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2005/04/15

クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶ!夕陽のカスカベボーイズ

昨日はちょっとくたびれ気味。例によって例の如く一杯やりながら、先日録画した『クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶ!夕陽のカスカベボーイズ』をぼんやりと見てました。去年の春に公開されたばかりの作品みたいです。
『クレヨンしんちゃん』劇場版シリーズ、アニメ情報サイトで褒めていることが多くて。私も『電撃!ブタのヒズメ大作戦』、『嵐を呼ぶモーレツ!オトナ帝国の逆襲』を見ましたが、面白かったです。

リアル鬼ごっこ(『リアル鬼ごっこ』という遊びの名前は後で分かるんだけど。わはは!このネタでくるか!)を遊んでいるしんちゃんたち。迷い込んだ人気のない映画館・カスカベ座。無人のはずの映画館、しかし、なぜかスクリーンには延々と西部劇風の荒野が映し出されている。トイレに行ったしんちゃん。トイレから戻ってみると遊び仲間は消えいていて、しんちゃんはみんな帰ったと思って家に帰る。しかし、家から帰ってみるとみんな戻っていない事を知る。みんなを探しに改めて父ちゃんと母ちゃん、妹のひまわりと一緒にカスカベ座へ戻ったしんちゃん。スクリーンにはまだ映画が映っている。気がつくとしんちゃんたちは映画の中の世界、西部の荒野に立っていて…。

しんちゃん一家がたどり着いたのは西部の町。ジャスティスという名前の悪党の支配する町。外の世界からやってきた人々は強制労働に従事させられ、その、映画の世界から逃げ出そうとする者には容赦なくリンチが加えられる町。その町でしんちゃんたちは…、というお話。
(以下、ちょっとネタバレありにつき…)

西部劇の世界に迷い込むしんちゃんたち。しんちゃんたちのギャグテイストの絵と、西部劇の世界の住人のシリアスタッチの絵と、違和感が生じないようにうまくなじませてるなぁと感心しました。見ている分には気がつかないだろうけど、たぶん、製作スタッフは苦労したんだろうなと。こういう、見ている分は気がつかないだろうけど、スタッフ側は苦心したんだろうなという部分、映画の、いや、エンターティメント物の面白さを支えているんだろうなと思います。

『電撃!ブタのヒズメ大作戦』、『嵐を呼ぶモーレツ!オトナ帝国の逆襲』、そして本作もしんちゃん一家が日常生活から異世界に行き、そして日常の世界に帰ってくるまでが描かれています。いや、ファミリー物で冒険譚を描くとすれば、こういうフォーマットに落ち着くのでしょうが。
『ブタのヒズメ大作戦』は巻き込まれ型。エスピオナージの異世界にしんちゃんたちは巻き込まれ、日常世界に戻ろうとする
『オトナ帝国の逆襲』では、大人たちが異世界、仮想の70年代の世界に行ってしまう。大人たちは、暗示の結果であるけれど、自発的な意思でその世界に行こうとする。そして、しんちゃんたち子供達が大人たちを日常世界に連れ戻そうとする。
そして、『夕陽のカスカベボーイズ』では、異世界は巻き込まれ型だけど、異世界に暮らすうち、日常世界は忘れてしまうという設定。しんちゃんたちは日常生活に帰る為に、日常生活を忘れないように努めている、と。
そういう対比も面白いかと。

全体の感想として。
いや、そこそこ面白かったです。
途中ちょっとだれるかなと思いましたが。ラスト、盛り上げてくれました。

市長が酒場で歌手をやっているみさえ(しんちゃんの母ちゃん)を自宅に連れてきてまでからかうシーンはちょっと…。底意地悪い、一種の“いじめ"を感じて嫌な感じがしましたが。みさえがあの、マリリンモンロー風の白いドレスでギターを弾き語るシーンもちょっと外し気味な気がしましたが。

しんちゃんが映画の世界からの脱出方法を思いついてから、その、鍵となる場所への汽車チェイスのアクションシーン、スーパーヒーロー化するしんちゃんたち春日部防衛隊、息もつかせず見せてくれます。巨大ロボが現れるあたり、あそこらへんは『ワイルド・ワイルド・ウェスト』のクライマックスシーンが元ネタかなぁ。『ワイルド・ワイルド・ウェスト』は未見ですが。
そう言えばガトリング・ガンの発砲音がリアルな感じがしました。

アニメ中の登場人物、西部劇でお馴染みのスターのそっくりさんがたくさん出ているみたいでした。ぱっと見で思い出せたのはユル・ブリンナーぐらいでしたが。ただ、それなら、声優さんもオリジナルのスターの吹き替えの人で、とも思うのですが、ほんとにそっくりさんとして出すなら、オリジナルのスターへの肖像権の問題とか、ギャラの発生とかの問題もあるだろうし。クレヨンしんちゃん劇場版って、細部の凝りかたが凄いそうで。たぶん、これもその凝り性の部分だろうけど、そういう事でちょっと中途半端な感じもしました。

つばき。本作のヒロイン。しんちゃん一家とたまたま出会ってそれからしんちゃんたちを助けてくれる女の子。心の優しい子。最初は悪党の支配する世界、ちょっと弱気だったのだけど、しんちゃんから勇気をもらって。
彼女がラストねぇ…、ラストねぇ…(涙)
しかし、あの、映画の世界から戻れる時の、しんちゃんに向ける表情、もうちょっとどうかならんかったのかと思います。なんか、崩れているって感じ、あまり良くありませんでした。あの時の表情をどう描くかで作品全体の印象がガラッと変わると思いますが。やっぱり難し過ぎたのかなぁ。それとも、こうこうでという表情で固めるのが作り手としては嫌だったのか。

う~ん、私的にはどうかなぁ、映画の世界に行ってしまう事。
私だったら、行ってしまってそれっきりでもいいや。住み心地が良くて、つばきみたいな可愛いくて、気持ちの優しい女の子(中学生くらいという設定なので、ちょっと幼すぎますが)がずっと側にいてくれたら、ね。
マッチ擦る つかのま闇に 霧深し 身捨つるほどの現実ありや?
なんて…。

今回の放送は、今週末に封切りされる『クレヨンしんちゃん 伝説を呼ぶブリブリ3分ポッキリ大進撃』の宣伝もかねての放送のようです。
監督は『アルティメットガール』のムトウユージとか。あの、おバカでしかも泣かせる『アルティメットガール』のテイストと『クレヨンしんちゃん』のテイストってぴったりマッチしそうです。ちょっと観てみたいな、と。

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