝本竜彦の行状はスットコドッコイで、イタくて、でも、シンパシーを持てて…。笑いつつそのイタさに共感、であります。
つ~か、笑ってる場合か?>わし。わしの方が滝本竜彦よりずっと歳上、つまりこっちの方が手遅れ度は高いぞ。

滝本竜彦さんには“脳内彼女”がいらっしゃるようです。名前はレイ、もちろん『新世紀エヴァンゲリオン』の綾波レイです。滝本さんとレイのやり取りも面白いです。しかし、となると、脳内彼女という概念を打ち出したのは『電波男』の本田透さんと滝本さんとどっちが先なんでしょうか?しかし、本田透さんといい、滝本竜彦さんといい、小説を書いている人の脳内彼女さんって、やっぱりレベルが高いです。

滝本竜彦さんの新作小説を心待ちにしていますが…。本書を拝読してもなかなか書けてないようですし…。やっぱり3作目となると新基軸を打ち出していかないといけないものだろうし、そこらへんのプレッシャーがあるのかなぁ。そして、やっぱり、オノレの鬱屈とかルサンチマンをバネに作品を作っていて、でも、それを作品という形にし、そして、その作品が世間に認められて、その鬱屈とかルサンチマンがある程度解消されると、続く作品作りに困難を感じるのではと思います。例えば『意識さえずり』『ヒダリ調教』に続く頃の白川幸司さんみたいに。

しんどいんだろうなぁと思うのですが…。

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