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2005/08/15

内藤ルネ展

13日の土曜日は、弥生美術館に内藤ルネ展を見に行きました。
弥生美術館/竹久夢二美術館は行っときたい美術館でしたが、ちと腰が重くて行っていなかったので、これを機会に。

千代田線、根津駅を降りて弥生美術館へ。地図では気づかなかったのですが、上り坂。暑い盛りに上り坂。木立が多いせいか、蝉の声がにぎやかです。弥生町にあるから弥生美術館。弥生町ってのはところどころにあるみたいですが、この弥生町は“弥生式土器”が発見された弥生町であるようです。道すがらそれを記念する記念碑を見つけました。坂を上りつめたあたりは東大のある一角。東大と道を挟んだ対面に弥生美術館はありました。

50815正面から写真を撮ってみましたが、木立に隠れて何も見えませんねい。
木立に隠れて弥生美術館と竹久夢二美術館があります。両方とも小さな、小さな美術館です。木立に隠れた小さな美術館、なんか似つかわしい気がします。弥生美術館は3階建て、竹久夢二美術館は2階建てのようです。それと喫茶・軽食の“カフェ港や”があります。“港や”は竹久夢二グッズを置いていたお店の名前ですね。

内藤ルネさんは50年代からご活躍の方。中原淳一さんにあこがれて少女向けの雑誌社の編集部に入って、イラスト等の仕事をされた方のようです。今時の少女たちの“かわいい”に価値を置く感性のの嚆矢となった方。大塚英志の書物を拝見すると、“かわいいカルチャー”の発生は昭和40年代末期でありますから、それを遡る事20年以上前にその礎を築いた方と言えるかと。

内藤ルネ展は弥生美術館の1階と2階のフロアを使っていました。内藤ルネさんご自身は自作にあまり執着がなく、手元に自作をほとんど置いていらっしゃらなかったようですが、コレクターさんがお持ちの品を提供していただいたそうです。

ここら辺は自作を版下作業と割り切っていた部分もあるんじゃないかと。線画だけ描いて、着色はせずに色指定だけというスタイルでイラストをこしらえていた事もあるようです。昔、漫画家のみなもと太郎さんのエッセイで「漫画はしょせん版下作業」と書いていたのを思い出しました。なんて言えばいいのでしょうか。複製を前提とした作品作りというか。

ルネさんのイラストが載っている雑誌とか、紙袋とかビニールバックとかのグッズ。そういう形で世に出ることが前提の作品。そういう品物って、ある種「使い捨て」の部分があると思いますが、そういった品々を大切に取っておいているコレクターの皆さんの気持ち、なんとなく好きです。

ルネさんは男性同性愛者だそうです。生涯の伴侶と呼べる方と出会えたそうです。そういう、生涯の伴侶と呼べる方と出会えたのって、とても羨ましいです。また、薔薇族にも寄稿されています。
そして、“かわいい”カルチャーの嚆矢となった方が男性同性愛者であった事は、少女漫画とかでの美少年同士の恋愛とかのブームとか、現在の“やおい”ブームとも通底していると思うのですが。どうでしょうか?

また、ルネさんは四谷シモンさんとか、状況劇場の方々と親交があったとか。そう考えると、ルネさんの描く美少女は、四谷シモンさんのお人形とどことなく似ているような気がします。

で、竹久夢二美術館。竹久夢二についてのきちんとしたドキュメントは寺山修司の『さかさま文学史 黒髪編』の竹久夢二の項しか読んでいないのですが。自分の意匠物を“港や”で販売してブームを巻き起こした、ファンシーグッズビジネスの嚆矢となった方ですね。内藤ルネさんのさらにルーツかと。

で、『さかさま文学史~』によると、竹久夢二は少女狩りの人だったとか。少女と次々と関係しては捨てていった人物とか。竹久夢二と内藤ルネさん、どちらのほうが人として尊敬できるかというと内藤ルネさんですね。もちろん芸術というのは残酷で、贄を求めるものでありましょうが。いや、おこがましい事書いてます。

内藤ルネさんの作品、私もかわいいと思いますし、いい感じです。好きです。復刻版も出ているようですし、私もちょっと欲しいなぁと思ったり…。

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