« どうやら… | トップページ | 大会準備 »

2005/03/29

ローレライ

おとついは『Uボート ディレクターズカット版』を観てイメージトレーニング(毎度の如くビゴでの補給シーン前あたりで酔い潰れて沈没)。
そして、昨日は映画『ローレライ』を観に行きました。

(以下、ネタバレ可能性ゾーンにつき、「続きを読む…」で)

「面白本、必ずしも面白映画とならず。」
これは鉄則だと思っています。
面白本が映画化されて、わくわくして観に行って、がっかり。というパターンは何度も経験しています。
映画としてそもそも不出来でがっかりというパターンもあります。それなら仕方ないのだけど。
映画としては悪くないんだけど、原作のイメージを引きずって、それと違和感を感じてがっかり、というパターンだと、原作本を読んでいる分、性質が悪いって事になってしまいます。

前者のパターンの作品はあえて上げないけど、後者のパターンだと、この前観た『マイ・ボディガード』(原作はA・J・クイネルの『燃える男』)が挙げられると思います。
ほんとに映画としては悪くない出来だったのですがね。及第点というか。
でも、原作と離れている部分がちょっと、という感じでした。

だから、『ローレライ』もちょっと観に行くのが怖かったんだけど。じくじく考えていたのだけど。
日本冒険小説協会全国大会前には見ておかなくちゃと思って、観に行きました。

また時間を間違えて、開映後にあわてて映画館入り。予告編が終わって、本編が始まって、オープニングタイトルが出る少し前でした。

いや、本編開始後あっという間に伊507、出撃です。
ここら辺の思い切ったすっ飛ばし方、いいと思いました。

だいたい本1冊丸々2時間くらいの映画にまとめるには無理があります。
特に『ローレライ』の原作『終戦のローレライ』はハードカバー版だと上下2巻の分厚い本ですし。
あれもこれもと欲張って、散漫な映画になるよりは、思い切ってばっさりと切って映画化すべきだと思います。
原作のエッセンスをうまく抽出してね。

うん、面白かったです。よくできていると思いました。
突っ込みたい所はいくつかありましたが、それも本編のパワーで押し切られてしまいます。
だいたい映画なんていくつか矛盾点が生じて当り前のもの(いや、現実もそうかもしれません)、それを押し切ってなお面白さを感じさせるパワーがあれば、全然問題ないと思います。

あと、マンガチックというか、アニメチックというか、そういう描写を受け入れられるかどうかですね。
現実的、という意味ではリアリティがないといえるかもしれませんが、物語的にはリアリティがあると思います。
そこらへんを受け入れられるかどうか。

同じような事が、この前観た『カンフー・ハッスル』を受け入れられるかどうかにもあると思うのですが。
『カンフー・ハッスル』も、カンフー映画にリアルな肉体のぶつかり合いを求める人には面白くないと思います。
いや、“リアル”なカンフー映画だって、その肉体技、リアリティを超越してしまう部分があるのだろうけど。
そして、逆に『マッハ!!!!!!!!』みたいに、特撮CG一切なし!ガチンコ肉体勝負!を売りにする格闘技映画も作られるのだろうけど。
マッハ!!!!!!!!、未見ですが、深夜+1で面白いって話を聞きました。

いや、やっぱり、こういうデフォルメを受け入れられるのは、マンガとかアニメとかを見慣れているからかなぁ。
『ローレライ』のネットでの評判、アニメみたいという話も見ましたが。

それと気になるのが、原作を読んでない人が『ローレライ』を見てどう思ったかなぁってこと。
原作を読んでない人が観て、説明不足だと感じた部分はないか。
例えば、敵艦を“撃沈”すると、ローレライシステムがしばらく使用不可能になる理由。
沈んでいく艦の、死んでいく人たちの思念まで感知したパウラがダメージを受けるせいだって事。
(その設定に私は鳥肌が立ったのだけど)

逆に、原作を読んだ人が観て、「ここイメージが違う」って気に入らなかった部分はあったかなぁって部分。

う~ん、私は、ですが。
やっぱり2時間程度の映画だから、すべてのキャラクターを描ききれないという事情はわかるし。
原作にあった印象深いエピソードもばっさり切らなきゃいけない事情もわかります。
そうしてばっさり切っていくからこそ、かっちりと作品としてまとめ上がるのだと思いますし。

あと、う~ん、ある種の違和感を本作には感じました。いや、悪い意味ではないです。
空気の違い、毛色の違いって言うか…。
この違和感を感じた原因、自分でも良く解らないのですが。
う~ん、樋口監督は戦後生まれ、という事で、やっぱり戦後世代が撮った戦争映画のせい、かも知れない。
戦中派が撮った戦争映画とはやっぱり違いが生じているのかもしれない。
そこらへんはきちんとした評論を読みたいと思います。

さて、私的にこだわりのパウラ。
香椎由宇さん。イメージ的に近いと思います。
確か原作では日系クオーターでしたっけ?クオーターというよりは日本人に近い感じがしましたが。

私はパウラを綾波系ヒロインと思っているのですが。『新世紀エヴァンゲリオン』の綾波レイです。
“体温の低い”感じというか。普段は感情をあまり人前で出さないタイプ。
う~ん、冒頭での感じだと、感情を出さないっていうより、むすっとしている感じの方が強いかなぁ。
まぁ、アニメキャラじゃないし、そこらへんは難しいかなぁ。

女とばれないように、髪を帽子に隠して甲板に出るシーンがあるのだけど。
髪をアップにすると、普通の女の子って感じでした。
あの髪型、綾波レイにも似ているけど、神秘的な感じがする髪型だったと気付きました。
いや、綾波レイの刷り込みがあるから、あの髪型に反応するのかもしれないなぁ。
それは収穫。

あと、パウラは、黒い潜水具のような服の下に、白い、セパレーツの水着みたいな物を着けているのだけど、それが一瞬包帯姿に見えて、エヴァ第1話の綾波レイの包帯姿を連想させました。

結論として。
パウラ役の香椎由宇さん、個性的な顔立ちの美人で、いい感じでしたよ。
どうも私は人の顔を覚えるのが苦手で、だから、個性的な顔をした人が好きみたい。
例えば、会長とか。

ただ、原作で出てきたパウラの兄が映画では出てこないのがちょっとおかしいと思いました。
兄がいるからこそ、兄のことを想えばこそ、パウラはローレライ・システムのパーツとなることを我慢できたはず。
もし、パウラがなんとしても生き延びてやるという貪欲な、イケイケドンドンな性格の持ち主じゃなけりゃ、パウラが原作通り、映画通りの性格なら、兄がいなければもう死んでいたか、廃人と化していたかと思うのですが。

そうそう、『ローレライ』を『宇宙戦艦ヤマト』みたいだったと書いているサイトがありました。
そう考えると、小説版も映画版も、ラストは、いちばん最初に出た小説版の『宇宙戦艦ヤマト』ですね。
乗組員がどんどん死んでいって、ラスト、古代進と森雪だけが小型の宇宙船で地球に帰るというお話。
となると、伊507の20.3センチ砲は波動砲かなぁ。

『ローレライ』おススメです。
5つ星評価で星4つか4つ半行くと思います。

|

« どうやら… | トップページ | 大会準備 »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/92510/3482504

この記事へのトラックバック一覧です: ローレライ:

« どうやら… | トップページ | 大会準備 »