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2005/05/02

イメージフォーラムフェスティバル Bプログラム

昨日も渋谷でお勉強。メーデーのデモ隊のシュプレヒコールがちと五月蝿かったです。
それから新宿パークタワーホールへ。イメージフォーラムフェスティバルBプログラム。
こちも日本作品のプログラム。

プロトタイプ(尹剛志/ビデオ/6分/2004)
CGアニメ。左へゆっくりとパンしていく視線。現れるプレートやボタンなんかのシンプルなオブジェクト、カメラが通り過ぎるとアクションしたりします。機械のうなるような音をベースにしたBGM。

こずえわたり(ほしのあきら+横溝千夏/8ミリ/40分/2004)
日常生活の断片を切り取って、積み重ねていくような作品です。かわなかのぶひろ先生の『私小説』シリーズに近い作風。

こういう作品を観ていて思うのだけど、観客に飽きさせずこういう作品を見せるというのは、その作り手に極めて高度なセンスが必要になると思います。見た目のスペクタクルとか派手さで観客を引きつけらる作品ではないですし。ある種の、観客に共鳴現象を起こさせる息遣いというか。ひとつ間違えれば、他所の家で見させられる、当人にとっては面白いかもしれないけど、他人にとっては限りなく退屈なだけのホームムービーになってしまうかと思うのですが。しかし、ホームムービーとは明らかに一線を画するのも理解しています。

初めて『私小説』シリーズを見たときは自分で自分に驚きました。美しい光景が写されるわけではなく、美男美女が登場するのではなく、派手なアクションシーンがあるのではなく、ほんとに日常的な風景の断片の積み重ね。それを退屈せずに惹きこまれて見ている自分にまず驚きました。ここらへんを突き詰めて考えると「人はなぜ映画を見るのか?」という話にまで広げられると思いますが…。
『こずえわたり』もそういう意味において良くできていると思います。

あと感じたのは、命に対するまなざしというか。生まれたばかりの子犬、子犬と遊ぶ子どもたち、雪の中の木立、日差しの中の木立。葬儀のシーン、死んだペットを埋葬するシーン、入院しているおばあさん。

こういう作品、好きです。

Paper Film(古川タク/ビデオ/6分/2005)
イラストアニメです。う~ん、なんて説明していいのかなぁ。アニメーションそのものから一歩下がって「イラストを動かしていますよ。」という雰囲気を出している作品だと思います。
ずらりと横一列に並べられた画用紙、それに描かれたイラストが波のようにアニメーションしたり。

都市東京(小柳祐介/ビデオ/2分/2004) ※一般公募部門入選
こちらもアニメーションです。携帯メールをやり取りしながら歩いていく人たち。
事故があったり爆発があったり、それでもみんな淡々と歩き続け、ただ、その事をメールにして発信しています。
ま、最近ほんとに携帯メールを見ながら歩いている人たちは当り前の風景で、そのカリカチュアライズとして面白い作品でした。

ただ、残念だったのは、上映条件が悪くて、やり取りしているメールの文章がテロップになって出てるのが読めなかった事。会場のパークタワーホール自体汎用のホールで必ずしも映画の上映に向いているわけではないのですが、8ミリ作品とかも上映するのに苦しいみたいで『こずえわたり』もクレジットとか読めなかったし…。ちょっと残念でした。

絵画の残像 映像の残光(小瀬村真美/ビデオ/20分/2005)
こちらもテロップの文字が読み辛かったのですが。どうもあるインスタレーションを映像化した作品みたいです。3本の作品から構成されています。

最初の作品、テーブルの上、花瓶に飾られた花、皿に盛られた果実。その花が段々と朽ちていく様。あ、ありがちな作品だな、と思ったのですが。今度はフィルムの方が朽ちていって。

次の作品。椅子に座って眠る人物がライトに浮かび上がります。ゆっくりとした寝息。そして、傍らの小卓の花瓶の花が段々と朽ちていきます。

最後の作品。横顔の人物画、それが緩やかに動いていって。目や口を閉じたり開いたり、画像が変形したりして。しかし、その動きは緩慢で、かすかで、動いていると知覚できるかできないかの閾値上にあって、その閾値感覚が面白かったです。

The Trains(ひらたたかひろ/ビデオ/8分/2004) ※一般公募部門審査員特別賞
本作を見るのは何回目になるでしょうか。去年のイメージフォーラム付属映像研究所の卒業制作展で見たのが初見、それから去年秋の卒業制作展の名作集の上映会でも見たかな?たぶん3回目か4回目。

やっぱり初見の衝撃は忘れられません。画面を横切る山手線の列車。それが繰り返し繰り返し。あ、ありがちだなぁとぼんやり見ていたのですが、ふと気がつくとその列車が徐々に徐々に変形していって…。

今回は『The Trains』そのものよりも、見ているお客さんの反応の方が見たかったです。
会場のあちこちから忍び笑いの声が漏れていました。そ~でしょそ~でしょ。
本作はほんとにたくさんの人に、前知識なしで見て欲しい作品です。

という訳でBプログラム。4回券2つ目。かわなか先生の新作のDプログラムは必ず見るとして、あと何を見ようかと考え中。

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