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2005/06/20

台所太平記

金曜日はフィルムセンターで豊田四郎監督『台所太平記』を観てきました。1963年の作品です。
日本映画データベースによるスタッフ・キャスト表はこちら
フィルムセンターによる作品紹介はこちらです。

今年、生誕百年を迎える映画監督がたくさんいらっしゃるそうで、そのテーマでの特集上映の一環として、豊田四郎特集が組まれているそうです。

久しぶりのフィルムセンター、1階のベトナム料理レストランがなくなって、ただのロビーになってました。何度かご飯を食べたことがあって、いい感じのレストランだったので残念。水替わりにでてくるチョウセンアザミのお茶が不思議な味で印象的だったのですが。
健康増進なんたらのせいで喫煙コーナーもなくなったし、フィルムセンターはだんだん不自由な場所になりつつあるみたいで、残念。

『台所太平記』は谷崎潤一郎原作。終戦後数年してから昭和40年くらいまで、谷崎家に入れ替わり立ち代り勤めた女中さんの様子をコミカルに描いた作品のようです。メイド属性の方にはたまらない映画かと(違)。

女中さん達、皆さんキャラ立ちまくってます。
今から40年ほど前の映画ということで、女中役の森光子さんも若いです。いや、本作は女優さんをキレイキレイに撮る作風ではないです。それが豊田四郎の作風かどうかはわかりませんが。
淡路恵子演ずる小夜、今で言えば“不思議ちゃん”でしょうか。今時なら不思議ちゃんもありがちなキャラでしょうが、40年前の映画で描かれるというのは驚きでした。女中仲間とレズるし。
京塚昌子さんもご出演。『肝っ玉母さん』京塚昌子さんは私にとって、“永遠のお母さん女優”であります。『卓球温泉』を拝見すると、松坂慶子さんもそういう感じがしてきているみたいです。いつもは優しいお母さんなんだけど、ほんとに怒ると怖い。そして、愛する家族を守るためならとことんタフになる、そんな母親。そういうのが理想像です。そして実は結婚前、今の夫と死ぬの生きるのなんてあった、そういうのがあれば更によろし。

時代の流れ。
物語冒頭は女中さんも着物姿でしたが、時代を下るにつれて洋装が普通になります。森繁久彌と淡島千景の主人夫婦は最後まで和装です。
そして、女中という存在も消えいくもので。最後の女中さんは女中という生き方が古臭いと、自ら女中を辞め、ボーイフレンドの口利きでゴルフ場のキャディになる、と。そして主人夫婦はアパートに越して、女中なしで暮らそうと話す、と。

ま、確かに私も、住み込みの使用人なんて真っ平ごめんだなぁ。
(中小企業の社長って、社員を使用人と勘違いしている場合が多くて辟易するし)
こちらが主人でも、住み込みの使用人がいるってのはちょっと気詰まりになりそうな気がします。

と言いながら、メイド喫茶おおはやりみたいだし、メイド萌え属性の人っていっぱいいるみたいだし。あたしも少々メイド属性はあるかもしれない。
不思議なものです。

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